松戸清裕のレビュー一覧

  • ソ連史
    以前からソ連に興味があったものの調べもせずぼんやりと生きていたため、ようやく手を出してみました。ソ連史の全体について要点を抑えつつ多面的に書いてあり、良書でした。

    実態が伴わないながらも一般的なイメージの一党独裁的なソ連というより、遥かに自由(統制しきれなかったとも言えるが...)で、国民の声を聞...続きを読む
  • ソ連史
    名前を知っているだけの旧ソ連の歴史や指導者たちについて
    その善悪も入門レベルで知ることが出来るように思う。
    ”悪”とみなされることの多い旧ソ連。
    結果としてうまくいかなかった事実は揺るがないが、
    民意を汲み取ろうとし、民意に応えようとした事実もまた揺るがない。
    教科書だけでは分かりえない一国の歴史の...続きを読む
  • ソ連史
    偉大なゴルバチョフ、そしてスーパー独裁者スターリンの足跡と、ソ連の社会主義における計画経済を深くしれた。
  • ソ連史
    非常に読みやすい文体で、時代や分野の記述バランスも良い感じ。頭のなかにソ連史の時系列・因果関係的地図を描くことができた。ゴルバチョフの回想録?の引用が随所に登場し、(史料としての批判は必要だが)とても興味深い。
  • ソ連史
    淡々と中立的にソ連の通史を扱う。極端な事例からは教訓を多々得ることができる。現代日本にあまり引きつけすぎるのは良くないものの、いくつかの点では非常に示唆的だった。本当にソ連というのは、理想社会だったのだなあ、ということが強く残った。共産主義自体は日本以外のどこかでまたやってみてもいいんじゃない?とは...続きを読む
  • ソ連史
    [壮大なる実験を振り返って]間違いなく20世紀の「主役」の1つであろうソ連。その誕生から崩壊までの出来事を、内政的にも外政的にも網羅的に記述し、なおかつイデオロギー色に過大に左右されない評価を下そうと試みた作品です。著者は、ソ連史を専攻し著書・論文ともに数多く手がけている松戸清裕。


    まだ崩壊から...続きを読む
  • ソ連史
    1917年のロシア革命で実権を握ったソビエト社会主義共和国のレーニンが中心に社会主義革命を進めていく。思い半ばで亡くなりスターリンが後を継いで進めていくが、第一次、第二次世界大戦の疲労で計画通りには経済が回らなかった。また国営のコルフォーズ、ソフォーズも計画は達成できずに食料不足から餓死者まで出てし...続きを読む
  • ソ連史
    本書は、所謂“政治史”、“外交史”というような分野に止まらず、“経済史”、“社会史”とでもいうような分野に関して詳しい。それが興味深い。

    「過ぎ去った体制(=ソ連)に関して読んでも…」と切捨てず、本書に付き合う価値は存外に高いように思う。現在、“ソ連”が語られる場面は非常に少なくなっている訳だが、...続きを読む
  • ソ連史
    社会主義というものが実際にはどのように運用されたのかということに興味があり読みました。

    ソ連の成立や崩壊は二度の世界大戦や冷戦が時代背景として大きくあるのでそれが経済に与えた影響が甚大だったことがよくわかりました。

    人民の生活なども含めて簡潔に動向がまとめられており、読みやすかったです。
  • ソ連史
    「ソ連」という言葉。懐かしくないですか?
    1972年生まれの僕としては、17歳くらいまで存在した国。有名だった国。
    そして、忽然と無くなっちゃった国。
    「戦争と平和」を読んだり、ドストエフスキーは読んだりしたのですけれど、「良く考えたら、詳しいことは全然知らない」と思って、ふっと衝動買い。
    著者の松...続きを読む
  • ソ連史
    概観がコンパクトにまとまっていて、他の本で挫折した私には程よい長さでした。基礎を一からというより、ある程度歴史や政治に対して前知識があった方が読みやすい内容だと思います。
  • ソ連史
    北海道学園大学法学部教授(ソ連史)の松戸清裕(1967-)によるソ連内政史の概説。

    【構成】
    第1章ロシア革命からスターリン体制へ
    第2章「大祖国戦争」の勝利と戦後のソ連
    第3章「非スターリン化」から「共産主義建設」へ
    第4章安定と停滞の時代
    第5章「雪どけ」以後のソ連のいくつかの特徴
    第6章ペレ...続きを読む
  • ソ連史
    20120226-0308
    今は亡きソ連という実験国家の歴史がテンポよくまとまっていたと思う。80年代以降がやや駈け足だったけど、余計に興味がわいた。結局、この巨大な資本主義発展段階以前の農奴国家を理想論だけで運営するのは出来なかったということかな。
  • ソ連史
    新書としてのソ連史の入門書。

    レーニンの建国から、スターリンの独裁的な体制と第二次世界大戦。フルシチョフのスターリン批判からキューバ危機、フルシチョフの失脚とブレジネフ政権と2人を挟んでゴルバチョフの台頭とソ連の解体まで追っている。

    共産主義のイデオロギー的な視点よりも、経済的な視点が強かったと...続きを読む
  • ソ連史
     職場の平積みから購入。

     著者も前書きで書いているが、ソ連、共産主義というのは、20世紀の壮大な社会実験。この成果、失敗を無駄にしてはいけないと思う。

     特に国の政策はあまり実験できないので、失敗例について注意したい。

    ①アフガニスタン侵攻について、ソ連の政治指導部は、短期間で新そ政権...続きを読む
  • ソ連という実験 ──国家が管理する民主主義は可能か
    冗談ではなく、本当に、ソ連で「民主主義」を実施したのだ。
    つか、しようとしたのだ。

    自由主義はともかく、民主主義は尊重されるべきだし、実現できると思っていたのだ。

    一党制民主主義という形で。

    スターリン体制が終了したフルシチョフの時代だが、すんげえ真面目に、国民の為を思って、「民主主義」をやろ...続きを読む
  • ソ連史
    1922年・ソビエト連邦結成のその前夜から1991年の消滅まで。

    労働者階級、つまり被搾取人民の解放のために革命は起こり、世界初の社会主義国家連邦が生まれました。それがソビエト連邦です。マルクス・レーニン主義のもと、資本主義を超えるものとしての社会主義からはじまって、貧困のない共産主義まで到達させ...続きを読む
  • ソ連という実験 ──国家が管理する民主主義は可能か
    初代ツァーリ・イヴァン雷帝からロシア帝国最後の皇帝である
    ニコライ二世まで。そして、レーニンからスターリン時代の
    ソ連邦は一定程度の把握をしている。

    しかし、フルシチョフ以降のソ連邦については私の中ですっぽり
    と抜け落ちているのだ。

    ロシア・ソ連史の空白地帯を埋めようと手にしたのが本書...続きを読む
  • ソ連史
    ソ連指導部は民意の調達に躍起になっていて、人民からの手紙やら果ては投票用紙の余白への書き込み(!)もその手段であったということには驚いた。
    手堅く淡々とした記述なのでややもするとモノトーンになるのだが、ゴルバチョフの手記からの引用が彩りを添えるアクセントになっている。
    で、そのゴルバチョフの改革はす...続きを読む
  • ソ連史
    新書サイズで革命から連邦解体までを記述しており、第二次大戦後の話に多く割かれております。
    ソ連が一般に抱かれているイメージとは異なり、体制内で異論も表明可能であり、共産党も一方的に抑圧していたのではなく、国民の意見を聞き、それに応えようともしていた、とも。
    特に目新しい知見は得られませんでしたが、チ...続きを読む