石田健のレビュー一覧
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ネタバレ管理職をやる年齢になって、ポリコレやハラスメントの問題に直面することが多くなり、権利が衝突した場合の判断に迷うこともしばしばである。話を聞くことも大事だけれど、不寛容な時代に仲裁することの難しさも感じる。イシケンさん、フジテレビの会見の際に極めて冷静な言動(二次加害の予防)が印象的だったが、テレビのコメンテーターのイメージが強かったので、単著を読んでびっくりした。膨大な資料と極めてクリアで簡潔な文体。素晴らしい書き手だった。テレビでのイメージ通り、冷静で抑制的・中立的な文章が続いていき、最後の2章で不適切な振る舞いに対する謝罪・補償、不適切な振る舞いを回避しようと努める方法については筆者の確固たる主張があった。ものすごく思考が整理された。一読の価値があります。
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ネタバレシリコンバレー発の思想を軸に、「カウンターエリート」とは何か、なぜ生まれ、社会をどこへ向かわせるのかを整理した一冊。
ピーター・ティールの思想を、ルネ・ジラールの「模倣欲望」と結びつけ、「学歴神話」などの“コピペ社会”批判として読み解く視点が印象的だった。
国家・非国家・国際社会という三つのレイヤーで、権威主義の台頭、官僚制からの脱出、リベラル国際秩序の揺らぎが描かれており、現代政治との思想的親和性を強く感じる。
一方で、既存の知や制度を軽視しすぎる危うさもあり、「壊すこと」自体が目的化していないかは慎重に考える必要があると感じた。
模倣を疑い、新しさを志向する姿勢は重要だが、なぜ既存のやり方が生き残ってきたのかを理解したうえで選択することも同じくらい重要。
アウトサイダー政治を考えるための、良質な思考材料を与えてくれる一冊だった。 -
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★「エリート」の意味が違うんだ★トランプを支えているのは経済的成長から取り残された白人労働者、とのイメージを引きずっていて、なぜ恵まれた環境で育ったエリートであるトランプに熱烈に同調できるのか、と長く不思議に思っていた。エリート臭がさらにきつい民主党よりマシ、という理由なら、そこまで熱狂的にはならないだろうにと。その疑問の設定の仕方が間違っていたことを本書は教えてくれる。
成長においていかれた米国(日本よりかなりマシとは思うが)にはびこるのは、「何かが間違っている」「本当に重要なことが無視されている」という意識。それが、現状の穏やかな変化をめざす(そして成果を得られなかった)リベラル層への不満につながり、破壊主義者であるトランプの支持へと至る。破壊主義者は、民主主義といった当たり前とみなしてきた概念そのものに疑問を突きつけ、ゲームのルールを超えていく。
そこにシリコンバレーの成功者たちの、破壊的な変革の意思が重なる。トランプ1期目は怪しい右翼が支え手となったが、2期目はピーター・ティールやイーロン・マスクの現状に対するいらだちが後押しとなったという。そして1期目は移民排除が全面に出たが、2期目はシリコンバレーを模範とした国家CEOによる君主制を目指すという。
エリートという言葉は「既得権益者」という意味で用いられていて、カウンターエリートはそれを打破する人たち。育ちや経歴とは関係ないことが理解できた。「エリートはグローバリゼーションというコピペをしているだけで、新たなものを生み出していない」というカウンターエリートの認識は、まさにシリコンバレー的だ。
ティールの主張などはよく分かったが、理解しきれなかったのは、若者がトランプを大きく支持した理由だ。カウンターエリートの影響力が高まった背景として、「何かが間違っている」という不満がリベラル・デモクラシーの行き詰まりともに顕在化し、増幅装置としてのSNSがマスメディアに取って代わり、キャラの立ったストーリーテラーが席巻した、分析する。
後者2つが大衆を取り込んだとするようだが、熱狂・分断に至るまでのうねりは増幅装置とキャラだけで広く巻き込めるのだろうか。そのあたりは若者側の思いに則した分析をぜひ読みたい。
アイン・ランド著「肩をすくめるアトラス」は読んでみよう。 -
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ネタバレチェック項目16箇所.エキサイティングな生活を送っていれば自然と朝目覚める。すごいアイデアは朝ごはん前に閃く。早起きは人生に奇跡を起こし、一気に高いステージへと引っ張り上げてくれる心にクリエイティブでスピリチュアルな活動。規則正しい生活習慣を繰り返す。目標とは・・・遠足当日の子供が眠っている場合じゃないと早起きしてしまうような状況。目標設定は言葉や数値ではなく写真が良い。紙に書かずにモノの写真を机に貼る、または見に行く。失敗から学ぶのは2度目の失敗を避けるルート。成功したいのなら最初の成功を掴み取ること。誰か他の人がやっていないかまず考える。仕事へのモチベーションは些細なことの集合体。人気ラングに入る書籍は読む人が多い。小説を読むことでビジネスに使える「言葉」を手に入れる。素晴らしい書籍との出会いのための乱読。忙しいときこそ遊びを入れて仕事を加速させる。夕食後3時間起きて体脂肪がつかないようにきをつける。サラリーマンなら副収入5万を目指す。
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ネタバレ石田健さんといえば、メルマガで有名なまぐまぐで「毎日1分!英字新聞」を発行され、単行本のシリーズを出されている。メルマガを元に書籍化(祥伝社黄金文庫からメルマガと同じタイトルで出版)してお金が入るなんて、「いいね」ボタンを何回押しても足らないくらいうらやましい。
その他、ネットビジネスを指導する「石田塾」が当たって、今では、「国産の高級車レクサスを毎年キャッシュで購入できるくらい稼いでいます」という成功物語を作り出した人だ。
そんな著者の生活をつづったものが今回の本だ。著者は、「今までとは違う考え方」と、「学校で教えてもらえないお金との付き合い方」をこの本で述べられている。精神的な「自立」と物質的な「自立」が必要で、この本から何かこれからに役立ってもらえるとうれしいと言われている。
面白いと思ったことをいくつか取り上げる。
1.「ことわざを疑え」
その理由は権力をもっている人間に都合が良いからで、「権力構造を補強、強化するために、言葉(=ことわざ)によって統制する」ところから距離を置いてふとこれでいいのかと考えることが必要だと著者は指摘している。特に今のように混乱している時にはクリティカル・シンキングが重要なので、既成概念に対して盲目的服従はやめようということか。
2.「首尾一貫性を放棄せよ」
スピードの変化が激しいのに、悠長に構えていられないのと、一度決めたからといってそれを金科玉条のごとく守り通す必要がないからと説いている。日曜日に放送されている「Mr.サンデー」を見ていたら、あのスティーブ・ジョブズの話をしていた。iPhonがもう少しで完成の段階で「これではダメだと思った」と言ってやり直しさせたエピソードを紹介していた。柔らか頭が必要なのだな。
3.「情報収集をあえて放棄する」
情報が氾濫している今の時代、雪だるま方式で入ってくる。それを使いこなせればいいが、単に情報に振り回されたり、溜め込んではい終わりとなってしまうことが多いから気をつける。よく書店で見られる今週読まれている本ランキングの本を読んでも、みんなと同じ情報しか入らないから、「差異」が生まれないとある。
4.「ソーシャルメディアが情報検索の中心となる日」
GoogleがGoogle+というFacebookをまねたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)
を開始して話題になっている。Googleは検索で大きくなってきた企業なのに、あえてSNSを展開するのは、Facebookを利用している時間のほうが、Googleよりも多いという現状を目の当たりにして、焦りを感じたからだ。それにSNSの方が双方向コミュニケーションで相手の顔が見える点でお薦めの情報を利用したり、商品を購入しやすい。誰だかわからない人からあるいは、サイトから勧められても説得力に欠け、見たくもないサイトが画面上に現れるとうっとうしく感じる。
5.「いきなりその道のプロに変身しよう」
「その道のプロと言うものに資格試験はありません。言ったもん勝ちといった部分がたぶんに含まれています」と著者は述べている。もちろん中身が伴っていないとまずいとも指摘している。
この本を読んで思い出したのが、ポリグロット外国語研究所を主宰され「語学で身を立てる」(集英社新書)の著者、猪浦道夫先生だ。猪浦先生は語学の先生でもあるが企業家といっても言い方のおっしゃっていることは「21世紀で生きていくためには、自ら仕事をクリエイトできる能力を身につけ、コスト計算ができて(経営者マインドを持つともいえる)、切り札となる専門分野を持つこと。興味のあること(複数で構わないので)に対するオタク度を高める。第2外国語を武器に英語はついでやる」と言った示唆に富んだ内容だ。
Art is long,Life is short.「芸術は長く人生は短し」と言うことわざがある。何だことわざを疑えと言うのに納得していないのではないかと言われそうだが、人生は長いようで短いことを言い表しているので、あえて引用した。今年は、大震災と原発事故が起こって、ふと思った。モクモク羊も語学で身を立てるという目標を持っている以上何らかの形で、つなげていきたい。このままだと生ミイラになっても実現する日はやって来ないからなあ。従来型の終身雇用の正社員、公務員型のライフスタイル以外の人生を送りたい方には一読してみて欲しい。 -
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2024年に『不適切にもほどがある!』というドラマが話題になった。コンプライアンスが厳しくなった令和と、それが比較的緩やかだった昭和の時代とのギャップを、面白おかしく描いた作品である。
では、「不適切な行為」とは、そもそもどのような行為なのだろうか。
現在の社会では、さまざまなハラスメント行為が取り沙汰され、「ハラスメントのインフレ」と呼ばれるほど、多くの行為にその言葉が適用されるようになっている。それだけハラスメントは日常的な話題になっている一方で、何が問題なのか、なぜそれが不適切なのかという判断基準は、案外曖昧な場合も多い。また、一歩間違えれば、自分自身が当事者になりかねない問題でもある。
本書は、「不適切な振る舞い」とはどのようなものなのか、そして、それをどのように判断し、回避していけばよいのかを考察した一冊である。
まず、人権とは何か、平等とは何か、どのような行為が人権侵害に当たるのかといった問題を丁寧に考察する。そのうえで、それらを土台として、コンプライアンス違反、ポリティカル・コレクトネス、ジェンダー、ルッキズム、「日本人ファースト」をめぐる外国人との共生や差別の問題、ハラスメントなど、現代社会で議論されているさまざまな問題を取り上げ、具体的な思考実験を繰り返しながら、その本質を考えていく。
ここで興味深いのは、人権や平等といった基本的な価値と、そこから導かれる具体的な社会規範とは、必ずしも同じものではないという点である。人権や平等という価値を踏まえながらも、何が適切で、何が不適切なのかという具体的な規範は、歴史的背景や社会状況、時代の変化によって変わり得る。だからこそ、既存の規範をただ鵜呑みにするのではなく、その根拠を考え、時代の変化に応じてアップデートしていく柔軟さが必要なのだろう。
また、不適切な行為を行った場合に生じる、キャンセル・カルチャーに代表される社会的制裁の実態とその是非についても考察される。さらに、不適切な振る舞いをしてしまった場合、どのような謝罪や償いが求められるのか、そして、そもそも不適切な振る舞いを避けるためには何に注意すべきなのかについても、最後に具体的に論じられている。
「これは不適切だからやってはいけない」と単純に答えを与えるのではなく、「なぜ、それが不適切なのか」を考えること。その思考を通じて、自分自身の判断軸を身につけることが本書の大きな特徴なのだろう。
本書は、コンプライアンスやハラスメントをめぐる問題が身近なものとなった現在、私たちがこれからより良い社会規範を作り上げていくための、一つの思考の手引きとなる一冊である。 -
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世界の人々の最近の思想や政治に対する考え方か良く理解できました。
リベラルな自由主義のナラティブのうちで人々が合意していたことは、明日は今日よりも良くなる、と言う物語くらいな気がします。
私も今は何かが間違っていると言う気持ちがあります。でもその気持ちを抱かなかった過去が正解だったのかと考えてみても、別に昔もそんなに正しかったわけではないよな。と言う感じです。
自分は外に立っているのに大聖堂の奴らはぬくぬくとしやがってとも思います。でもその大聖堂がカウンターエリートのお陰で壊されたとしても、自分自身の立場が良くなるかどうかまで分かりません。大きな建物がなくなって、日当たりが良くなり過ごしやすくなるかもしれませんし、逆に建物の影がなくなり直射日光で暑くてたまらなくなるなもしれません。もしかしたら壊れた大聖堂の破片が降って来てもっと痛い目を見るかもしれません。
SNSで重視される物語やキャラクターだけで、人間の社会生活に必要な大事な何かが取り返しのつかないことにならなきゃ良いなと思うばかりです。
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アメリカ人が大企業をしばしば厳しく批判する文化的背景を理解することができました。既存のものを壊し、新しいものを生み出していくという姿勢は、日本も見習うべき点があると感じます。
また、官僚が政治に深く関わることへの疑問や、変化の少ない政治に問題意識を持つ考え方は、世界共通のテーマであることも興味深く感じました。
一方で、石丸さんを「カウンターエリート」と位置付けることには少し疑問が残りました。当時の私の印象では、「経済に明るくない小池百合子氏」と、「民間で経験を積み、経済について学んできた石丸氏」という対比で語られることが多く、必ずしも既存エリートへの対抗勢力という枠組みだけでは捉えきれないように思いました。 -
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政治・メディア・学術界などの既得権益層エリートを批判するシリコンバレーエリートが台頭してきている背景を解説してくれる一冊。
象徴的なアイコンとしてイーロン・マスクやピーター・ティールらがいる。カウンターエリートの共通事項として、
・自らも高学歴エリートである
・行き過ぎた官僚主義や硬直した社会構造に根本的批判姿勢を持っている
・数理テック系技術やソーシャルメディアの扱いに極めて長けている
・莫大な資金力背景を持っている
経済格差や社会分断が進む中で、オールド既得権益層vs新進気鋭陣営のわかりやすい物語構造は社会に強い影響を与えているが、彼らカウンターエリートの莫大な資金力は、反リベラルの破壊的政治を後押ししている一面もありそうだ。
破壊的テック企業が作り出そうとしている社会文化構造は本当に幸せをもたらすのか?一部のテック企業が勝者総取りで稼ぎ出す莫大な利益は社会に適切に分配されるのか?このあたりが今後の注目点なのかな。