MORE from LESS(モア・フロム・レス) 資本主義は脱物質化する

MORE from LESS(モア・フロム・レス) 資本主義は脱物質化する

ビジネス・実用
2,640円 (税込)

13pt

4.2

「経済が成長すれば資源の消費量が増えるに決まっている」
「資本主義と技術が進歩し、社会が豊かになれば、自然環境はダメージを受ける」
――産業革命以降、人間が繁栄すればするほど、地球を壊してしまうという予想が無批判に信じられてきた。

* * *

だが、実際にはどうであったのか。予想とはまったく逆のことが起きたのだ。
資本主義は発展し続け、世界中に勢力を拡大し続けているが、同時にテクノロジーが資源を使わない方向に進歩した。
人類はコンピュータ、インターネットを始めとして多様なデジタル技術を開発し、消費の脱物質化を実現させた。
消費量はますます増加しているものの、地球から取り出す資源は減少している。デジタル技術の進歩により、物理的なモノがデジタルのビットに取って代わられた。かつて複数機器を必要とした作業は、いまやスマホ一つで事足りる。
なぜ経済成長と資源の消費を切り離すことができたのか?
脱物質化へと切り替えられたのはなぜか?
このすばらしい現象について、なぜそれが可能となったのかを解き明かし、どんな可能性を秘めているのかを記していこう。

* * *

テクノロジーの進歩、資本主義、市民の自覚、反応する政府――「希望の四騎士」が揃った先進国では、人間と自然の両方が、よりよい状況となりつつある。この先の人類が繁栄し続ける道がここにある。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経済
  • 出版社
    :
    日経BP
  • 掲載誌・レーベル
    :
    日本経済新聞出版
  • タイトル
    :
    MORE from LESS(モア・フロム・レス) 資本主義は脱物質化する
  • タイトルID
    :
    849901
  • ページ数
    :
    376ページ
  • 電子版発売日
    :
    2020年09月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    8MB

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    Posted by ブクログ

    備忘
    ・政治とは可能なことを実行する技術である
    ・ソーシャルキャピタルの喪失が絶望死を加速させる
    ・物事が変わるとき、私は考え方を変える、あなたは?
    ・まずはお腹いっぱいになること、道徳はその次
    ・テクノロジーは、人間界と物質界の物理的な接点である
    ・テクノロジーは、実体的目的達成のために知識を組織化
    ・非競合性、部分的な排除性を持ったテクノロジーを生み出すことが進歩
    ・テクノロジー、資本主義、市民の自覚、反応する政府が希望の4騎士
    ・置換、スリム化、最適化、消滅
    ・経済成長は環境の敵ではない
    ・経済成長と脱物質化は、希望の4騎士を駆動させることで両立可能
    ・ローマーの提示、豊富な人的資本(非競合性)と非排除性のテクノロジー
    ・議論は勝ち負けのスポーツではない、分断を生むだけ。大事なのは、分断ではなく社会的関係資本、絆である

    アンドリューマカフィー、モアフロムレス。より少ないインプットで、より多くの物を。マルサス主義から脱し、世界は経済成長と脱物質化の両立ができている。徐々にではあるが。そこには、どのような要因があるか?リサイクルや消費減、大地に帰れと言った、戦略ではない。事実、消費量(額)は増えている。

    希望の4騎士、テクノロジー、資本主義、市民の自覚、反応する政府。この四つが駆動する時、世界はより良い方向になる。テクノロジーと資本主義だけでは、富の集中化、都市化が加速。社会的資本の減少により、権威主義のだいとう、絶望死の増加を招く。これは、構造的な問題である。セカンドマシンエイジの中で、勝者総取りによるトップランナーとゾンビに2局化。ゾンビに属する人は、賃金も増えず、不公平と感じる人々は増加している。これが、社会的資本(絆)減少、分断の深まりに拍車をかける。

    問題をまず、認知することが大事。(難しいが) 政府は合理的な判断をしない、市民の自覚に反応する形で、政府が動く、いわゆる世論である。市民の自覚をいかに形成するか。そして、政府にどう反応させるか。順番が不可逆である以上、我々市民が、現状認識能力を高める必要がある。マルサス主義的な破滅の道を歩まぬよう、皆が現状を正しく認識し、政府が反応し、資本主義というOSのもとでテクノロジーが発展して、地球がより良くなる、そんな未来を実現するために、動く人々が一人でも増えることを願う。

    0
    2026年01月18日

    Posted by ブクログ

    本書は「機械との競争」「セカンド・マシン・エイジ」などの著者として有名なMITのアンドリュー・マカフィー氏による最新の本です。一貫して読みやすく、データも豊富に提示されているのであっと言う間に読めました。本書の主張したいことは明白です。資本主義とテクノロジー進化は、(少なくともアメリカにおいては)脱物質化を進めている。ここでの脱物質化とは、資源消費量を少なくしながら経済成長をしているという意味です。しかし資本主義とテクノロジー進化だけでは、公害などの外部不経済に対処できない。そこで必要になるのが「反応する政府」「市民の自覚」。これによって公害がいろいろな意味で高くつきますので、企業は外部不経済の削減にも取り組むということです。マカフィーは、「資本主義」「テクノロジーの進歩」「反応する政府」「市民の自覚」を希望の4騎士と名付けています(これは明らかにスコット・ギャロウェイの『The Four GAFA:四騎士が創り変えた世界』を意識していると思います)。

    本書ではアメリカについてかなり詳細なデータ分析をしていることから、少なくともアメリカでは著者が主張するような「モア・フロム・レス(少ないインプットでより多くのアウトプットを生み出している)」が達成できていることは間違いないと思うのですが、果たしてこれは地球全体としても言えるのでしょうか。本書の最後までこの疑問は消えませんでした。つまりどういうことかというと、グローバリゼーションの進展で、資源をたくさん使う製造過程がアメリカなどの先進国から、中国やメキシコ、東南アジアなどに移転されていることがこの背景にあるのでは、という疑問です。アメリカやイギリスは経済のサービス化が進みました。つまり経済に占める情報通信や金融、サービス業の比率が高まりましたが、裏を返せば、資源を消費し公害も生み出しやすい製造過程を新興国に押し付けている、という見方もできるわけです。いいかえれば、欧米先進国の脱物質化は、新興国のより一層の物質化(資源消費)のコインの裏側でしかないのでは、と感じるわけです。

    ただ、たしかにデジタル技術は色々な意味で資源消費を抑制する方向にある気もします。無駄をなくす、最適化する、また本書にもありますように、以前は複数の家電製品を購入しないとできなかったことが、いまはスマートフォン1台でできてしまいます。またこれまではハードウェアが担っていた機能が、ソフトウェアで担えるようになっている面も多々あります。ですので、本書はデジタル革命が「モア・フロム・レス」に寄与すること、それはアメリカだけでなく世界の工場としての中国や他の新興国でも、その傾向が見え始めている、といった感じで分析をしてもらえると、きわめて説得力があったのに、と感じました。

    0
    2023年05月08日

    Posted by ブクログ

    経済成長するにつれて資源の消費量が増えていき、やがて使い果たしてしまうという言説の間違いを指摘して、明るい未来と何をすべきかを提言する。

    「希望の四騎士」として挙げられていた、資本主義、テクノロジー、政府の行動、市民の声によって、消費する資源を減らしつつ経済成長していく、というの理論は面白かった。
    例えば、資源量が減るほど価格が上がるので、使用量を削減するインセンティブがはたらくというのは、「後40年で石油が枯渇する」論では抜け落ちてた概念だと思う。
    四騎士すべてが噛み合った自動車業界と、すべてが裏目に出たソ連によるクジラの絶滅も腑に落ちた。

    「世界は良くなっている」という明るい未来の提示は、ファクトフルネスに近いものを感じ、アクセルを踏み続ける必要性には納得。
    遺伝子組み換え、核エネルギーの活用も、証拠と数字に基づけば推し進めてもいいのかもしれない、と思わされた。

    0
    2021年12月19日

    Posted by ブクログ

    著者は、マサチューセッツ工科大学のスローン経営大学院主席リサーチサイエンティスト。デジタル技術が世界をどう変えるかを研究している。
    資本主義への信頼が揺らいでいる中で、資本主義とテクノロジーの発展が世界を豊かにしている事実と理由を解き明かしてくれる。ただし市場だけでは対処できない問題も多く、市民の意識と反応する政府が必要であると説明する。一方でテクノロジー企業の寡占と、中流の没落、社会の分断といった、現代社会が抱える問題も浮き彫りにしている。

    <要約>
    これまでの常識を覆すMore from Lessというパターンが出てきた。少量の物質や材料、エネルギーで、より多くの製品や食料を生み出すことができるようになったのだ。つまり脱物質化が起きている。

    米国ではGDPは右肩上がりに成長している反面、金属などの材料の消費量は1970年代でピークを迎え、その後は減少している。農作物の収穫量も年々増加しているが、肥料、灌漑の水、作付面積はピークを過ぎて減少している。経済成長に比べてエネルギー消費量も鈍化している。

    このMore from Lessのパターンは「テクノロジーの発展」と「資本主義」がもたらした。近年のコンピューターを中心とした技術発展により、より少ない物質から多くの製品を生み出すことが可能になった。また企業にとって原材料費はコストであるため、利益追求のためにそれらを削減する努力を惜しまない。

    イノベーターにより技術が生みだされ、起業家と投資家により革新的な企業へと成長を遂げる。既存の技術は特許により守られるため、他の企業は新たな技術を開発しなければならない。資本主義の中で企業や製品は常に競争に晒されるため、テクノロジーは絶え間なく発展していく。資本主義とテクノロジーがMore from Lessを加速させるのである。

    ただし資本主義とテクノロジーだけでは解決できない問題がある。それは公害と動植物の絶滅など環境問題への対応だ。市場は多くの重要な事柄について対処できるが、負の外部性については適切に対処できない。

    市場では売り手と買い手、取引に直接関係するものに便益を提供する。しかし第三者への負の影響にはうまく対処できない。例えばある商品を生産する工場の周辺で重大な汚染が発生しているとする。売り手と買い手には直接の被害は発生しないが、近隣住民といった外部には被害が発生している。このように公害や動植物の絶滅など環境破壊へ対処するためには、テクノロジーの発展と資本主義だけでは不十分で、これら2つを適切にコントロールするための「市民の意識」とそれに「対応する政府」が必要である。

    「テクノロジーの発展」「資本主義」「市民の意識」「反応する政府」。これらの4つを「希望の四銃士」と呼び、これらがバランスよく適切に機能することが、豊かな未来を創る。More from Lessのような脱物質化と同時に世界の貧困も減っており、世界は豊かになっている。

    しかし、ここ二十年で貧困層と富裕層が実質所得を大幅に伸ばしている中で、先進国の中流層だけは所得があまり伸びていない。中流層が没落しているのである。

    これは産業が工業からサービス業へシフトする中で、多くの工場労働者や未熟練労働者が職を失ったためである。一方で破壊的なテクノロジーを持つ企業は、勝者総獲りの寡占状態で、勝者と敗者の二極化が起きている。また、工場や企業、職場を失った地域は衰退し、経済活動を通して生まれていた人と人のつながり(社会関係資本)も希薄化している。

    「テクノロジーの発展」と「資本主義」は、中流層の没落、市場の寡占、社会の分断といった新たな問題を引き起こした。「市民の意識」と「反応する政府」は、これらの問題にも対処していかなければならない。

    0
    2021年03月27日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    マルサス 人口論 1798年
    マーシャル 
     人間の欲求と欲望は数限りなくある。
     もっと良質、より多くの選択肢、全く新しい要求を満たしてくれるものを求める。
    脱物質化  ~より少ないものから、より多くのものを
     アメリカでの原材料の消費はピークを過ぎた。経済成長は続いているにも。
     リサイクルは経済的だがインプット、アウトプットの脱物質化とは無関係。
     大地に帰る生活はエネルギー効率が下がり環境に良くない。
    ①テクノロジーの進歩
       スリム化 アルミ缶軽量化
       置換   水圧破砕法による天然ガス汲み上げ
       最適化  航空会社の空席削減、列車稼働率向上
       消滅   iPhoneに機能統合  
      コンピュータ活用 目的達成のためにテクノロジーの組合せが可能になった。

    ②資本主義
      利潤追求
      自由参入と競争
      財産権と契約履行義務
      非中央集権的な仕組み
      私的所有
      自発的交換
      ✖ 利己的/道徳は通用しない/不平等
     
    希望の四騎士
     ①テクノロジーの進歩 ②資本主義 ③市民の自覚 ④反応する政府

     賢者=皆が希望に満ちているなかでひとり絶望する人
      2016年 世界人口よりスマホ契約数のほうが多い 2017年 15億台の販売
      世界の公園や保護区:1985年 4%       →2015年 15.4%  
      貧困人口     :1999年 17.6億人    →2015年 7.5億人
      安全な飲み水   :1990年 世界人口の75% →2015年 90%
      中等教育就学率  :1986年 50%未満    →2015年 75%以上
      平均余命     :1800年 28.5歳 →1950年+20年 →2015年+25年

     都市にはサービス業が集中
      84%が都市住人 欧州委員会 2015年 衛星画像調査 
      売り上げ利益の集中 勝者総取り グローバル化と新しいテクノロジー
      2016年 アメリカの株式市場の富の84%が全世帯上位10%に集中

    ④社会関係資本 Social Capital の衰退 ・・・答えがない
     人として温かいつながりがなくなっている
     絶望死 アメリカ 2016年 19.7万人 ≒ 死亡者の8%
     多様性の増加=多元主義 ⇔ 権威主義
      権威への不信、価値観の衝突、コンセンサス欠如、アイデンティティ崩壊 
      アメリカの20%の郡は マイナス成長(2010~2017年)
      ヨーロッパは工業化より前から町が存在、
      アメリカは工業化を支えた文化、構造が消える
     エレファントカーブ 2008年
      裕福国の先端は伸びているが、中流層はこの20年で所得が伸びていない

    ③人的資本
     アイデアを生み出す力 デジタルツールが増やす 経済活動の再拡散

    10年後 地球へのフットプリント(天然資源、温室効果ガス)は縮小する。
     ノードハウス 税収中立型炭素税 税収が直接市民へいく
     原子力の正当な評価を受けていない
     ブランドを守るための協調 炭素クレジットの購入

    0
    2022年12月25日

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    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    ビジネス・経済 / 経済
  • 出版社
    :
    日経BP
  • 掲載誌・レーベル
    :
    日本経済新聞出版
  • タイトル
    :
    MORE from LESS(モア・フロム・レス) 資本主義は脱物質化する
  • タイトルID
    :
    849901
  • ページ数
    :
    376ページ
  • 電子版発売日
    :
    2020年09月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    8MB

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