上林暁のレビュー一覧

  • 新版 禁酒宣言 ――上林暁・酒場小説集

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     1999年刊行のちくま文庫が復刊。上林本人はもちろん、編集した坪内祐三(またの名をスタンレー鈴木)も既に亡い。新版解説として青柳いづみこが文章をよせているが(pp328-333)、いつものとおり、おじいさんの青柳瑞穂とその周辺の文士の酒飲み話がダラダラ書かれているだけ。「そんな背景もあってか、上林の『禁酒宣言』は、酒よりもむしろ酒場の女性たちに焦点を当てて読んでみたくなる」(p330)というところまでは同感だけど、いづみこさんは、上林側に立って、酒場の女たちに向ける上林の視線と感情に共感している。青柳瑞穂も上林暁も、坪内祐三も、彼らに共感するいづみこさんも、ほんとうにお酒が好きなのかなあ? 

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    2024年11月30日
  • 新版 禁酒宣言 ――上林暁・酒場小説集

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    上林暁、坪内祐三・編『新版 禁酒宣言 上林暁・酒場小説集』ちくま文庫。

    現代に於いては、デカダンスで力のある小説家は最早絶滅危惧種であるに違いない。巷にはラノベ小説やBL小説、エンタメ小説、警察小説が溢れるばかりで、何かを考えさせるような純文学小説などは余り読む機会が無い。これは作家や出版社だけの問題では無く、自分も含めて、読む側に大いに問題がありそうだ。

    本作は、そんな希少な作家であり、1980年に逝去した上林暁の酒場にまつわる短編13編を集めた私小説の短編集である。大方の短編の主人公が武智という小説家であり、恐らく自身のことなのだろう。


    『女の懸命』。昭和の戦後間も無い頃、女性を囲

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    2024年11月17日
  • 禁酒宣言 ――上林暁・酒場小説集

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    全てお酒に関する短編私小説です。家族が困ろうと、お金が無くても、お店の女性に何度冷たくされても毎晩宿酔する様は情けないを通り越して、変に感心しました。この時代の作家には味が有ります。

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    2012年01月15日