われわれが日常的にしている「買い物」をテーマに、およそ5年後の近未来を鋭く予測するのが本書だ。
ITの発展によって、いま「買い物」をめぐる動きや勢力地図が大きく変わっている。
たとえば、ウェブはスマホにシフトし、5G(第5世代通信技術)やDtoC(Direct to Consumer)といった新しい技術や考え方が本格化。
AI技術のさらなる進展やAmazonの動向も気になるが、一方でリアル店舗の数は減少を始めている。
戦前からの約100年間という時間軸でショッピング史を見ていくと、それは「棚の奪い合い」を続けてきた歴史だった。
その舞台はいま、確実にデジタル上に移っている。
そうした中、Eコマース(EC)の世界で大きな変化として語られる最新の考え方が「デジタルシェルフ」である。
これは直接的には、いままでお店にあった「リアルな棚」が、手のひらのスマートフォンの中にある「デジタルの棚」に置き換えられることを指している。
ただ、変化はそれだけにとどまらない、これからはメディアや道行く人、家電など、あらゆるものが「商品棚」になるのだ。
こうした変化が進展していくことで、人々は間違いなく「買い物をしなくなる」。
もちろん、お金を支払って何かを買うことがなくなるわけではない。
なくなるのは、これまでの買い物におけるさまざまなプロセスだ。
店に行くことや、商品の現物を見ること、さらには商品を自分で選ぶことさえも含まれる。
これまで当たり前だったプロセスが次々に省略され、そのうち「買い物をしている」という感覚さえなくなっていくのだ。
こうした変化をまとめつつ、約5年後の近未来を占う一冊、あなたにもぜひ読んでほしい。
Posted by ブクログ 2021年07月30日
面白かったです。
買い物の歴史から「人はなぜモノを買うのか?」「買い物のスタイルはどう変わるのか?」を説明してくれています。
自分や近い人の買い物のスタイルは見聞きできますが、もっと広い世界の人々が何をどう買っているかはなかなか見えないものなんだなと思いました。
(どんなモノが売れているか、の情報は...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月27日
買い物のあり方の変化について無意識に行っていることを再認識できた!特にコロナ禍をきっかけにオンラインショップの頻度は明らかに増えたし、1日かけて実店舗でウインドーショッピングをするようなことはほとんど無くなった。最近は店員さんのアドバイスよりもネットの口コミの方が信憑性があるように感じている。いつの...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月13日
面白い上に読みやすいので一気に読んでしまった。正に著者の言う通り、少々高くてもこの人なら上質な物を作るだろうと、インスタグラマーが立ち上げたブランドで服を買っている。ネットスーパーなどECサイトの画面が実店舗の棚や売り場のようになってくれたら、と常々思っていたが、近々VR技術でそれも実現しそう。新...続きを読む