松戸清裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初代ツァーリ・イヴァン雷帝からロシア帝国最後の皇帝である
ニコライ二世まで。そして、レーニンからスターリン時代の
ソ連邦は一定程度の把握をしている。
しかし、フルシチョフ以降のソ連邦については私の中ですっぽり
と抜け落ちているのだ。
ロシア・ソ連史の空白地帯を埋めようと手にしたのが本書。なのだ
が、文章が硬すぎてなかなか噛み砕けなかった。
あらゆることを国家が管理し、国民はそれに従うだけ。社会党が
政権に座に就いたら一切の自由はなくなると教わったのは小学生
の頃だった。
だが、実際、ソ連邦は国民の声に耳を傾け、生活と文化の向上を
目指してはいた。
目指してはいたが、実際に出来たかは別問題なのだけれどね。
どんなに上層部が国民からの声に対応しようとしても、選挙の
投票用紙は間違ったところへ配送され、インフラの老朽化は
手当されず、住居や物品は不足する。
そりゃ国家崩壊へまっしぐらですわ。
このソ連時代を教訓にしたのかな?プーチン閣下は。
プーチン閣下が国民からの質問に答えてくれる、ロシアで人気の
テレビ番組「プーチン・ホットライン」で、自治体が動いてくれ
ないことを訴える質問が寄せられると閣下の一声で事態は好転
しちゃうのだもの。
鶴の一声ならぬ、プーの一声である。
プーチン閣下のことは脇に置いて…。結局はソ連邦は国家として
失敗しているのだけれど、西側の民主主義が正解かと言えばそれ
も疑問符がつくと思うのだよね。
ソ連邦のみならず、世界中では壮大な実験が行われている最中なの
ではないかな。 -
Posted by ブクログ
ソ連指導部は民意の調達に躍起になっていて、人民からの手紙やら果ては投票用紙の余白への書き込み(!)もその手段であったということには驚いた。
手堅く淡々とした記述なのでややもするとモノトーンになるのだが、ゴルバチョフの手記からの引用が彩りを添えるアクセントになっている。
で、そのゴルバチョフの改革はすべて裏目裏目に出て(ある意味で失政)、結局「ソ連史」の幕引きとなったというのは皮肉。
それにしても。
計画経済や民主集中制は少なくとも理念においては人間の理性や良心に依拠したものだと思うのだけれども、その社会主義が、神の見えざる手だの相互不信(権力分立制)に依拠する資本主義・自由主義に敗れたということは、性善説vs性悪説としてみると、性悪説の勝利ということになるのだろうか。
そう考えると、少し切ない。 -
Posted by ブクログ
新書でお手軽だったからタイトル買いした一冊。ソ連の誕生から解体までコンパクトにまとまってはいるのだが、「革命当初から不安定だった体制がなぜ持ちこたえ、第二次大戦にも勝利したのか」「経済政策や農業政策は生活を脅かすほど失敗していたのになぜ国民は一定の期待と支持を続けたのか」「ゴルバチョフの書記長就任から数年で連邦解体に至ったのはなぜか」といったことが今一つ明確になっていないように感じられた。一律的なイメージではとらえられない試行錯誤の歴史があったのはわかるのだが、結果的に70年以上も体制を維持しえた裏にあるものについて深掘りできていればもっと興味深かったかもしれない。