堀田善衛のレビュー一覧

  • P+D BOOKS 記念碑

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     「戦後10年」のタイミングで発表された「8月15日もの」小説の問題作。
     物語は日本列島空襲が始まった1944年12月から、米軍占領が始まる1945年9月までの時間をカバーする。語りは元外交官の妻で、いまは「和平派」の枢密顧問官・深田の私設秘書として活動する石射康子と、米国帰りのジャーナリストで、深田ら「和平派」高官のための情報収集を行っている伊沢信彦、その二人を足がかりに「和平派」の高官を検挙しようと付け狙う特高の井田一作を中心に展開する。日本敗戦の時間を辿り直すという意味では石川達三の『風にそよぐ葦』と似ているが、石川の小説のような、「良心的知識人」の自己正当化・自己合理化は見られない。

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    2024年07月10日
  • 堀田善衞上海日記 滬上天下一九四五

    Posted by ブクログ

    衝撃を受けた。
    上海に行って、彼が歩いた町を歩きたいと本気で思った一作。
    歴史的資料でありながら、最高の恋愛小説でもあると思う。

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    2009年10月04日