作品一覧

  • P+D BOOKS 記念碑
    5.0
    1~2巻605~770円 (税込)
    戦争末期の日本のカオスを丸ごと描く問題作。 物語は戦争末期の昭和19年12月から始まり、無条件降伏後の20年10月で幕を下ろす。 外交官の夫を原因不明の自殺で失った石射康子は、国策通信社に勤め、深田英人枢密顧問官の秘書も務めている。一方で、米国人妻をアメリカに残して交換船で帰国したジャーナリスト・伊沢信彦とは愛人関係にあり、協力して深田の和平工作のために情報を提供していた。すでに太平洋の島々では玉砕が相次ぎ、東京爆撃も始まりつつあった。 特攻隊や学徒出陣、また逼迫する配給物資や闇取引などの過酷な現実を余すことなく丸ごと描いた問題作。
  • 堀田善衞上海日記 滬上天下一九四五
    5.0
    1巻2,024円 (税込)
    1945年、中国の国民党宣伝部にいた堀田善衞は、この地で敗戦を迎える。魔都とも称された上海で、27歳の青年は、敗戦から帰国までの1年半の混乱状況を詳細に日記に記し続けた。戦後日本に繋がる時代の出発点と、閉塞した状況下での青年の懊悩を描いた貴重な記録。
  • スペインの沈黙
    -
    1巻1,045円 (税込)
    灰色の山巓、裸の曠野、ヨーロッパの辺境スペイン――そこでは歴史も裸で立っている。この国の過酷な歴史と巨人ゴヤへの半生にわたる関心と数多くの旅から生まれた独自の歴史眼が、現代の深間を照射し、ひるがえって虚ろな現代日本文明を撃つ。「ゴヤから定家に至る、人間の始末のつけがたい宿命に始末をつけようとする作家の作業のモチーフの切実さを決定的に跡付ける」好エッセイ集。

ユーザーレビュー

  • P+D BOOKS 記念碑

    Posted by ブクログ

     「戦後10年」のタイミングで発表された「8月15日もの」小説の問題作。
     物語は日本列島空襲が始まった1944年12月から、米軍占領が始まる1945年9月までの時間をカバーする。語りは元外交官の妻で、いまは「和平派」の枢密顧問官・深田の私設秘書として活動する石射康子と、米国帰りのジャーナリストで、深田ら「和平派」高官のための情報収集を行っている伊沢信彦、その二人を足がかりに「和平派」の高官を検挙しようと付け狙う特高の井田一作を中心に展開する。日本敗戦の時間を辿り直すという意味では石川達三の『風にそよぐ葦』と似ているが、石川の小説のような、「良心的知識人」の自己正当化・自己合理化は見られない。

    0
    2024年07月10日
  • 堀田善衞上海日記 滬上天下一九四五

    Posted by ブクログ

    衝撃を受けた。
    上海に行って、彼が歩いた町を歩きたいと本気で思った一作。
    歴史的資料でありながら、最高の恋愛小説でもあると思う。

    0
    2009年10月04日

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