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「心理的安全性ってそういうことだったのか!
心理的安全性の解釈が人によって違うことが気になっていた。しかし、本家本元による本書を読んで、すっきりと整理ができた。心理的安全性とは個人の資質ではなく集団の規範、ぬるい環境というよりもむしろ成果志向の環境なのだ。失敗と成功の事例を通して、このコンセプトへの理解が深まり、実践への示唆が得られるだろう。「恐れ」から解き放たれれば、私たちはもっと大胆に行動できる。」
Googleの研究で注目を集める心理的安全性。
このコンセプトの生みの親であるハーバード大教授が、 ピクサー、フォルクスワーゲン、福島原発など様々な事例を分析し、 対人関係の不安がいかに組織を蝕むか、 そして、それを乗り越えた組織のあり方を描く。
目次
はじめに
第1部 心理的安全性のパワー
第1章 土台
第2章 研究の軌跡
第2部 職場の心理的安全性
第3章 回避できる失敗
第4章 危険な沈黙
第5章 フィアレスな職場
第6章 無事に
第3部 フィアレスな組織をつくる
第7章 実現させる
第8章 次に何が起きるのか
解説 村瀬俊朗
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Posted by ブクログ
やや長いし、How-to本として読むには冗長さは否めないが、
「なぜ(どういう組織で←VUCAの場面で)心理的安全性が重要なのか」「どうすれば心理的安全性が向上するのか」といったことに、様々な企業等の豊富な事例やスタディ結果も踏まえて示した、読み応えある一冊。
組織経営を考えるにあたり「心理的安全性」の概念を避けて通ることはこんにちではありえなかろうが、
そのことに信念をもち、また知恵をもつことができる。
冒頭にでてくる「病院のミスの数」のエピソードは印象的だし、
Googleのスタディや、多くの企業の失敗例、説得力を増す。
また心理的安全性の確保だけでは不十分であり、学習を高めること、高い業績基準を設定すること、もセットで必要という指摘にはうならされた(単に「ぬるい・ゆるい」雰囲気をつくるのではパフォーマンスがあがらないのだ)。
部門横断的なチームをつくり発言してもらう機会をつくること、ミスの報告に「よく気づいた」と発言すること、(場合によっては、諸刃だが)無知を認め示すこと、といったことはわりとできている(自分がとっているスタンス・行動も近い)と、自己肯定にもなったりするが、
さらにこれを意識し続けて進めていかないと、とも感じる。
それに、g2gのようなのは良いかもな・・・
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【導入】
・優秀な人材がいてお、彼らが目出すことも、間違うことも、上司の気分を害することもしたがらない、それがゆえに必要とされる重要な局面で必ずしもいかされない。p.12
【「心理的安全性」の気づき】
・有能なチームには率直に話す風土があって、気軽にミスを報告したり話し合ったりできるーーミスの数が多いのでなく、報告する数がお忙しいところ、のだと気づいた。
この風土の違いに「心理的安全性」と名付けた。p.34
・ロゾフスキ率いるGoogleのチームは学術論文の中で心理的安全性という考えに出会った。心理的安全性の重要性は群を抜いていると。明確な目標、頼れる仲間、個人的に意味のある仕事、その仕事に影響があるという信念、といった四つの要因の土台になっていると。p.70
・Googleの親会社アルファベットの社内部門グーグルXでは、安心して失敗してもらうために全力。駄目だと言う証拠がそろったら、チームはさっさとプロジェクトを注視する。同僚からは拍手してもらえる。マネージャー特に私からはハグとハイタッチ。昇進もできる。ボーナスがでる。p.155
・失敗を称賛する、ズレをみつけたときに「よくぞ見つけた!」と褒め、ごく小さい間違いに気づく人を観察眼の鋭い人として評価する。p.200
・失敗パーティ(失敗を知ると文字通り祝うケース)p.221
【事例】
・フォルクスワーゲン、(不正行為があったあと、従業員の代表)「将来的に、私たちには問題を隠さず率直に上司に話せる環境が必要。最良の道筋について上司と議論することが可能かつ許容される文化が必要」p.89
・失敗した4つの組織に欠けていたのは「心理的安全性が確実に職場に広がり、人々が社内の有力者に、本当のことを話せるようにするリーダーシップ」。p.101
・緊急時の手順が整っていたとしても、確実に仕様でいるとは限らない。もし心理的安全性がなかったら、えてして対人関係のリスクをとれず適切な対応ができなくなってしまう。心理的安全性が、緊急手順を効果的に使うための全体条件。p.171
【恐怖支配はNG、特にVUCAの時代、協力と学習を要する場合には。】
不安にはやる気を引き出す力があると多くのマネージャー相変わらず信じていることが問題。これは、仕事が単純で、作業者が問題にぶるかることも改善を提案することもまずない場合なら有効かもしれないが、学習や協力をしなければ成功できない仕事なら、不安がやる気を引き出す要因になることはない。p.38
・業績基準は高いが心理的安全性が低いとき、従業員は考えを言うことにびくびくし、仕事の質と職場の安全性の両方に害が出てしまう。この「不安ゾーン」は、不安全性(volatility)、不確実性(uncertainly)、複雑さ(complexity)、曖昧さ(ambiguity):VUCAに直面する企業にとって、重大なリスク要因。
業績基準も心理的安全性も高い場合が「学習ゾーン・ハイパフォーマンスゾーン」、人々は協力し、互いから学び、複雑で革新的な仕事をやり遂げることができ、高パフォーマンスをあげられる。p.45
★【心理的安全性だけでは十分ではない】
・リーダーにはどうしてもしなければならない仕事が二つある。①心理的安全性をつくって学習を促進し、回避可能な失敗を避けること。②高い基準を設定して人々の意欲を促し、その基準に到達できるようにすること。高い基準の設定はマネージャーのきわめて重要な仕事。p.48
★【リーダーシップのためのツールキット、仕組み】
・土台をつくる、参加を求める、生産的に対応する。p.192
・「土台をつくる」:失敗を恥ずかしいものではないとする。
・「参加を求める」:患者の安全運営委員会という部門横断的チーム、メンバーはなぜ自分の視点が必要なのかについて一人ひとり説明を受けた。フォーカスグループ含め、シンプルな仕組みによって意見を述べることを明確に求められると、考えを言わず黙ったままでいるほうが落ち着かない気分になる。p.195
・対人関係の不安を減らす仕組み、従業員同士で学び合うのも効果的、グーグルの「g2g(Googler-to-Googler)」ネットワーク。6000人を超える社員が進んで時間を提供し同僚が学ぶのを手伝う。 一対一でメンタリングし、心理的安全性についてチームをコーチングし、専門スキルを教える。数え切れないほど多くの従業員のスキル向上に役立っている。心理的に安全な文化の構築にも効果。誰もが学ぶとともに教えている。p.215
・リーダーシップとは本質的に、みんなの取組を総合し、一人では不可能なことを成し遂げること。持てる才能と技術を一人ひとりが活かしきるのを手助けすること。沈黙ではなく率直な発言を、不安ではなく積極的な参加を求めることが、今日のリーダーにとって最重要の責任である。p.231
【日本社会でこそ、心理的安全性が保たれにくい】
・福島事故のあと国会事故調の委員長、黒川清、報告書の英語版冒頭で「どんなに詳しく書いても、この報告書では、とりわけ世界の人々に対して、十分に伝えきれないことがある。それは、この大惨事の背後にある、過失を促したマインドセット。これが「日本であればこそ起きた」大惨事であったことを重く受け止め、認めなければならない。根本原因は、日本文化に深く染みついた慣習ーーすなわち盲目的服従、権威に異を唱えたがらないこと、「計画を何が何でも実行しようとする姿勢」、集団主義、閉鎖性ーーのなかにあるのだ。p.125
・調査によれば、権力格差(パワーディスタンス)が大きい国は他国に比べて心理的安全性が低い。たとえば日本では、率直な発言やミスの報告を促そうとしても徒労に終わるという。トヨタ生産方式という例外もあるが。p.257
【「無知」であることを心得るパワー、弱さを認める】
・このパワーが、質問し、助言を求め、難題に対する最良の答えを見つけて来た。p.147
・福島第二の増田所長、正直になり自分の弱さを認め、コミュニケーションを図り、情報を共有した。加えて、重要アイテムとしてホワイトボードを使った。p.181
・自分の誤りや欠点を認めること。ゼロックスを会長兼CEOとして再生したアン・マルケイヒー、「自分は「わからないの達人」として社内に知られている」(無知の人になる、を彷彿)p.209
【誤解や反対意見への反論ついて】
・心理的安全性は「感じよく振る舞う」ことではない。むしろ、さまざまな観点から学ぶために、建設的な対立を厭わず率直に発言すること。p.41
・「気楽に過ごす、目標達成基準を下げる」ことではない。p.43
Posted by ブクログ
心理的安全性 心理的安全性と信頼の違いは、組織としての態度であるか、個人間の関係であるか。組織として心理的安全性かあれば、組織において失敗からの学習を効率的、効果的に進められる。
心理的安全性が、VUCA時代に安定した成果を上げる必要条件であることを示す。心理的安全性が確立されていれば成果をあげられるわけではなく、VUCA時代においてはあくまでも必要条件である。
心理的安全性がない環境において利益や人命を失った例を示し、重要性を説く。飛行機事故や原発事故、病院における医療事故等、多くの例が挙げられる。
心理的安全性を確立するためにリーダーが備えるツールキットの解説。
仕事の土台を作る。フレーミングと、目的の共有、明確化。
参加を求める。自身の謙虚さ、無知や失敗を認め開示する。良い質問をする。探求的な、発言をしやすくする質問。また、意見を述べやすくする仕組みを作る。会議体や目安箱など。沈黙が悪であるという意識を共有する。ただし、自分が意見を述べる際には、意見を述べる資格があるかを自問する必要があるし、リーダーとしては価値ある意見とただの推測を区別する必要がある。
生産的に対応する。感謝の表明。例え意見が的外れでも、まずは意見を出してくれたことに感謝する。失敗を歓迎する。必要であれば支援を申し出る、対応を議論するなどして、未来に目を向け、失敗から学ぶ。また、学んだ内容から設定したルールに明白に何度も違反するなどの場合、制裁を加えることでチームの心理的安全性を維持する。
Posted by ブクログ
心理的安全性とは、何でも自由に発言できることではなく、間違いや疑問、異なる意見を安心して表に出し、それを学習や改善につなげるための土台なのだと学んだ。
私はこれまで、「簡単なことは人に聞かず、自分で調べるべきだ」と考えることが多く、仕事でも思ったことを言わずに終わらせることがあった。しかし、発言しないことにもコストがある。小さな違和感や疑問を伝えないことで、後から手戻りや無駄につながる可能性があるため、自分で考えたうえで、必要なことは早めに周囲へ確認することが大切だと思った。
また、間違いを認めることの重要性も印象に残った。失敗を責められる環境では、人はミスを隠しやすくなる。心理的安全性があれば、間違いを早く表に出し、原因を考えて改善につなげやすい。間違えないことだけでなく、間違ったときに素早く認めて修正することも重要だと感じた。
一方で、心理的安全性が高ければそれだけでよいわけではないと思う。何でも好き勝手に発言するのではなく、自分なりに考えたうえで意見を出し、仕事に対する基準も高く保つことが必要である。
特に印象に残ったのは、自分が無知であることを認識し、他人の意見を取り入れることの重要性だった。自分一人で考えるとどうしても偏りが生まれる。「自分の考えは間違っているかもしれない」と考え、他人の視点を取り入れることで、自分では気づけなかった問題や選択肢を見つけられる。
さらに、「人を変えることはできないが、影響を与えることはできる」という考えにも感銘を受けた。相手を直接変えようとするのではなく、自分から意見を聞く、間違いを認める、相手の発言を頭ごなしに否定しないといった、自分にできる行動に集中したい。
今後は、疑問や違和感を感じたときに黙って終わらせず、それを伝える価値があるかを考える。また、自分の判断だけで完結させず、周囲の意見を取り入れながら、自分の偏りを修正していきたい。
Posted by ブクログ
心理的安全性とは、
みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化。
恥ずかしい思いをするんじゃないか、仕返しされるんじゃないかといった不安なしに、懸念や間違いを話すことができる。
考えを率直に述べても、恥をかくことも無視されることも非難されることもないと確信している。
著者は、心理的安全性は、複雑かつ絶えず変化する環境にある組織において、価値創造の源として必須だと論じる。
例えば、心理的安全性があると、チーム内でミスが迅速に報告され、すぐ修正される。
グループや部署を越えた団結が可能になり、斬新なアイデアが共有され、イノベーションにつながる可能性も高まる。
個々人、そして組織のパフォーマンスが上がるので、ビジネスの成功の重要な鍵となる、というお話。
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