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ねね、ガラシャ……戦国の女性たちを、世界はどう見たか? 欧米、中東、世界中で喝采を浴びたハーバード大学発の日本史講義「レディサムライ」とは――。宗教や人種を超えて彼女たちは、なぜ受け入れられたの? 日本でもよく知られる人物の姿から、歴史を捉えなおし、いかに理解するかを提案する新感覚の日本史エッセイ。
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Posted by ブクログ
「ねね」といえば、何度も何度も映画、舞台、ドラマ、小説で描かれてきた豊臣秀吉の正妻である。 彼女には実子がいなかったが、たくさんの養子の母として、平和を希求し、子供を愛し、戦乱の世を生き抜いた女性だった。 著者は「レディサムライ」として「ねね」を中心とした日本の女性たちから歴史を学び、未来に知識を伝...続きを読むえていこうとしている。 インパクトのある言葉だが、著者の言う「レディサムライ」とは、勇猛果敢な武将ではなく、皆のために生きる為政者としての強さを持つ女性のことだ。 さて、どんな姿なのだろう? 「ねね」はずいぶんと筆マメだったようで、たくさんの史料が残っている。 彼女の立場もあったと思うが、どうしても男性中心(武力を中心とした戦いの記録)になりがちな歴史の中で、稀有な存在だ。 可愛らしい(実は高貴な書き方なのだそうだが)のは、寄進状に「袮」と自分の名前の字母をサインしていた点。 公家の慣習に従って、とのことだが、高貴な身分の慣習とはいえ何となく可愛さを感じてしまう。 子供に戦の準備をしなかったり、キリスト教徒のために便宜を図ったり、母親としての側面が強く、また差別意識があまり強くはなかったのだろう、と著者はいう。 私もそう思うし、そうした政治や文化の舵取りの上手い人だったのだなと思う。 少し日本史の見方は変わっただろうか。 「ねね」もきっと間違いや失敗もあったことだろう。 しかし、伝わる史料からは私がこうありたいと思う人物像がうかがえる。 強く、優しく、柔軟に。歴史から学ぶことは実に多く、奥深い。
秀吉の正妻であった「ねね」が、争うことを極力減らした天下統一に貢献していた事を初めて本書で知った。2人には、実子はいなかったが、養子を多く得て、その関係性をメンテナンスするために、まめに手紙を送ったり、北政所という朝廷内の立場を得てからも、朝廷、キーとなる各地の大老たちの元に嫁がせたり、養子として出...続きを読むした息子、娘たちへの進言の手紙を出すことで、平和な天下統一がなされることに貢献してきたとのこと。まさにペンは剣よりも強しを自でいくレディーサムライ。 今後日本語の教科書にも載ってもよいぐらいの内容と思いました。
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