石黒耀のレビュー一覧

  • 死都日本

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    火山に造詣が深く半端ない知識をお持ちのお医者様が書かれた大噴火パニック小説。南九州に実在する加久藤カルデラの噴火と、それに伴っておこる各種の災害の描写は凄まじく、かつ進行の様がロジカルに描かれていて、ある種シミュレーションの解説のようでもありますが、そのリアルさゆえに恐怖を感じます。主人公と近しい人々はかなり運が良くご都合主義的なところもありますが、読み物として、悲惨な情景描写とのバランスをとることを重視されたのかもしれません。過去に何度も実際に起こり、今後も十分に起こりうる自然活動による巨大災害について、また改めて考えさせられる一冊。

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    2017年09月22日
  • 震災列島

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    東日本大震災の記憶はまだ新しい。
    大規模な地震の影響で津波が起き、本当に多くの人たちが犠牲になった。
    そして、福島第一原発の原子力事故により被害はさらに拡大していった。
    災害小説だと思い込んで読み始めたのだけれど、どうにも話が別の方向に向かっている。
    主人公の住む町内である日突然地上げ攻勢が始まる。
    次々と土地を売り離れていく住民たち。
    残った人たちは必死に連携を強めていくが、町内会長である主人公の父は必然的に矢面に立つことが多くなる。
    空き家となった家には地上げの張本人であるやくざたちが引っ越してきた。
    やがて嫌がらせが始まり、ついには愛娘の命が失われる。
    地震を中心にした物語だと思っていた

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    2017年04月03日
  • 富士覚醒

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    パニック、シュミレーション小説かと思いきや、
    富士信仰、日本古代神話まで出てきて、私としてはかなりウハウハしました。
    徐福伝説なんてもう本当に堪らない。

    日本一の山ですもの。
    沢山の逸話が無い方がおかしいですね。

    想像していたものとは違ったけれど、私はこれで大満足!

    記念すべき登録数千冊目の本。

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    2017年03月22日
  • 死都日本

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    2016.11 説明が細かくて、面白さ半減のような気がします。知識に裏打ちされているのはすごいな、とはおもいますが。

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    2016年12月04日
  • 忠臣蔵異聞 家老 大野九郎兵衛の長い仇討ち

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    ネタバレ

    忠臣蔵から幕末討幕に至る、大野九郎兵衛中心に据えた、亡霊の昔語り。

    忠臣蔵の事件から、全ての元凶は幕府と決定付け、そこから幕末に至る大野の子孫による野望の流れは物語としてはもちろん、新説としてもこれはもしやと思わされる内容でなかなか興味深い。

    周布政之助と椋梨藤太の関わりは、丁度「花燃ゆ」とかぶるので史実との比較も楽しみで、周布政之助は豪胆な人だったようなので、この作品の表現が意外に腑に落ちる。

    火山や地震など今まで科学作品から一転して歴史物、新境地開拓かな。

    ただ途中に挟まれる親父ギャグはいらんかった。。

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    2015年01月12日
  • 富士覚醒

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    ネタバレ

    富士山噴火をシミュレーションしたパニック小説。

    「死都日本」「震災列島」に続き緻密な取材、研究、予測に基づいた内容で、富士山が噴火する可能性や噴火したらどうなるかという部分は相変わらず引き込まれる。

    今回は半分以上が火山神伝説や、宮下文書、古代史の蘊蓄などに割かれており、冗長で退屈な部分が多かったのが残念。

    火山パニックを描いた物なら「死都日本」の方が圧倒的と言っていい程面白かった。

    ただ、文庫化されて追加された「あとがき」、福島原発についての話なのだが、災害についてよく知っている作者の言葉であるからこそ考えさせられる。

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    2014年12月29日
  • 富士覚醒

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    それは、そこにある近い未来の話かもしれない。
    富士山が噴火し、大火砕流が御殿場を直撃。
    日本は東西に分断される。
    その時、本書にあるように避難が成功することを、心から祈りたい。

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    2014年11月03日
  • 震災列島

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    東海・東南海連動地震に見舞われた、名古屋を描いた小説。2004年、講談社より刊行されたモノの文庫化。

    東日本大震災の際、大津波に見舞われましたが、この小説でも名古屋が津波に見舞われる想定になっています。しかも(!)、地震に伴い浜岡原発が電源を失い、冷却機能を喪失。そして、水素爆発を引き起こす過程など、福島第一原発事故を知っていたのではないかと思うような事態が描かれています。

    話としては、地震を契機に良からぬことを目論む輩と、それに対抗しようとする家族の物語なので、ディザスター小説と思うと、ちょっと外されますが、それにしても上記の浜岡原発の事故の描き方などにはビックリします。地震の想定なども

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    2012年06月03日
  • 富士覚醒

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    『死都日本』『震災列島』に続く、日本が舞台のディザスターノベル第三弾。

    3.11の東日本大震災後に文庫本として出たので、巻末の「解説」、「著者あとがき」共に、東日本大震災に言及しています。特に、「著者あとがき」では、『死都日本』で使用済核燃料貯蔵プールの危険性に付いて記した点について言及し、福島第一原発事故を「素人でも予測できるレベルの原発事故」と糾弾しています。確かに、『死都日本』を読んだときは、そのプロットが東日本大震災に似ていて、驚きました。

    さて、このシリーズも第三弾となり、著者も慣れてきたのでしょうか? 前二作はどちらかと言うと、想定される事態を小説として頑張って纏めたという感じ

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    2012年06月03日
  • 震災列島

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     他のサイトのレビューでは酷評も目立ったのですが、それほどのこともなく、よく出来ていたと思います。
     でも前作同様のクライシスノベルを期待すると裏切られます。

     一般市民とヤクザのちょっとポップな抗争劇というテイストです。

     ただ中身に心理的に悲惨な描写が多々ありますので、それで嫌いになる人がいるかもしれません。

     女性にはオススメしません。

     東海地震のこともいろいろ書いてありますが、難しくてよくわかりませんでした。

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    2017年08月15日