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社会保障のあり方がこの国の未来を左右する。 分厚い中間層を守り、格差・分断を断ち切るために社会保障はどうあるべきか。 年金を改革し介護保険をつくった異能の元厚労官僚による憂国の書、第2弾!
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Posted by ブクログ
元厚労省局長による社会保障論。 現在の社会保障のメリットや問題点などが分かりやすくまとまっており、私のように社会保障を実務とする人に強くお薦め出来る一冊です。 昨今、我が国の社会保障には、ミクロ的な観点から様々な批判の声もありますが、トータルで見ると日本の制度って本当に良く出来ていると思います。 ...続きを読む民主主義を守るために社会保障が果たせる役割は何か、というのが本書の大きなテーマです。 本書では、前作の「教養としての社会保障」のおさらいとなる社会保障の基礎から、経済・財政にまで話は及びます。 「社会保障は、単なる高額所得者から低所得者への所得移転(救貧)ではなく、安定的な中間層を維持・形成するために、彼らを襲う『個人の力ではヘッジしきれない生活上のリスク』から彼らを守ること(防貧)にあります。」ってのが大きなポイント。 ざっくり言うと、福祉施策は救貧で、社会保障は防貧。 社会保障は安定的な中間層を守るという機能もあり、分厚い中間層こそが社会の中核を担い、政治の安定を支えるという主張には大いに同感。 社会保障の意義について、深く考えるきっかけとなる良書だと思います。
前著「教養のための社会保障」と被るところもあるけれど、社会保障の大切さ、その課題が分かりやすく書かれていて、もっと社会保障に関心を持たなくては(個人的なミクロ視点だけでなくマクロから)と思わされます。 日本か、こういう本がたくさん出て、たくさん買われる国であってほしいなと思います。
日本というブランドを信じていたのですが、海外から見れば既に後進的な国である、というがハッキリ分かりました。 もらえる年金がいくらか、も大事ですが広い視野で制度や問題全体を見ないといけないと思いました。
前作が印象的だったので読んでみた。社会保障の目的が富裕層から貧困層への所得移転である救貧でなく、社会を安定させる中間層の貧困化を防ぐことというのは目からウロコだった。 最近、良く話題になる再配分などを深く考えるヒントになると思う。
前半は前著の焼き直し?のような印象もあったが、後半の経済の関係の分析、世界からみた日本の至らなさのくだりは、まさにその通りと感じたし、自らも大いに反省するところがあった。もはや取り組むべき方向は決まっているようにも思わされるが、実現にはたくさんの合意、調整をしていかなければならない。
前著『教養としての社会保障』から、そこまで大きく内容がアップデートされている感じではない。同様のテーマを同じ人が少し違う視点で書いている、という意味では、続けて読むと勉強にはなる(繰り返しという意味で)が。
前著に増して憂国の感じが強い。最初から世界の市場が一つになっていることに対応した人材かぁ。耳が痛い。
社会保障の問題は経済や社会とも関わってくることを分かりやすく解説されています。民主主義を維持するためには中間層を支えて分断を防ぐ必要があるし、国民が作り出した付加価値を分配する手段としての社会保障が重要…と理解しました。
前著『教養としての社会保障』は、厚労省官僚として「社会保障・税の一体改革」をリードした著者が、「社会保障は経済成長のために不可欠」であるということを、 ・経済成長のためにはイノベーションが必要 ・しかし、イノベーションはむしろ失敗の方が多いのが現実 ・そこで、社会保障はセーフティネットとして、失敗し...続きを読むても再チャレンジできる環境を整備することで、イノベーションのようなチャレンジを促進し、経済成長に貢献する という論旨で主張した名著であり、個人的にも社会保障の意味合いを再考するきっかけとなった一冊であった。 厚労省を2017年に退官した著者による本作は、その主張をさらに推し進めている。具体的には、社会保障による低所得層への所得移転は消費需要の活性化をもたらし、経済成長の起爆剤となるというのが、本書での主張である。 また、本書では具体的な所得移転を考えたときに、企業、特に赤字によって所得税の支払いを猶予されている多くの中小企業の存在を問題視しており(このあたりは当然、デイヴィッド・アトキンソンの強い影響下にある)、全てに賛同するわけではないが、大企業・中小企業問わず、企業の社会的責任として投資や分配を今以上に義務付けべきである点には強く同意する。
社会保障の役割は安定的な中間層の形成のための防貧にある。安定的な中間層が民主主義を支える。競走は良い。格差は課題。 さすがという感じ。勉強せねばと、思った。日々の業務に時間とエネルギーを取られすぎて、何も勉強できてない。経済と英語。社会保障。今年の目標、学ぶ。
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