十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕

十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕

1,683円 (税込)

8pt

山岳遭難史に内包された「影」の部分に光を当てる。

学校集団登山の事故や大学生の冬山合宿の大量遭難、
中高年初心者の事故、ツアー登山の遭難事故など、記憶に残る重大事故は数多い。
時代を反映したこれらの大事故は、近代登山の黎明期から歴史に刻まれてきたものの、
避けがたいものとして看過されてきてもいる。
すでに遠い過去のものとなりつつある山岳遭難事故を丹念に整理・発掘し、再度、検証する必要がある。

本書では、戦前から最近の事故まで、10件の重大事故を検証する。
時代を反映した日本の遭難事故を、時系列に振り返る貴重な記録である。

1章 1913年の「聖職の碑」木曽駒ヶ岳集団登山事故
2章 1930年の東京帝大の剱澤小屋雪崩事故
3章 1954年の富士山吉田大沢の大量雪崩事故
4章 1955年の前穂高東壁で起きたナイロンザイル切断事故
5章 1960年の谷川岳一ノ倉沢宙吊り事故
6章 1963年の薬師岳愛知大学大量遭難事故
7章 1967年の西穂独標で起きた高校生落雷遭難事故
8章 1989年の立山で起きた中高年初心者の大量遭難事故
9章 1994年の吾妻連峰スキー遭難事故
10章 2009年のトムラウシ山ツアー登山事故

■著者紹介
羽根田 治(ハネダ オサム)
1961年、埼玉県浦和市(現・さいたま市)生まれ。
フリーライター。山岳遭難や登山技術に関する記事を、山岳雑誌や書籍で発表する一方、沖縄、自然、人物などをテーマに執筆活動を続けている。
主な著書に『ドキュメント生還』、『空飛ぶ山岳警備隊』、『山でバテないテクニック』、『野外毒本』、『トムラウシ山遭難はなで起きたのか』(共著)、『山の遭難』など多数。
近著に『人を襲うクマ』がある。2013年より長野県の山岳遭難防止アドバイザーを務める。

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十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    過去に起こった10の山岳遭難の大事故をまとめた1冊。どれも実際に状況をもとに事故の背景や要因を丁寧にまとめている。たらればはあくまで仮説でしかなく、実際にたらればの行動をしていたとして事故につながらないとも言えない。しかし、どれも装備不足や判断、知識不足。積み重なって取り返しのつかない事故へとつなが

    0
    2024年06月04日

    Posted by ブクログ

    山に人間の力は及ばず、作中で述べられている事故の要因を全て除いて十全の準備と注意を以てしても、事故を防ぐことができるとは限らないんだろうと思った。また疲労や焦りから来る判断力の低下が原因で適切でない行動をとってしまい、体力を消耗して亡くなってしまう例が多いのも恐ろしい。トムラウシ山遭難事故で多くの参

    0
    2023年10月13日

    Posted by ブクログ

    山を舐めてはいけない。

    この一言に尽きる。

    遭難には必ず原因がある。
    その原因となりうるものを可能な限り取り除くのが山行計画であり、そこから山登りは始まっている。

    0
    2022年05月22日

    Posted by ブクログ

    死者に鞭打つ感じが無いのは、丁寧に結論を急がずに遭難の模様を検証しているからだろうと思った。上っ面だけ知っていた昔の遭難が知れたので読んで良かった。

    0
    2021年05月23日

    Posted by ブクログ

    どんなにしっかり装備をしても、ちょっとした判断の揺れで危険になってしまう。ましてや準備を怠ってしまった者には自然は容赦なく牙を剥く。

    0
    2024年10月25日

    Posted by ブクログ

    どの事故も恐ろしいし、何よりも亡くなられた方々が心底気の毒。
    亡くなる前に、親切にしてくれてありがとう、なんて言われたら涙が止まらんでしょう。
    特に谷川岳の宙づり事故などはその映像があるので、凄くショッキングで痛ましかった。ご遺族はあれをどんな気持ちで見ていたのか……。
    どの事故も後になれば、こうす

    0
    2024年07月09日

    Posted by ブクログ

    事故を防ぐのは難しいけど、備えたり判断して軽減したり回避したりできる事件ばかりなのが無念さを感じるところ

    0
    2023年03月23日

    Posted by ブクログ

    本書は登山をしない人にとっても十分読むに値する。実際私は登山はあまりしないが、彼の本は好きでよく読んでいて、登山の知識がないのに遭難したときの対応だけは詳しくなっている気がする。

    0
    2022年08月19日

    Posted by ブクログ

    過去に起こった十の山岳大事故から読み解く
    山登りへ向かう人への教訓

    木曽駒ケ岳の学校集団登山事故
    剱澤小屋の雪崩事故
    冬の富士山巨大雪崩事故
    前穂東壁のナイロンザイル切断事故
    谷川岳の宙吊り事故
    愛知大学山岳部の大量遭難事故
    西穂独標の学校登山落雷事故
    立山の中高年初心者遭難事故
    吾妻連峰のスキー

    0
    2022年06月22日

    Posted by ブクログ

    「聖職の碑」のモデルとなった大正2年の木曽駒ヶ岳の学校集団登山事故から、夏山でありながら8人凍死という衝撃的な結果となったトムラウシ山遭難事故まで10の事例を挙げながら、それぞれの遭難の過程、問題点などを描く。
    淡々とした語り口ながら、遭難の恐ろしさや、当事者たちのなぜあの時そうしてしまったのか(ま

    0
    2022年02月14日

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