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Posted by ブクログ
「blame!」を全巻読んだ。舞台は高度に自動化情報化された社会で、社会を統括するネットワークのエラーにより無限に増築された都市だ。
こういう無限に広がる世界ってのは、小説だと文章表現に加えて、人のボンヤリとした想像により補完されることで、初めてその無限性がなんとなく認識できる。けれども、漫画では絵によってそれを表現しなければならない。それはとても難しいことのように思うのだけれど、この漫画では永遠に続く都市構造の果てしない奥行きと、時空間のダイナミズムが感じられて、すごく引き込まれた。
物語は唐突で、異常に頑丈な男・霧亥は、ネット端末遺伝子なるものを探し、何の説明もなく人型の異形やロボットと戦いながら、上へ上へと旅する。話が進むにつれて、ある程度は敵の正体とか旅の目的とかが分かるのだけど、結局のところ、世界の真実的なものは全ては明らかにされない。wikipediaによると、blame!の話は『大きな世界の片隅で起こった小さなエピソードであり、あの世界では日常的に起こっている事件の一つ』に過ぎないそうだ。どんな数字も無限で割ると0になるように、劇中世界の限りない巨大さが、全容が分かりそうで完全にはハッキリしないストーリーにも現れているようで、読んでいて世界観に飲み込まれるような思いがして、すごく良かったな。
Posted by ブクログ
最高のハードSF漫画。初期の作画はいまいちだが、それは人物に限ったことで、構造物の違和感、存在感は最初から最後まで徹底して描きこまれ、圧倒される。セリフが殆ど無く、霧亥が一人で旅していた1巻の頃は独自の世界を貫いていて趣がある。霧亥は無口だと散々言われているが、代わりに話すパートナーが出てくる以前の初期では比較的話すし、表情ではいまいち判別が付き難いが、比較的感情的(に見える)。絵のみから読み解く力と、想像力が必要だが、見たことのない圧倒的世界観に飲み込まれ、自分自身が無限構造物の中をただ歩いて行く感覚に陥ることが出来ればこれ以上ない陶酔感と寂寥感を味わうことが出来る。構造物に対し、人物がほぼ点にしか過ぎない描き方が味わい深い。
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