小阪修平のレビュー一覧
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その名の通りです。読んで思ったのは「そうだったのか!」の連続で。これほどわかりやすく現代思想についてまとまっている本もそうないと思う。普通にハイデガーとかドゥルーズとか読むとどつぼにはまってしまって、ポカーンの連続になって、全然ページが進まないけれど、この人の語り口で咀嚼されたものを読むと、非常にわかりやすい。わかりきってはいないけれど、わかったつもりにはなれる。そんな簡単に「わかる」わけがない。「わかる」というのは深いんだから、そもそも。でも、面白かった。現代思想が面白いのは、現代に真に立脚して成り立っているから。それは現代思想に限らず。現代アートも。現代音楽も。読んでて考えさせられる本は、
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
団塊(全共闘)世代と言われる人たちがまもなく定年を迎える。
社会変革を夢見て活動し、その後、高度成長期を走り抜け、戦後の一時代を切り拓いた全共闘世代とは、何者だったのか。
そして全共闘運動とはいったい何だったのか?
個人的経験から語りはじめ、この世代の意味を思想としてとらえなおす、同世代から団塊ジュニアまで必読の論考。
[ 目次 ]
第1章 一九六六年の東京
第2章 戦後民主主義と空想
第3章 六〇年安保と三派全学連
第4章 全共闘運動―一九六八年
第5章 全共闘運動の転回―一九六九年から七〇年代へ
第6章 七〇年代―市民社会の風景
第7章 八〇年代
第8章 九〇年代から現在へ -
Posted by ブクログ
小阪 修平さんという在野の思想家の方の、朝日カルチャーセンターの講義録ですが、明快でわかりやすいです。今まで読んだ現代思想の本の中で一番わかりやすいです。特に所々、構造を図示しているのが良いです。
例えば、P.98に出てくる図7。知、自我、という丸があり、その外部に無意識、生、私、歴史、という矢印が伸びています。基本的に現代思想の問題とは、物事の基準とか根拠はこの丸の内部に無い、というところから発している、ということです。生といっているのはニーチェ、無意識といっているのはフロイド、私といっているのがキルケゴール、歴史といっているのがマルクス。イメージが湧きます。 -
Posted by ブクログ
フランス現代思想の主要な思想家たちをとりあげてわかりやすく解説している本です。
ヘーゲルで頂点を極めた近代思想は、主体・言葉・真理が一致するはずだという発想に根ざしていました。こうした主体中心主義、あるいはロゴス中心主義への異議申し立てが、現代思想の主要モティーフとなっています。現代思想の源流となったニーチェとフロイトは、自我の外部にある生や無意識の領域について語り、ソシュールは言語が恣意的な体系であることを明らかにしました。他方、フッサール、ハイデガー、サルトルらは、ヘーゲルの絶対精神に代表されるような普遍的な意味をもつ近代的主体に代えて、「実存」に基づく哲学を構築しました。
現代フラン -
Posted by ブクログ
そういえば、デリダの「脱構築」とかってよく聞く割には意味が分かっていないなぁと感じて新書コーナーにでんと積まれていたのを手に取った一冊。
著者曰く「市民のための語りおろし現代思想」ということだそうだけれど、なるほど文体は講義調で比較的平易な言葉が使われているにも関わらず、あまり説明がうまくない(あくまで個人的な感想だが)せいか若干の消化不良感の残る一冊ではあった。少なくとも、これを読んでタイトル通り「現代思想ってそうだったのか!」とピンと来るような人は少ないと思われる。哲学にはままあることだけれど、分かりやすく説明するために用いられる図というのがまず分かりやすくないし、文化人類学に関してはそこ