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Posted by ブクログ
チェルノブイリ原発事故も、「もんじゅ」の事故も、東海村の臨界
事故も起こる以前。今から約30年前に書かれた作品である。
主にスリーマイル島原発事故を中心に扱っている。掲載されている
データは、当然ならが古くはなっているが一般原子炉、高速増殖炉
についての解説は今でも通用するだろう。
人類が作り出した人工物であるプルトニウムを論じながら、原子力と
核燃料リサイクルについて分かり易く書かれている。
やはり思う。原子力の平和利用とは言うが、それは核の拡散と表裏
一体をなしている。そして、核兵器を作らなくとも原子力施設を狙った
テロの可能性だってあるのだ。
「さらに、工業国の飽くことなきエネルギーへの食欲は、抑えられなく
てはならない。いったい、電力消費を七年間で二倍にするというような
ことを、我々はいつまで続けられるというのだろうか。
平均的なアメリカ人は、すでに平均的なヨーロッパ人の三倍のエネルギー
を使っており、そのヨーロッパ人は平均的な第三世界の人の約一〇倍を
使っているのだ。それなのに、我々は、もっともっとと叫んでいるので
ある。」
マンハッタン計画のメンバーであり、その後核廃絶を訴えた物理学者の
言葉である。
宇宙から見た夜の日本は、不必要に明るいらしい。「なかった昔には戻れ
ない」とはよく言うが、現在日本にある原発をすべて廃炉にしたとしても
核燃料は依然として存在する。
冥界の王の名を戴いたプルトニウムの半減期は2万4000年である。
そんな時まで、今いる人間は誰も生きちゃいない。もしかしたら、
人類そのものの生存さえ危ういかも知れぬ。
それでも、プルトニウムは存在する。誰が、どうやって安全に保管出来
るのか。保証はどこにもないのだよね。
Posted by ブクログ
ずいぶん昔に買った一冊。なんのために買ったかもすでに覚えていない。だけど、今こそいろんな人に読んでほしい本だと思う。この本が書かれた当時(1981年)よりプルトニウムにまつわる技術的な面はきっと進歩しているのだろう。しかし、社会はどうか。この本の後に、東海村JCO臨界事故(1999年)があり、東日本大震災(2011年)があった。技術に人間はついていけているのか。あらためてそんなことを考えた。今、高木氏が生きていたら、どんな言葉を発したのだろう。「エネルギー依存型でない文化をどう創るか、ということに大きな関心がある」という高木氏の言葉に共感を覚えた。
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