中澤雄大のレビュー一覧

  • 狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅

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    分厚い本ですが、読みやすかった。「そこのみにて輝く」で佐藤泰志さんを知り、映画もみました。この評伝は、佐藤氏の生い立ちから亡くなるまでを膨大な資料で書き起こしたもの。芥川賞選考がちょうど厳しかった時期だったため、受賞を逃してしまったのか。。文体やテーマがアメリカや海外的なカラっとしてるのが選考委員に受け入れなかったのか。。もし受賞してたらどうだったのだろうか。。いろいろ考えてしまいます。
    高校時代から受験誌の創作コンクールでは常連、有名人。バイトしながらの私生活。函館の街。80−90年代の時代も味わえると思います。

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    2023年01月06日
  • 狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅

    Posted by ブクログ

    北海道函館市で生まれ、4回の芥川賞候補となりながらも受賞を逃し、41歳で失意のうちに自殺した作家、佐藤泰志。当時の文壇はW村上を始めとして、伝統的な日本近代文学の世界とは全く異なる作風の作家が台頭し始めており、派手派手しい”ポストモダン文学”が登場し始めたのもこの時代である。そんな中で決してそのような派手さを持たない佐藤泰志の作品の生前評価は低かったが、2010年に『海炭市叙景』が映画化されることで再注目を浴びる。2010年代には静かなムーブメントとして複数の作品が映画化されながら、絶版になっていた小説も復刊され、見事なまでの死後の再評価を遂げることとなった。

    私自身が佐藤泰志を知ったのもま

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    2022年06月12日