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「消された島」をめぐる超弩級イヤミス!
2006年、新宿と赤坂で起きた「十二月一日連続殺人事件」。死亡した演劇界のカリスマ・一ノ瀬マサカズ、元ポルノ女優の七鬼百合、女優の国崎珠里の共通の知人・七鬼紅玉は、警察の取り調べ中に姿を消し、以来事件は未解決のままだ。じつは、彼らに共通するものがもう一つあった。それが「祝言島」である。
2017年、九重皐月は大学の授業で「祝言島」のドキュメンタリー映画に出会う。実在とも都市伝説とも言われる祝言島の様子を収めたフィルムには、陰惨な殺人シーンも収録され、スナッフ映画として上映されたらしい。母のすすめで映像制作会社でアルバイトを始めた皐月は、「祝言島」に関わる人々の再現ドラマを手にすることに。どこまでが真実で、どこからが虚構なのか。忌まわしく不穏な日々がそこには収められていた。
「祝言島」開拓に端を発する、女たち3代にわたる数奇な事件。「十二月一日連続殺人事件」の犯人と、その驚くべき動機とは。さらに、殺された人々の本当の共通項とは……。
「イヤミスの女王」が贈る、二度読み、三度読み必至の超絶技巧。張り巡らされた伏線に最後まで目が離せない。発売当初、驚嘆と絶賛の嵐が起きた本作、待望の文庫化!
(底本 2017年7月発行作品)
※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。
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Posted by ブクログ
歴史から消えた島の謎を巡る不穏な物語
とにかく謎が多く、不穏かつ不快な空気が立ちこめる物語だ。
第1章では、母親に洗脳に近い形で育てられた皐月(メイ)が、何やら不思議な出来事に巻き込まれる。そこにたびたび現れる「十二月一日連続殺人事件」という過去の事件と祝言島という映画の名前。ただひたすらに不安の種が蒔かれる。
第2章以降は、メイが「十二月一日連続殺人事件」にまつわるドキュメンタリー番組の映像を確認する話になり、祝言島の謎が徐々に明かされていく。
本作は視点人物を変えながら物語が進むことで、登場人物の身勝手な主観による認識の歪みを感じる作りになっている。
例えば、あるタレントは恋人からDVを受けているものの、逆に恋人にしてみれば付きまとわれて困っている、第三者から見れば男はヒモ、など。何が真実で、何が虚構なのか。読み進めると思いがけない方向に話が転がって行く。
話が進むにつれ、登場人物周辺の真実について予想が立ってくる。しかし、最終盤で一気に明かされる真実は全くの予想外だった。それは実に衝撃的で、作中に漂う不快な空気は最後まで消えることがない。読後にはまさに魂を削られるような感覚が残る。
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