池尾和人のレビュー一覧
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ネタバレ世界金融危機後の現代金融の入門書。
銀行システムや現代金融政策、あるいはデリバティブなどの
金融商品について知りたい人にとっては有益だと思う。
特に現代の金融政策に関しては、中央銀行が資金を供給する段階においては、既に市場に今どれだけの資金需要があるか分かっているからこそできることであり、資金需要がないままただ資金を流し続けても意味がない。
その場合、有効な手段として名目金利の引き下げが考えられるが
現在の日本の場合、それがゼロなので下げる余地がない。
ゼロに下げでもデフレが解消しないのは自然金利がマイナスだからだ。
だが、資金需要をあげるための明確な答えはまだない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ債権・株式の話一つとっても他の入門書とは違った観点から、かなり本質的な議論をすすめてくれる。
名著であり、素晴らしい。
1章金融取引の意味とそこにおける金融機関の役割 第2章銀行と呼ばれるタイプの金融機関が総体として果たしている役割を説明、第3章では金融政策、第4章資産価格に関連した話題、第5章金融面からみた日本のコーポレートガバナンス、第6章デリバティブや証券化といった金融の流れ、第7章金融危機を踏まえての金融規制監督
・資金の移転が可能となることにより、時間を通じて消費水準を平準化でき、効用が改善する。有望なチャンスを持つものとそれを実行できるものが必ず十分な貯蓄を有しているとは限らず社会 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
金融のビジネス・モデルに大きな変革が求められている今、第一人者が金融を原点から考え直す。
情報とは何か、信用はいかに創り出されるのかといった、金融の本質に鋭く切り込み、平明かつ簡潔に解説した定評あるロングセラー『現代の金融入門』を、金融危機の経験を総括すべく全面改訂。
アメリカの金融におけるリスク取引の功罪を明らかにし、金融システムの安定に必要な規制・監督の仕組みを考察。
あわせて、資産価格バブルと非伝統的な金融政策の効果についても検討する。
[ 目次 ]
第1章 金融取引
第2章 銀行システム
第3章 金融政策と中央銀行
第4章 資産価格とそのバブル
第5章 日本の企業統治
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Posted by ブクログ
近年の経済状況を考えるに大事な理論を簡潔に解説する本。
インタビュアーの質問や誘導に著者が答える形式で、なぜ日本はデフレに陥ったのかの状況分析から始まり、近年の(マクロ)経済学理論についての解説、金融政策、財政政策、アベノミクスの解説といった構成。
個人的には著者の主張や認識に疑問符がついたり、なによりインタビュアーの誘導が
主流のミクロ経済学 vs 非主流のマクロ経済学 の構図ですね(ドヤ
といった噴出さずにはいられないほど変だったりするところがあったが
、
その誘導に同意しつつも、理論トレンドの変遷についてきちんと解説がなされていたりと、全体としては現在の経済状況を考えるのに必要 -
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「日銀」という機構が今ほど注目を集めている時代はかつてなかったのではないだろうか。
「日銀」がどのようにして何を行っているのかは、極めて専門的で一般にはほとんど知られていないと思うが、本書は、その日銀の活動の内容をより深く理解できる本だと思った。
「金融政策の手段」や「金融政策の有効性」などを読めばなるほどなんとなくわかったようにも思えたが、本書には「これは難しい問題であり、まだ一致した答えは確立していない」という言葉がところどころに散見する。
水素と酸素を化学反応させれば必ず水になるような「化学」と違って、「経済学」とはなんとあやふやな学問であることかという感想を持った。
本書は、 -
Posted by ブクログ
基礎的なことから一つ一つ積み上げるように、とても丁寧に説明をしていっているので、じっくり読むと必ず理解出来るような、ロジカルな書き方になっている。その分、言い回しがかなりまわりくどかったり、説明が冗長なところがあるので、その文体に慣れるまでにちょっと時間がかかる。
自分自身が金融について詳しくないので、金融という世界をどういうスタンスで描いているのかはわからないのだけれど、おそらく、タイトルが示すとおり、金融業というものの基礎的な知識を、網羅的に初歩の部分から解説している内容なのだと思う。
内容的には、金融政策の話しや、バブルの生成の話しや、デリバティブの話しなど、章が進むごとにどんどんとトピ -
Posted by ブクログ
ネタバレ・金融市場の機能は、情報生産機能と資産変換機能の2つ。
・銀行は現金準備より何倍も多くの金を貸せる。
・中央銀行の機能と金融政策
・金融規制
このへんが書かれていた。
金融システムは社会インフラであり、重要な意義を持っている。
中央銀行や規制で守って、システムが円滑に機能するように努力が行われている。
金融システムは本当に良くできている。
歴史を重ねて現在の形になったのだろうが、冗長性があって、生態系のようでもある。
ちょうど植物と草食動物と肉食動物の数がバランスして均衡を保っているように、
市場も絶妙な均衡を保って価格を決めているのだろう。
自然現象のような人工物。
不思議だ。