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Posted by ブクログ
栗原康のことはまったく知らず、本屋で表紙を見てなんとなしに買ってみたのだが、これがびっくりするくらいおもしろかった。
アナキズム研究が専門で大学の非常勤講師をやっているとのことだが、文体はまるで町田康のような、ふざけているのか真面目なのかわからない、いや絶対にふざけているのだけど、ちょうどいい塩梅のふざけっぷりで、良い。文体だけでなく、自らの情けなさと滑稽さを魅力的に書けるあたりも似ている。
文体や語り口もいいのだが、そもそも主張がわたしの好きなものだったので、おもしろく読めたのだと思う。ちょっと過激な主張ではあるけど、賛同する人はけっこういるんじゃないだろうか。
主張と文体が、合ってる。
Posted by ブクログ
アナキズムについてもっと知りたくて読みました。荘子、ソロー、伊藤野枝、などなど先人たちの思想に、著者の私生活についての思考が挿入されつつ、少し毒どくしいとも言える文体が読みにくいのか読みやすいのか、どちらとも言い難いですが、「自由に書きたいように書きたい」というのが、著者の主張であり、根はとても真面目な考えなのだと感じました。
稼いでいなければ、消費してそれにより「自己実現」し、個性を表現しなければ、人でなしのように扱われるこの資本主義社会の中で、生きているだけで負い目を背負わされ、正しさ地獄の中でがんじからめになり、いつしかその基準を自己の精神の中に内面化し、自由のカケラさえうしなってしまう苦しさ。(後書きより)
労働と消費の社会学についてもっと学び、精神を自由にしたいと思いました。フェミニズムについても。
人間、本来の面目はもっと自由であるはず。
Posted by ブクログ
はたらかないで、たらふく食べたいという気持ちには共感するけれども、皆がそうしたら社会は成り立たない。それこそ著者の好きなタバコもビールものめなくなっちゃう。
しかし、別にこういう人がいたっていいのである。働きたくないけど、主義は曲げず楽しく生きたいというのは明治なら「高等遊民」と言われたのに今はニートだヒモだと言われて気の毒である。
妻になる人に扶養される気満々だが、「専業主夫」ができるほど家事ができるわけでもない。いざというときの役にも立たなそう。でも、彼女がいつもいるってことは、稼ぎがなくても、なんというか、可愛げがあるんじゃないか。そういう男を養ってあげたいという女性もいるだろうし、二人が納得していれば良い。しかし、この本で一番面白いのは結婚しようと思っていた女性にフラれる部分である。
アナーキスト、政治学者として口を糊しているわけだけど、文章は独特で面白いし、ダメ男の哀れな滑稽味もよく出ているから、私小説家としてもいけるんじゃないかな。
TA(ティーチングアシスタント)をしていたとき、サボりまくって金だけもらい、「いまさらながらわるいことをしたとおもっている。すぎたことだ。」(p113)なんて太宰治みたいじゃん。お前が言うな、っていう。
この本を書き始めたときは年収10万だったのが、書き終わる頃には200万と20倍に爆上がりしたそうなので、もしかすると今はもっと爆上がりして、妻や親に扶養してもらわずに生きていらっしゃるのかもしれないが、是非このダメ男感は失くさずに書き続けてほしいものです。
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