『フットボールサミット』議会のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたしの一番好きなフットボールプレイヤー。
引退が決まったら絶対に泣くと思う。
「この男、天才につき。」とあるが、
技術的には努力の人であり、視野の広さこそが天才だそうだ。
遠藤と一緒にサッカーをしてきた人のインタビューがいくつかあるけど、全員が信頼し切っていて、「遠藤ならできる」「なぜなら視野が広くて全体を分かっているから」という。
わたしのように自分でプレーしたことのない人でも、これを読むと遠藤がどうして替えのきかないプレイヤーなのかが少し、少しだけだけど、分かる気がする。
こういう掘り下げ方を、各プレイヤーでしてくれたら全部読みたいと思う。
次は本田?香川?長友?
風間さんのインタビューをとても楽しみにしていたんだけど、webに載っていたので全文なんですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私には衝撃の人物だった。
いや、それはカズ以上にその父親が...
King Kazu こと三浦知良については、語り尽くされた感が世の中にはある。
最近では人間としても円熟味を増し、マスコミも何かと言えばご意見番のように、プレーのことそっちのけで社会ネタでもコメントを求める傾向にある。
若くしてブラジルに渡り、凱旋帰国をし、日本サッカーを世界地図に載せ、ワールドカップを現実的な視野に入れる事を国民にもたらした男。
そしてドーハの悲劇、セリエA初のアジア人選手、ワールドカップ代表漏れ、再び欧州へ、そして現役最年長Jリーグ選手としての活躍。
誰もがこの辺りは容易に思い出す。
しかし、このブラジルに渡る前と、渡った時のストーリーを知る人は少ないかもしれない。
本書の最大の価値で最大の衝撃はそこにあると私は思う。
第2回フットボールサミット同様、この本は複数のライターの構成によって成り立っている。
そのため重複する部分もあり、時系列で読む事を求めている人は混乱するという意見もあるが、そこはたいした問題ではない。
また、中田の時と同様本人のインタビューが掲載されていないが、これは中田の時と違い、仕方ないものと思われる。
中田の場合は、Take Actionの活動等、Jリーグと抱えている現在進行形の問題などがあってインタビューが実現されなかったと思うが、今回はある家族の壮絶な物語の部分である。
三浦知良の父の名は、納谷宣雄という。
兄の泰年曰く
「一番尊敬できない人物であり、一番尊敬できない人物だ」
この父なくしてKing Kazuの伝説はなかったといえる。
66年にツアーに申し込んでワールドカップを実際に目の当たりにしたこの男は、その後日本初のサッカーショップを開いたり、ナイトクラブも経営したり、少年サッカーチームを作ったり、代表の応援で当時反日感情高まる韓国に行ったり、さらにそこでサッカーボールを作って輸入して売ろうと試みるなどとにかく豪傑、天衣無縫な人物であった。
しかし薬物所持疑惑で逮捕されると、離婚をし静岡を離れる。
カズと泰年は母方につくことになる。
しかしその後カズのブラジル渡米の意志を聞くと、単身準備のためにブラジルに乗り込む。
そこで土産物屋などで働きながら、情熱と片言のポルトガル語で受け入れ態勢を作る。
途中お金を工面するために、ブラジルのリーグの試合の放映権を日本のテレビ局に売ったり、やがて選手の代理人を果たし、日本へブラジル選手を来日させるキーマンともなる。
そしてカズの保有権(パス)を預かる人間として、その後カズのキャリアを築くのに大きく貢献している。
これこそが、インタビューが実現しなかった理由だと思う。
あまりにも重い、厳しい現実を乗り越えた親子の話がカズ伝説の裏側にはあったのだ。
これがあまり語られない本当のカズ伝説かもしれない。
そして本はその強烈なイントロから、ブラジル時代の苦労話からヴェルディーでの話、そして彼が円熟味を増していくきっかけを追いかけていく。
ヴェルディーからの彼を知る人は思い出が走馬灯のように甦る事だろう。
人間カズのラテンの部分と浪花節の部分が混じった魅力の原点がよくわかる一冊であったと同時に、あまりに魅力がありすぎてもっともっと知りたくさせる一冊であった。
44歳のストライカーに、指導者は似合わないと登場する人全員が口を揃える。
ブジラルでクラブ経営してもらいたい想いも登場する。
来年の今頃カズはどこで羽ばたいているだろうか?
そして10年後、20年後のカズはどうしているだろうか?
想像するだけでも楽しいものだ。 -
Posted by ブクログ
日本のサッカーの戦術、育成、文化、歴史を網羅した一冊
深すぎず、薄すぎず、それでいて読みやすく、日本のサッカーを様々な点から網羅した一冊。
タイトルは「ザックに未来を託すな」となっているが、この意味はもちろん旬なザッケロー二監督に便乗するという意図はもちろんあるだろうが、ザックがいい監督だからといって、問題点をおざなりにして安心するな!という戒めも込めたタイトルになっている。
前半の戦術の部分はお馴染みの西部さんや風間さんへのインタビューで構成されているが、この本の骨子はその後の文化の部分だと思う。
木村元彦著の「日本型サッカークラブ経営の理想と現実」
宇都宮徹壱著の「日本のサッカー文化はどこまで浸透したのか」
岡田康宏著の「論考・日本の応援文化」
の3つのフィールド外部分の内容がとても濃く、また彼らの著書などと読み比べるととても興味深い内容になっている。
例えば、「日本型サッカークラブ経営の理想と現実」は、「社長・溝畑宏の天国と地獄 ~大分トリニータの15年」と合わせて読むと大分トリニータと新潟アルビレックスの生い立ちがいかに違うか、そしてその結果どうなったかすごくわかりやすい。
さらに「日本のサッカー文化はどこまで浸透したのか」を「股旅フットボール」と合わせて読めば、地方クラブの現実がさらにわかる。
その他この本の中の河野太郎衆議院議員(@konotarogomame)の湘南ベルマーレと関わりや、新潟の役人等のインタビューも合わせて読んで行くと、地域密着総合型スポーツクラブの実態や課題、定着のたいへんさがひしひしと伝わる。
そこを理解した上でサポーターの考察「論考・日本の応援文化」に入って行くと、日本のサッカーを取り巻く環境の現在地が理解されてくる。
個人的には、ここで金子達仁氏の浦和サポーターに対する批判への反論がとても建設的なものである一方、日本サッカーの文化レベルが高くなっている証拠のような気がしてならない。
厳しく応援するのもよし、負けていようが歌い続け鼓舞するのも良し、様々な形が出てきたときこそ文化として定着したときだろう。
サッカー批評に続く、スポーツ(サッカー)をすごく大事に扱った良著として今後もフットボールサミットに注目したいが、この本がおもしろいかどうかは、日本のサッカーがおもしろいかどうかに直結していることも記しておきたい。数年後に廃刊になっているようだと、日本のサッカー界も廃れ始めているという事かもしれない。