佐竹一彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
僕が刑事になるための実務研修に派遣された先で指導担当になったのが、赤松主任だった。
刑事らしからぬ物言いや態度に最初は戸惑うが、やがてベテランの刑事の凄さを知ることになる。
華やかな捜査、時間との戦いのような捜査、そして地道な捜査。
ときにはネタモトを明かせないような、それでいて信憑性の高い情報を手に入れる赤松に僕は驚く。
5歳の少女が狙われた事件には予兆があった。
しかし、それを見逃したのは交番勤務の警官であり、すでに証拠品は破棄されてしまっている。
幸いにも5歳の少女の命は助かったが、結局犯行をエスカレートさせた犯人は次の犠牲者の命を奪う。
集まる情報の中から犯行につながるものに注目する。
それは刑事の長年の勘のようなものだろうか?
聞き込みにまわる場面にも、赤松のベテランらしい味がよくでている。
聞くべきことは聞くけれど、けっして相手を見下したような態度は取らない。
「犯罪者は、強盗事件を起こそうとして、強盗事件を起こすわけじゃない。
ただ金が欲しいだけのことだ」
ベテランらしい味わいのある深い言葉だ。
ここに赤松の刑事としての矜持がこもっているような気がする。
読みやすかったけれど、物語としてはどうなのだろう?
淡々と捜査記録を読んでいるような感じがした。
もう少し展開に緩急があれば・・・と思った。 -
Posted by ブクログ
TVドラマ「ショカツ」の原作者として知られる著者の1993年発表の処女長編となります。
著者は元警察官であり、本作品もその経歴を活かした警察小説なのですが、なんと「雪の密室」を取り扱っています!!
といってもメインの謎ではなく(メインは殺人現場から失われたと思われる名刀「村正」にまつわる謎です。)、その解決も本格ミステリとしてはアンフェアな印象は否めません。
とは言え、現実に密室殺人と思われるものが発生した場合のオチは案外こんなものかもしれないという説得力はあり、ある意味すれっからしの読者の思い込みという盲点を突くものと言えるかもしれません。
著書は本作品を含めて7作品を残し、2003年に54歳の若さで急逝されています。警察小説と本格ミステリの融合という大きな可能性を秘めていただけに何とも残念です。