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阿蘇に旅行に行くので再読!この小説のおかげですっかり火山ファンです♪『死都日本』の舞台は霧島火山付近ですが、阿蘇山も同じ九州のじょうご型カルデラ火山なので、予習(?)はバッチリ!
『死都日本』の舞台は九州南部の火山地帯。破局的噴火に巻き込まれた主人公・黒木の運命を描く災害小説的な側面と、噴火によって国家滅亡の危機に瀕する日本を存続させる為に国内外で知略を尽くす、もう一人の主人公・菅原総理を描く政治小説的な側面もある、濃厚な超大作です!
ストーリー自体はフィクション(…というよりも火山が噴火したら何が起きるかをシミュレーションした小説のような感じ)ですが、火山に関する解説や過去の事件は事実に基づいていて、アイスランドのラキ山の噴火のせいで日本で江戸時代に大飢饉が起きた事があるとか、噴火の後の土砂災害がかなり危険な事とか、オドロキの事実の連続!
著者の石黒耀さんはなんとお医者さま!…なのだけどかなりの火山好きのようで、火山に関する記述は科学的にも確かなものなのだとか(しかも図解あり)。さすがお医者さま。火山学者の中での評判もよく、「破局噴火のリスクと日本社会」というシンポジウムが開催されるほど!民俗学、政治、経済の知見を生かした緻密なストーリー展開と、素朴なセリフ回しや表現が…
ギャップ萌えです(о´∀`о)!!
火山大国・日本に住む人は全員読んだ方が良い珠玉の名作!私は『死都日本』の影響で、トンガ火山が噴火した時は米をひとり大量買いしました(^_^;)。価値観が変わる一冊です!
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高校時代地学を選択したのもあって、ワクワクしながら読んだ。
火山噴火の躍動感とそれに翻弄される人間。火山や地震活動が活発な場所に私は住んでいるんだなと実感させられる。
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噴火・地震による自然災害の恐ろしさが描かれており、災害から命からがら逃げ延びていく火山学者、命を落としていく大量の人々、舞台裏でうごめく政治家たちの描写が細かに描かれていて楽しめました。神話と噴火を結び付けてところどころ説明されているところも、とても興味深く読むことができました。今の日本社会、防災に対する意識について改めて考えさせられる一冊。
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霧島(加久藤)火山の破局噴火と、1日にして国家滅亡の縁に立たされた日本を精緻に描く。
火砕流とサージ、さらに降灰のリアルな描写は、自ら火山オタクだという著者の冷徹な書きぶりが冴える。
一方で、古事記や聖書のエピソードを火山災害として読み解く試みが散りばめられている。文系人間が楽しく読めるためのサービスかと初め思ったが、あまりの整合性に納得してしまう。
とにかくトンデモないスケールでさまざまな災害が起こるのだが、一番現実離れしているのはそれらに適切な手を打つ(ように事前準備を怠っていない)日本政府の動きだ。コロナ禍でこの話を読むと『現実は小説よりも悲惨』と覚悟せねばと感じる。
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もっと早く読んでいればよかった、、とおもうほどおもろかった。主筋は霧島火山帯の加久藤カルデラが破局的噴火をして、九州はもちろん西日本まで壊滅、フィジカルな災害だけでなく円が大暴落して経済的にも国家の危機を迎えるというストーリー。面白いのは火山や噴火の日本や世界における歴史、古事記やギリシャ神話、聖書などに出てくる災厄に火山の記述が多いことをエビデントを絡めて、いろんな国の人がそれぞれの言い伝え的なストーリーをもっているのがうまいタイミングででてきて唸ります。おもろいです。人間ドラマを期待して読むとがっかりされる方もおるかもしれませんが、私の好きな薀蓄型でヒーロー多数、足引っ張り役少なく、ヴィラン少なめという設定。最初から最後まで飽きさせず面白かったです。石黒本もっと読みたいと感じました。
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引きずられるように、一気に読んだ。
すごい小説が出ていたんだな。
火山被害への認識が根底から変わってしまった。
これから作者の本を、全部読んでみたい。
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ものすごいリアリティ。描写。
それでいても、舞台となった、霧島・桜島・日南に行きたうなった(^^;)
おーおもしろかった。
とともに、いつ来るかわからない、明日来るかわからない、超巨大災害。。。
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破局的噴火による大災害が、あり得ない話でもない気がしてくる。
イザナギ・イザナミの伝説の落とし所も納得がいくものだし、日本という国の生き残り方も考えさせらる。
題名は日本沈没を連想させるが、結末は少し違うかもしれない。
ストーリーとはまた別に、火山噴火の勉強になるかもしれない。
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圧倒的なスケールとリアリティで霧島火山帯の噴火を描いているのが、なんといっても凄い。
本書の親本は2002年の出版だが、さすがに東日本大震災と御嶽山噴火を経験した現在となっては、内容や描写が一部古めかしく感じるところもあった。是非、改訂版を望みたいところである。
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映像で見たい。
文章でも凄まじさが伝わってくる、が何分知識がないので想像に留まってしまう。
そして改めて日本の置かれている特殊な地学的な要素に気づかされた。
この本では、いい方向に向かう所で終わっている。
この発想の転換はとても良いものだと思えた。
火山灰で覆われた土壌を、いい土壌と捉えたりと確かにそのとおりである。
特殊な状況であることは変えようがないのだから、災害への捉え方を変える、というのはとても大事なことだと思う
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九州で起きた巨大火山の噴火により、日本が壊滅的な被害を受けるというクライシスノベルです。もちろんフィクションですが、科学的根拠基づき構成されているので、これだけの地獄絵図のような状況が、九州という一地方の火山爆発によりいつ起きてもおかしくないという現実に驚かされます。
もしこんなことになったらもう助かる道は探さずに、即死したほうが楽かもしれないと、本気で思いました。
ラストのだけは納得できませんでしたが、ほぼ満点の快作でした。危機管理の面からも、小説だからと軽く見ずに、ぜひ為政者の方にも読んでもらいたいと思います。
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破局噴火による日本崩壊。
災害へ立ち向かう学者、日本を守るため画策する政府、そんな日本を付け狙う諸外国。
圧倒的科学的知見と政治の駆け引き。ただパニックを描いたディザスター小説ではない。
Posted by ブクログ
2002年第26回メフィスト賞受賞
2005年第15回宮沢賢治賞奨励賞受賞
2005年日本地質学会表彰 火山界からのエールですね
作者の石黒さんは、医師であり火山マニア(に違いない)。SF災害小説。クライシスノベル。
九州霧島山の地下加久藤火山が破局的噴火。そこから九州に連なる火山が活動を始める。
他のメフィスト賞とはちょと違うのでは⁉︎
“日本沈没”や“復活の日”みたいなやつでは⁉︎
期待感が膨らみます。
マニアらしく使われている地図や地名、火山等、かなりの知識の下のリアリティです。
火砕流が海上を進み、ついには鹿児島まで到達。
九州はほぼ全滅。
火山学者がこの火砕流から逃げながら、災害の被害の広がりを表現していきます。
この後、南海地震、東海地震へと予測される中、日本は国家として生き残る為の戦略を立てる。
「神の手作戦」として、売られる円を買い支えアメリカ政府と交渉を試みる。
最後の一手は、首相により発表された日本国土の復活案。太古からの災害を避ける新しい国土造り。この戦略により死都日本は復活の希望を得る。
ストーリーの中で古事記の中の火山活動描写や ヨハネ黙示録大バビロンの焼失を盛り込む。ここが興味深いところなんだけど、そこで緊迫感が薄れたりするような気もするんですが面白いんですよね〜。
Posted by ブクログ
西暦20XX年、有史以来初めての、しかし地球誕生以降、幾たびも繰り返されてきた“破局噴火”が日本に襲いかかる。噴火は霧島火山帯で始まり、南九州は壊滅、さらに噴煙は国境を越え北半球を覆う。日本は死の都となってしまうのか? 火山学者をも震撼、熱狂させたメフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞受賞作。(講談社文庫)
黒木伸夫
本作品の主人公。日向大学工学部助教授。「宮崎を造った火山の話」を地元紙に連載し、加久藤火山の存在や火山噴火の恐ろしさを県民に広めた。火山オタクで防災工学の講義はいつも火山の話になる。その話芸には、学生達のファンも多い。国家プロジェクト"K作戦"の一員(コードネームは「クロマツ」)としての活動を真理や岩切に話せずに苦悩する。彼自身の予測よりも早い加久藤火山復活のその場に岩切と共に立会い、決死の脱出を試みる。
黒木真理
伸夫の妻。大阪出身の麻酔科医。
女子大生時代の観光旅行中にフィールドワーク中の伸夫に出会い、結婚した。伸夫の話芸の一番のファンでもある。噴火当時、日南はまゆう病院に勤務中だった。
岩切年昭
宮崎日報の記者。伸夫の日向大学での後輩。
「宮崎を造った火山の話」の担当をしていた。黒木伸夫と共に加久藤火山の破局噴火からの脱出行を行ったことにより、"K作戦"に関わっていく。
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【きっかけ・目的】
何でこれを知ったのかよくわからない。しかし最初に読んだ時はとても興奮した一冊だった。日本沈没とどっちにするか悩んだけどこちらを選択して読んだ。
【感想】
一番最初に読んだ時の評価が一番高い。なかなか内容は手が込んでいる。
九州南部、加久藤霧島火山の破局的噴火を題材とした災害パニック小説だ。実際に噴火を迎える前に多くの伏線が仕込まれている。
①古事記から神話時代の話を昔の噴火がモチーフになっていることを繰り返している。
②日本政府の政権交代から噴火予知の裏事情が①とあわせて描かれている。
③破局的噴火を前にして神話とシンクロさせている。
テンポよく読めるのだが、古代神話が噴火など伝説として昇華され伝承されることを繰り返すあまりパニックが被害数値だけにとどまってしまったことはとても痛い感じがする。政権交代時の混乱に乗じたK作戦本部なども描くのはいいのだがもっと何かいい手段がなかったのか読んでいて気になった。読み返すとどさくさ紛れ感があり中途半端になってしまう。
そして、①②③という流れの中で伏線回収が最後あまりできていない点がすごい気になる。噴火に誘発される形で東南海地震が来ておしまいになるが、そもそも噴火中心に展開してきてそこに地震が重なることが前半から後半にかけて何も情報として展開されていない。古代神話から着想を得て新しい日本が出発するのはいいのだが、神話が伏線となっているのであれば噴火そのものがあまりに大きすぎ規模が伏線を超えすぎている感はある。
さすがに津波は?家屋などの倒壊は?想定被害は?ということが全て置き去りで、それでいて次の新しい時代は、という流れは強引すぎないかと思ったわけです。
【終わりに】
神話とシンクロさせておいて地震との寓話はないのかとか、噴火ばかり予知して地震はなかったのかとか、とにかく噴火を描きたかったの!という小説だった。面白かったんだが、最後の終わり方がかなり消化不良だった。
Posted by ブクログ
全九州人必読
かも
姉が
これおもしろいってすすめてきた本
なにこのタイトル
ディザスター好きだけど
自分じゃまず買わんな
姉、感謝だぜ
姉に感謝するのも当然
スゲー怖かった
自然、スゲぇ…
地震に関しては
多くの人が備えてるのに
噴火には全く無関心
自分ももちろんそうだったんだが
これ読んだら放心してしまう
ありえない話じゃない
現実になりうるフィクションなのが
とてつもない不安を残す本だ
不安でやりきれなくなるが
読んで損はないと思う
なので星は5に限りなく近い4つ
不満足な点は全くないけど
何度も読み返したいか
生涯ともにしたいかというと
それはないから
Posted by ブクログ
耳慣れない火山用語などもあって、イメージ難しい所もあったが、非常にスケールの大きいストーリーに引き込まれた。火山国に住んでることを考えさせられたし、古事記の解釈でもって、太古から火山と共にあった国であると感じたし、危機管理についても考えさせられた。
Posted by ブクログ
パニック小説が読みたいと思って評判が高かった本書を読みましたが、いやー、面白かった!
主人公の黒木が火砕流から逃げまとう姿に、終始ハラハラドキドキしっぱなしでした。
南九州で発生した有史以来最大の噴火をシミュレーションしているのですが、描写にリアリティがあって、火山の恐ろしさを改めて痛感しました。
でも、恐ろしさだけの作品ではありません。絶望的状況を描きながら未来を示した締めくくりは出来過ぎと言わざるを得ませんが、正常性バイアスが働いた結果だと言い聞かせることもできるかな。
Posted by ブクログ
霧島地方に眠る巨大火山が大噴火。
火山の影響は九州地方にとどまらず、日本や世界に広がっていく。
この危機をどのように乗り切っていけるのか。
最後はあっと驚く結末につながっていく。
自然災害の多い日本。つねに最悪を考えて準備をしておきたい。
Posted by ブクログ
10年以上前の本だが、まるで今の日本の地学的な状況を暗示しているような作品。日頃から、地震の恐怖については、3.11以前も以降もよく取り上げられていたが、火山については、ここまでの、スケールで描かれた作品があっただろうか。
霧島の破局的噴火の様子はリァリティに富み、想像を絶する災害の様子が本当に恐ろしい。古事記や黙示録の会社も説得力がある。
惜しむらくは、主人公の脱出劇が都合よく運びすぎる感じがするのと、政治家が、事前の準備を周到にしすぎている点が、ご都合主義を感じさせるが、ただ、原発に対するスタンスなんかは、ものすごい慧眼で、この作者はただもので無いと、強く感じた。
何点か、災害小説を書いているようなので、読んでみたい。
Posted by ブクログ
震災が起こる前の作品だけど、全く色褪せていない。火山の噴火がいつ起こっても、おかしくないと思わせる作品。火山関連のことが事細かに書かれており、余りの知識量に驚くばかり。原発についても、それとなく注意を促す内容が書かれており、日本が火山、地震大国なのを国民はもう一度立ち返って考える時期かもしれない。
Posted by ブクログ
地獄の釜が開けば、数万、数十、数百万人単位の犠牲者が生じる恐ろしさ。事はそれだけでは終わらずに、惑星規模の寒冷化による食糧危機が訪れるという、恐怖の大王に人類は成す術がありません。
Posted by ブクログ
研究書?のような難しい内容だったが、本当の防災って何なのかすごーく考えさせられた。今、現実となってもなんら不思議ではない「破局的噴火」。
生きるためにはお金がいるんだけど、なんか人間の存在がちっぽけに感じてしまうくらいのことを突きつけらた感じ。でも何が出来るんだろう?
2002年の作品。
2011年の大震災を著者はどのように感じたのだろう。
Posted by ブクログ
やたらと火山の描写が詳しい
多分作者が火山オタク
結局主人公は首相の菅原さんだったのかな…
なかなかおもしろかったけどリアルなシミュレーションっぽいのでドラマを求めてると物足りないかも
Posted by ブクログ
霧島の位置で破局的噴火が起こり九州南部は消滅、火山の冬で日本列島ほぼ全域も壊滅的被害が予想される、という大災害とそれに対応する人達が描かれる。600ページ近くあって、冒頭200ページくらいはかなり退屈に近かったけれど、古事記の描写が使われていたりしてなんとか読み切っていたら、真ん中くらいからはだんだん面白さを感じてきた。
地勢とか国土とか、ほとんど気にしたことがなかったけれど、そういうものに関心を持った時点で読んだ価値はあった。
191027
Posted by ブクログ
火山に造詣が深く半端ない知識をお持ちのお医者様が書かれた大噴火パニック小説。南九州に実在する加久藤カルデラの噴火と、それに伴っておこる各種の災害の描写は凄まじく、かつ進行の様がロジカルに描かれていて、ある種シミュレーションの解説のようでもありますが、そのリアルさゆえに恐怖を感じます。主人公と近しい人々はかなり運が良くご都合主義的なところもありますが、読み物として、悲惨な情景描写とのバランスをとることを重視されたのかもしれません。過去に何度も実際に起こり、今後も十分に起こりうる自然活動による巨大災害について、また改めて考えさせられる一冊。