工藤美代子のレビュー一覧
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✿ 感想 ✿
これは、衝撃の作品でした。
びっくりと同時に、そうだよな〜と感じる部分もあり、時代の変化を強く感じる作品でした。
筆者の「わが70余年の人生は、どうにも薄っぺらくえ意外性に乏しいものだったと思い知った」というのが、この本を読むと、自分もそうだな…と、感じてしまいます。
人生100年時代、性についても、いままでとは大きく変わってきているということを考えさせられました。ほんと、なかなかに面白かったです。
登場してくる人たちのお話がすごいですね。
根っこにある感情をオープンにすると、男女関係なく、女性も恋や、性というものを求めているのかもしれません。
高齢者には恋愛無用 -
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戦後A級戦犯として巣鴨プリズンに3年間拘留された後政治の世界を上り詰めた男、岸信介。
保守合同後の初の自民党幹事長、翌年の第56代首相、そして60年安保改定、「ただの運じゃ駄目なんだ。悪運が強くないと政治家は駄目なんだ、運が七分さ」と言い周囲のものを笑わせていた岸信介。確かに巣鴨拘置所に収監されるも、不起訴になり3年後に釈放、自民党総裁選に敗れるもわずか2月後に石橋湛山の辞任によって、総裁総理の座を手に入れる。そんな「昭和の妖怪・岸信介」を作者は数多くの関連書籍を参考によくぞここまで書いたものだ。
又、現在岸の孫、安倍晋三総理が繰り広げる改憲への繋がりも興味深い。 -
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一人の男の生き方として、興味深いモデルを記述している。公的には、無私の精神で奉仕する。一方で、私生活では女性にだらしなく、家庭を顧みない。
p.23
「「学問のある者は学問をもって世の中に奉仕する、多少でも金のある者は金で奉仕する、それが私の主義だから」」
p.35
「学校で勉強するより、世の中に出て、いろんな生きた勉強をするほうが、ずっとおもしろいわ」
p.50
「知恵と力は精を出すほど出てくるもんや。金は生かして使わなあかん。しんだら一銭も持っていけへん。」
pp.54-5
「笹川良一は、金儲けが目的で金儲けを始めたのではなかった。金儲けはあくまでも手段であり、ツールだった。」
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明確な起承転結があるのでもなく、ちゃんとオチておぉ怖いというのでもない怪談エッセイでしたが、それがとてもおもしろかった。読みやすかったのでスラスラページが進みました。
本当の怖い話ってなかなかちゃんとしたオチがないよな〜と思います。これまで2回お化けのようなものを見たり感じたりしましたが、そのどちらも後々こうだった!とか大したオチはなく、ただ見ただけ、感じただけだったので。
エッセイの本筋からは逸れますが、旦那さんの一言一言がなんだか可笑しかったですね。
同じ著者の別の怪談エッセイも読んでみたいです。
『ノンフィクション作家だってお化けは怖い』の文庫版 -
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日本のフィクサーといわれた男。笹川良一の伝記です。川端康成をして『この男の事は私には書けない』と言わしめただけあって、一概に『悪』とはいいがたい人間像が浮かびあがってきます。
日本のフィクサーと呼ばれた男、笹川良一。ノーベル文学賞を受賞した作家の川端康成をして『この男のことは私にはかけない』と言わしめた男。そんな男の伝記です。僕は以前、彼が巣鴨プリズンに収監されていたときに書き残していた手記をまとめた『巣鴨日記』を読んで以来、彼の人生に興味を持っていました。
この本を一読してわかったことはこの人はひとつの枠にはくくりきれないです。良気につけ悪しきにつけ、それだけのスケールを持ったまさに『怪 -
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友人の先祖であるという山本五十六。その生涯を息子である義正氏を初めとする生証人の証言をもとに綴られた一冊。過去になされた批判や評価を再検討しているなど神格化されることが多い五十六を中立的な立場から考察している点など評価できる点は多い。ただ太平洋戦争以前でのエピソードは若干偏っているかなぁという印象。
五十六の人となりについて印象的だったのは、太平洋戦争開始後大本営が戦果について過大に報道し始めた時放った「人は真剣になると自然に口数が少なくなるものだ。・・・中略・・・国の中でも同じこと、報道など静かに真相を伝えればそれで十分だ。太鼓を叩いて浮き立たせる必要はない。・・・中略・・・与論指導とか国民