演出過剰に思えた一般人アピール甚だしい薄ら寒いインタビュアーのノリも最後まで読むと合点がいく。
結局のところ、クラスにいる40人の中の35人へ向けてメッセージを放つことが、あかほりさとるがあかほりさとるである所以なんだろう。
業界に詳しいインタビュアーや、インタビュアーを排して自らが理論的に書けば
...続きを読むもっとできの良いものができるだろう。
でもそれは40人いるクラスの5人しか読まない代物でしかない。
売れなければ、いい作品じゃない。
そーゆーこと言っていいのはファンや評論家だけであって、仮にもエンタメ業界の人間を標榜するのならばそんな言葉は絶対に口にしてはならない。
それでもいい作品しか書きたくないというのならば文学畑にでもいけばいい。
ここまで言い切ってしまうプロフェッショナル、あかほりさとるにとって、そんな自己満足の本はありえないだろう。
一般人という通訳を介することで、たとえそれが新書であっても、いや新書だからこそ、クラスの35人に向けて、一般人に向けて発信しつづける。
だからといって業界がきらいなわけじゃない。業界を愛するが故に業界の外の人間に向かって発信しつづける。
新規開拓せずに内輪に向かって書き続けた結果、衰退していった純文学業界のようにしないためにも。