松戸清裕のレビュー一覧

  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    以前からソ連に興味があったものの調べもせずぼんやりと生きていたため、ようやく手を出してみました。ソ連史の全体について要点を抑えつつ多面的に書いてあり、良書でした。

    実態が伴わないながらも一般的なイメージの一党独裁的なソ連というより、遥かに自由(統制しきれなかったとも言えるが...)で、国民の声を聞いていることに驚きました。
    また、国民側も不満一色という訳ではなく、明るい未来を信じて共産主義建設のために献身した人々が少なからずいたことも驚きでした。
    投票率の高さや国への投書の数はすさまじく、また国側も民意を組む意図があったというのは、政党を選べない一党支配だからこそ国民も「この政党に変わっても

    0
    2023年07月20日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    名前を知っているだけの旧ソ連の歴史や指導者たちについて
    その善悪も入門レベルで知ることが出来るように思う。
    ”悪”とみなされることの多い旧ソ連。
    結果としてうまくいかなかった事実は揺るがないが、
    民意を汲み取ろうとし、民意に応えようとした事実もまた揺るがない。
    教科書だけでは分かりえない一国の歴史の一面を、
    もっと興味をもつように書かれた一冊

    0
    2021年02月04日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    偉大なゴルバチョフ、そしてスーパー独裁者スターリンの足跡と、ソ連の社会主義における計画経済を深くしれた。

    0
    2019年11月09日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    非常に読みやすい文体で、時代や分野の記述バランスも良い感じ。頭のなかにソ連史の時系列・因果関係的地図を描くことができた。ゴルバチョフの回想録?の引用が随所に登場し、(史料としての批判は必要だが)とても興味深い。

    0
    2019年02月03日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    淡々と中立的にソ連の通史を扱う。極端な事例からは教訓を多々得ることができる。現代日本にあまり引きつけすぎるのは良くないものの、いくつかの点では非常に示唆的だった。本当にソ連というのは、理想社会だったのだなあ、ということが強く残った。共産主義自体は日本以外のどこかでまたやってみてもいいんじゃない?とは無責任に思う。

    0
    2014年03月10日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    [壮大なる実験を振り返って]間違いなく20世紀の「主役」の1つであろうソ連。その誕生から崩壊までの出来事を、内政的にも外政的にも網羅的に記述し、なおかつイデオロギー色に過大に左右されない評価を下そうと試みた作品です。著者は、ソ連史を専攻し著書・論文ともに数多く手がけている松戸清裕。


    まだ崩壊から20数年しか経っていないにもかかわらず、どこか「歴史」となってしまった感じの強いソ連ですが、本書ではそのソ連が何をしたか、またソ連に何が起きたかを主に時系列的に丹念に記しています。そのため、ソ連に関する前知識がまったくない方への入口として非常に有意義な一冊だと思います。記述が若干淡白で教科書的な気も

    0
    2014年03月04日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    1917年のロシア革命で実権を握ったソビエト社会主義共和国のレーニンが中心に社会主義革命を進めていく。思い半ばで亡くなりスターリンが後を継いで進めていくが、第一次、第二次世界大戦の疲労で計画通りには経済が回らなかった。また国営のコルフォーズ、ソフォーズも計画は達成できずに食料不足から餓死者まで出てしまう。対戦後は軍備に大量の予算を投入しアメリカと核開発で張合い冷戦時代を一方の雄として過ぎる。1990年にゴルバチョフの時に経済的に限界になり社会主義国家の限界を示す。しかし福祉には力を注ぎ自由主義圏では参考にせざるを得なかった。
    非常に解りやすく纏めており参考になった。

    0
    2012年01月21日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    本書は、所謂“政治史”、“外交史”というような分野に止まらず、“経済史”、“社会史”とでもいうような分野に関して詳しい。それが興味深い。

    「過ぎ去った体制(=ソ連)に関して読んでも…」と切捨てず、本書に付き合う価値は存外に高いように思う。現在、“ソ連”が語られる場面は非常に少なくなっている訳だが、本書は「好いタイミング」で登場したかもしれない…

    0
    2012年01月10日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    ソ連に対する私のイメージは、「冷戦の敗北者」「独裁的な社会主義国家」というステレオタイプなものだったのだが、本書を読んで、自身の単純な認識を改めることになった。

    特に興味深い点を2点挙げる。選挙の祝祭としての役割と環境問題である。

    一党独裁制であったソ連だが、人民の抑圧という反面、民意を汲み取る努力を欠かさなかった点は甚だ意外であった。選挙は、ソ連共産党への追認に加え、人民統合の舞台装置として活用されていた点が面白い。

    また、利潤の最大化を目的としない社会主義国家であっても、環境問題が深刻化していたことは逆説的に感じた。日本と異なり、法整備がなされて尚、環境破壊が続いた点に、ソ連の環境問

    0
    2025年04月21日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    社会主義というものが実際にはどのように運用されたのかということに興味があり読みました。

    ソ連の成立や崩壊は二度の世界大戦や冷戦が時代背景として大きくあるのでそれが経済に与えた影響が甚大だったことがよくわかりました。

    人民の生活なども含めて簡潔に動向がまとめられており、読みやすかったです。

    0
    2020年04月25日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    「ソ連」という言葉。懐かしくないですか?
    1972年生まれの僕としては、17歳くらいまで存在した国。有名だった国。
    そして、忽然と無くなっちゃった国。
    「戦争と平和」を読んだり、ドストエフスキーは読んだりしたのですけれど、「良く考えたら、詳しいことは全然知らない」と思って、ふっと衝動買い。
    著者の松戸さんという方は、1967生だそうなので、2017年現在50歳くらいですね。
    西洋史、ロシア史の研究家で大学教員さん。
    去年だったか、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」という本を読んで。冷戦時代の東欧で少女時代を過ごした米原万里さんの自伝的エッセイ。
    ソ連時代の東側で少女時代を過ごした各国の人々が、ソ

    0
    2017年01月31日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    概観がコンパクトにまとまっていて、他の本で挫折した私には程よい長さでした。基礎を一からというより、ある程度歴史や政治に対して前知識があった方が読みやすい内容だと思います。

    0
    2013年04月12日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    北海道学園大学法学部教授(ソ連史)の松戸清裕(1967-)によるソ連内政史の概説。

    【構成】
    第1章ロシア革命からスターリン体制へ
    第2章「大祖国戦争」の勝利と戦後のソ連
    第3章「非スターリン化」から「共産主義建設」へ
    第4章安定と停滞の時代
    第5章「雪どけ」以後のソ連のいくつかの特徴
    第6章ペレストロイカ・東側陣営の崩壊・連邦の解体

    ソ連という国については、評者より上の世代はなにがしかの感慨を込めてイメージを持っているのではないだろうか。しかし、日本に住む我々の多くは、社会主義国家という壮大な実験を行ったソ連という国の成立から衰退までの通史を把握できていないのではなかろうか。

    本書は、

    0
    2012年03月04日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    20120226-0308
    今は亡きソ連という実験国家の歴史がテンポよくまとまっていたと思う。80年代以降がやや駈け足だったけど、余計に興味がわいた。結局、この巨大な資本主義発展段階以前の農奴国家を理想論だけで運営するのは出来なかったということかな。

    0
    2012年03月09日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    新書としてのソ連史の入門書。

    レーニンの建国から、スターリンの独裁的な体制と第二次世界大戦。フルシチョフのスターリン批判からキューバ危機、フルシチョフの失脚とブレジネフ政権と2人を挟んでゴルバチョフの台頭とソ連の解体まで追っている。

    共産主義のイデオロギー的な視点よりも、経済的な視点が強かったと思う。人間は経済を予測できないという視点に立つことが大切だと思った。コルホーズやソフホーズなども含めて、システムを作っても有効に活用されないと経済は停滞するのは、各国の公務員にも通じるかもしれない。

    ゴルバチョフ就任時には、軍事費は、国家予算の16%の公表に反して、40%もあったという。それでは長

    0
    2013年04月23日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

     職場の平積みから購入。

     著者も前書きで書いているが、ソ連、共産主義というのは、20世紀の壮大な社会実験。この成果、失敗を無駄にしてはいけないと思う。

     特に国の政策はあまり実験できないので、失敗例について注意したい。

    ①アフガニスタン侵攻について、ソ連の政治指導部は、短期間で新そ政権の樹立して撤退する予定としていた。しかし、アメリカの支援を受けた反政府ゲリラと内戦になり、ソ連は大規模な軍事介入を余儀なくさせられた。(p173)

     アメリカは、この時のゲリラ支援で、ビンラディンを生み、そして、自ら、イラクとアフガンで泥沼化を引き起こした。歴史に全く学んでいない。

    ②人事の

    0
    2011年12月10日
  • ソ連という実験 ──国家が管理する民主主義は可能か

    Posted by ブクログ

    事例として当時の資料をふんだんに盛り込んでいるので、それがくどい側面もあるが、その分当時の様子がリアルに伝わる。中央の理想と、現場での現実の差がこうも出るのはなぜなのか。中国に応用して考えるうえで役立つ資料

    0
    2024年10月25日
  • ソ連という実験 ──国家が管理する民主主義は可能か

    Posted by ブクログ

    冗談ではなく、本当に、ソ連で「民主主義」を実施したのだ。
    つか、しようとしたのだ。

    自由主義はともかく、民主主義は尊重されるべきだし、実現できると思っていたのだ。

    一党制民主主義という形で。

    スターリン体制が終了したフルシチョフの時代だが、すんげえ真面目に、国民の為を思って、「民主主義」をやろうとしたのだ。

    正直びっくりした。
    もちろん失敗した。

    そもそも、体制批判は認めないし、自分たちのやりたい方向以外は精神病扱いだったわけだし、大体、中央が本気で綺麗な政策を出しても、それが実現するわけがない。人民が背を向けているわけではないが、そもそも、共産主義者は人を人としてみていない。人とい

    0
    2023年09月06日
  • ソ連史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1922年・ソビエト連邦結成のその前夜から1991年の消滅まで。

    労働者階級、つまり被搾取人民の解放のために革命は起こり、世界初の社会主義国家連邦が生まれました。それがソビエト連邦です。マルクス・レーニン主義のもと、資本主義を超えるものとしての社会主義からはじまって、貧困のない共産主義まで到達させようとするのがこの連邦の目的でした。しかしながら、ソ連結成まもなくから、食糧確保のためにまもなく農民の搾取がはじまるのです。目的のために手段を正当化するのが、権力(ちから)の強い側のやり方。こういった政治の強引なやり方は今も昔もよく行われることで、社会主義でも民主主義でもその主義にかかわらず、警察や

    0
    2022年08月01日
  • ソ連という実験 ──国家が管理する民主主義は可能か

    Posted by ブクログ

    初代ツァーリ・イヴァン雷帝からロシア帝国最後の皇帝である
    ニコライ二世まで。そして、レーニンからスターリン時代の
    ソ連邦は一定程度の把握をしている。

    しかし、フルシチョフ以降のソ連邦については私の中ですっぽり
    と抜け落ちているのだ。

    ロシア・ソ連史の空白地帯を埋めようと手にしたのが本書。なのだ
    が、文章が硬すぎてなかなか噛み砕けなかった。

    あらゆることを国家が管理し、国民はそれに従うだけ。社会党が
    政権に座に就いたら一切の自由はなくなると教わったのは小学生
    の頃だった。

    だが、実際、ソ連邦は国民の声に耳を傾け、生活と文化の向上を
    目指してはいた。

    目指してはい

    0
    2019年05月04日