カーター・ディクスンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリ好きの端くれとしてディスクン・カーぐらいは読んどくかぁ、と思い手に取ったら…めっちゃ面白いじゃんコレ!
法廷弁護士であるヘンリ・メリヴェール卿の(特徴的な)キャラクター、開始数十ページには「解決編」に入っているところ、そして意外な密室トリック…。
世代としては『逆転裁判シリーズ』に近い構成だと感じたけど、まぁ元ネタがこっちなんだろうね。
つか『ユダの窓』は単に加害者が知っている穴ぐらいの認識だったけど、ヒューム翁を裏切った犯人が作り出した穴というダブルミーニングだったのだな。このネーミングセンスすごい良い。
古典と思い侮っていたけど、いや普通に面白かったなぁ。カーの作品は他にも読 -
Posted by ブクログ
婚約者の父親に会いに行った男が
出されたグラスに口を付けると
途端に気を失った。
気がつくと目の前には父親の死体。
完全な密室で起きた事件。
法廷ものはあまり好きじゃない。
動きが少なく、
ほぼ法廷の中でのやりとりだけで
話が進んでいくのはどうもつまらない。
この作品も序盤はひたすら耐えた。
そして、中盤、H・Mが
本領を発揮し始めた頃、
興奮でページを捲る手が
止まらなかった。
英国紳士の常識を覆すH・Mの
キャラクターが実に愛らしい。
トリックはいかにも古典的な
香りのするシンプルなものだったが、
だからこそ現代ミステリに慣れた
私には斬新で驚きの仕掛けだった。
次々に予想外の展 -
Posted by ブクログ
言わずと知れた有名作。でも読み始めてすぐに事件が起こって、あとは法廷シーンばかり。ってので派手な演出のミステリが好きな私としては、ちょっと退屈かなあ、なんて思ったのですが。いやいやこれがものすごく読まされました。さすが。
単に密室の謎を解くだけにあらず(正直、この密室トリック「だけ」ではそれほど驚愕もしないんだよね)。すべての事象の検証から導き出されると真実の数々。まさかそんな齟齬があっただなんて! 次々出てくる新たな証言と証拠に頭はぐるぐる、それでも不思議と謎は少しずつ解きほぐされてきて、なるほどこれこそ本格ミステリの楽しみだよなあ。 -
Posted by ブクログ
結婚予定の女性の父親に呼ばれて訪問したところ、薬物で眠らされ、目が覚めるとその父親が密室状態で殺されていたために、殺人の疑いをかけられたアンズウェル。ヘンリ・メリヴェール卿が被告側の弁護人となって、疑いを晴らし、無罪を勝ち取っていく話。
密室殺人の大家カーの作品の中でも有名な密室トリックが使われている作品として評価が高いが、オカルト趣味は見られないし、ほぼ全編にわたって法廷を舞台に弁論が繰り広げられるという、作者としては異色の作品。
ヘンリ・メリヴェール卿が「ユダの窓」と呼んだ、意表を突く密室トリックは確かに秀逸。ただし、このトリックは個人的嗜好からは外れているので、それほどの面白味は感じられ