鈴木恵美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレアラブの春以降、同胞団政権が転覆されるまで、2011年1月25日から2013年6月30日の間にエジプト国内で何が起きたのか、現地での生活を通じた生の実体験をベースに解説した新書。ムバラク失墜までエジプトに根付いてきた負の遺産も簡潔に説明されており、同国の現状を理解するには非常に良書となっている。
アラブの春以降、エジプトで主に活動していたのは3つのアクターであり、それは軍部、同胞団、青年勢力であった。1月25日の革命を主導したのは青年勢力であったが、それを完成させたのは軍部であり、この大衆中産革命とクーデターという二つの側面を有していることが、その後のプロセスを複雑にしたと、筆者はいう。
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Posted by ブクログ
アラブの春の波がエジプトにも押し寄せ、ムバラク打倒のデモが始まった2011年1月から、ムルシーが大統領を追われムスリム同胞団が解散される2013年9月までの2年半を丹念に描いたルポです。
それにしても、エジプトって軍の影響力が強烈なんだねぇ。軍は政治経済を支配しているのに、一方で大統領と対抗しており、国民からは味方だと認識されているという、まさに得体のしれない組織だという事がよくわかります。そして、その軍には毎年13億ドルがアメリカから供与されていること。
また、同じイスラム諸国の中でも同胞団を支援する国、軍を支援する国があり、事態を複雑化させています。
イスラエル・パレスチナに隣接し、スエズ -
Posted by ブクログ
[高揚、悲憤、そして苦悩]全世界を驚嘆せしめた2011年の革命の後、政治的にも経済的にも混乱に陥ってしまったエジプト。希望に満ちた革命はどのような道筋をたどっていったのか、その過程で軍やムスリム同胞団、そしてリベラル勢力は何を重要視し行動したのかについてまとめた一冊です。著者は、東京外国語大学アラビア語学科を卒業後、中東調査会客員研究員として活躍されている鈴木恵美。
情報が錯綜し、まさに現在進行形でエジプトの政治情勢が刻々と変化する中において、極めてスッキリと、エジプトが革命以後に歩んだ道筋を提示してくれているように思います。多くの利害関係者の思惑が交錯する中で革命の対立軸が目まぐるしく移 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【帯】
エジプトの盟主エジプトが迷走した、二年半におよぶ歴史上の劃期を、軍・宗教勢力・革命を起こした青年たちの三者の視点から追う。
《第1章 革命のうねり》
<1. 政権崩壊までの18日間>
<2. 革命の2つの顔>
【大衆中産革命】p21
海外の研究者の中には、エジプトの1月25日革命の本質を、革命のレボリューションとクーデターを合わせて、クーボルーションと評する者もいる。
【軍部によるクーデター】p26
すなわち、体制の維持を目論む軍部、政権の獲得を目指すムスリム同胞団、そして命を賭してムバーラク政権を崩壊させたと自負する青年勢力という三者の思惑が、民主化の名のもとで真正面から衝突したの