石黒耀のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
阿蘇に旅行に行くので再読!この小説のおかげですっかり火山ファンです♪『死都日本』の舞台は霧島火山付近ですが、阿蘇山も同じ九州のじょうご型カルデラ火山なので、予習(?)はバッチリ!
『死都日本』の舞台は九州南部の火山地帯。破局的噴火に巻き込まれた主人公・黒木の運命を描く災害小説的な側面と、噴火によって国家滅亡の危機に瀕する日本を存続させる為に国内外で知略を尽くす、もう一人の主人公・菅原総理を描く政治小説的な側面もある、濃厚な超大作です!
ストーリー自体はフィクション(…というよりも火山が噴火したら何が起きるかをシミュレーションした小説のような感じ)ですが、火山に関する解説や過去の事件は事実に -
Posted by ブクログ
霧島(加久藤)火山の破局噴火と、1日にして国家滅亡の縁に立たされた日本を精緻に描く。
火砕流とサージ、さらに降灰のリアルな描写は、自ら火山オタクだという著者の冷徹な書きぶりが冴える。
一方で、古事記や聖書のエピソードを火山災害として読み解く試みが散りばめられている。文系人間が楽しく読めるためのサービスかと初め思ったが、あまりの整合性に納得してしまう。
とにかくトンデモないスケールでさまざまな災害が起こるのだが、一番現実離れしているのはそれらに適切な手を打つ(ように事前準備を怠っていない)日本政府の動きだ。コロナ禍でこの話を読むと『現実は小説よりも悲惨』と覚悟せねばと感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレもっと早く読んでいればよかった、、とおもうほどおもろかった。主筋は霧島火山帯の加久藤カルデラが破局的噴火をして、九州はもちろん西日本まで壊滅、フィジカルな災害だけでなく円が大暴落して経済的にも国家の危機を迎えるというストーリー。面白いのは火山や噴火の日本や世界における歴史、古事記やギリシャ神話、聖書などに出てくる災厄に火山の記述が多いことをエビデントを絡めて、いろんな国の人がそれぞれの言い伝え的なストーリーをもっているのがうまいタイミングででてきて唸ります。おもろいです。人間ドラマを期待して読むとがっかりされる方もおるかもしれませんが、私の好きな薀蓄型でヒーロー多数、足引っ張り役少なく、ヴィラ
-
Posted by ブクログ
ネタバレ霧島火山の破局噴火をシミュレーションした小説。加久藤カルデラ全体の噴火は数万年に一度の規模であり九州南部ほぼ全域を火砕流で埋め尽くすほどの規模。噴火24時間で350万人、48時間で1000万人の死者を出すと推計される。火山噴火は地震と違い被害が長期間に及ぶ。噴火物に始まり、ブラスト、火砕サージ、火砕流、ラハール(泥流)、火山灰による家屋倒壊、インフラ機能停止、農作物・産業への影響、日照低下による気候変動と影響は広範に及び日本のみならず地球規模での災厄をもたらす。
この小説の秀逸なところは自然災害による直接的な被害だけでなく、この災害に乗じてアメリカや中国がどのような謀略を取るかまでシミュレーシ -
Posted by ブクログ
2002年第26回メフィスト賞受賞
2005年第15回宮沢賢治賞奨励賞受賞
2005年日本地質学会表彰 火山界からのエールですね
作者の石黒さんは、医師であり火山マニア(に違いない)。SF災害小説。クライシスノベル。
九州霧島山の地下加久藤火山が破局的噴火。そこから九州に連なる火山が活動を始める。
他のメフィスト賞とはちょと違うのでは⁉︎
“日本沈没”や“復活の日”みたいなやつでは⁉︎
期待感が膨らみます。
マニアらしく使われている地図や地名、火山等、かなりの知識の下のリアリティです。
火砕流が海上を進み、ついには鹿児島まで到達。
九州はほぼ全滅。
火山学者がこの火砕流から逃げながら、災害の -
Posted by ブクログ
西暦20XX年、有史以来初めての、しかし地球誕生以降、幾たびも繰り返されてきた“破局噴火”が日本に襲いかかる。噴火は霧島火山帯で始まり、南九州は壊滅、さらに噴煙は国境を越え北半球を覆う。日本は死の都となってしまうのか? 火山学者をも震撼、熱狂させたメフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞受賞作。(講談社文庫)
黒木伸夫
本作品の主人公。日向大学工学部助教授。「宮崎を造った火山の話」を地元紙に連載し、加久藤火山の存在や火山噴火の恐ろしさを県民に広めた。火山オタクで防災工学の講義はいつも火山の話になる。その話芸には、学生達のファンも多い。国家プロジェクト"K作戦"の一員(コードネームは -
Posted by ブクログ
【きっかけ・目的】
何でこれを知ったのかよくわからない。しかし最初に読んだ時はとても興奮した一冊だった。日本沈没とどっちにするか悩んだけどこちらを選択して読んだ。
【感想】
一番最初に読んだ時の評価が一番高い。なかなか内容は手が込んでいる。
九州南部、加久藤霧島火山の破局的噴火を題材とした災害パニック小説だ。実際に噴火を迎える前に多くの伏線が仕込まれている。
①古事記から神話時代の話を昔の噴火がモチーフになっていることを繰り返している。
②日本政府の政権交代から噴火予知の裏事情が①とあわせて描かれている。
③破局的噴火を前にして神話とシンクロさせている。
テンポよく読めるのだが、古