論語物語

論語物語

1,265円 (税込)

6pt

このうえなくわかりやすい言葉で、『論語』のエッセンスを読める!孔子が伝えたかったことは、こんなことだった。『次郎物語』で名高い作家にして教育思想家であった下村湖人が、人生をかけて読んだ『論語』を、そこに残された言葉をもとに、ひとつの物語として書き紡いだ。ページをひらけば、孔子や弟子たちが直接語りかけてくる!【本書より―永杉喜輔「まえがき」】湖人は生涯をかけて『論語』に学んだ。二千年以上も経た『論語』の章句を自由自在に使って、『論語』で養われた自分の思想を物語に構成したものが本書で、『論語』の精神を後世に伝えたい一念が結晶している。孔子と弟子たちが古い衣をぬぎすて、現代に躍り出す。その光景がみずみずしい現代語でたんねんに描かれている。【本書より―「序文」】 論語は「天の書」であると共に「地の書」である。孔子は一生こつこつと地上を歩きながら、天の言葉を語るようになった人である。天の言葉は語ったが、彼には神秘もなければ、奇蹟もなかった。いわば、地の声をもって天の言葉を語った人なのである。 彼の門人達も、彼にならって天の言葉を語ろうとした。しかし彼等の多くは結局地の言葉しか語ることが出来なかった。中には天の響を以て地の言葉を語ろうとする虚偽をすら敢てする者があった。そこに彼等の弱さがある。そしてこの弱さは、人間が共通に持つ弱さである。吾々は孔子の天の言葉によって教えられると共に、彼等の地の言葉によって反省させられるところが非常に多い。 こうした論語の中の言葉を、読過の際の感激にまかせて、それぞれに小さな物語に仕立てて見たいというのが本書の意図である。無論、孔子の天の言葉の持つ意味を、誤りなく伝えることは、地臭の強い私にとっては不可能である。しかし、門人達の言葉を掘りかえして、そこに私自身の弱さや醜さを見出すことは、必ずしも不可能ではなかろうと思う。 この物語において、孔子の門人達は二千数百年前の中国人としてよりも、吾々の周囲にざらに見出しうる普通の人間として描かれている。そのために、史上の人物としての彼等の性格は、ひどく歪められ、傷つけられていることであろう。この点、私は過去の求道者達に対して、深く深くおわびをしなければならない。 しかし、論語が歴史でなくて、心の書であり、人類の胸に、時処を超越して生かさるべきものであるならば、吾々が、それを現代人の意識を以て読み、現代人の心理を以て解剖し、そして吾々自身の姿をその中に見出そうと努めることは、必ずしも論語そのものに対する冒涜ではなかろうと信ずる。

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論語物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    1265

    口達者はダメ

    論語だいたい挫折してきたんだけど、これは読めた。面白かった。下村湖人さんが物語として上手く面白く仕上げてる。

    下村湖人
    1884年佐賀県生まれ。作家、社会教育家。本名虎六郎。東京帝国大学文学部卒。大学時代には「帝国文学」の編集委員として文学評論に活躍。のち台北高等学校校

    0
    2024年03月29日

    Posted by ブクログ

    論語に記される言葉を、物語にしてわかりやすく説明されていて、自分の理解がいかに表面的であったか身に積まされると同時に、深い感嘆を覚える作品でした。

    0
    2023年02月02日

    Posted by ブクログ

    これは名著だ。

    『論語』に出てくる教えを、孔子と門人たちの物語に
    仕立てている。だから、『論語物語』。

    論語とか孔子とか聞くと、ものすごく敷居の高い感じ
    に聞こえるけれど、この本の中に出てくる孔子はとても
    身近な存在。
    かと言って、その教えの中身の濃さは少しもうすれて
    いない。

    0
    2018年11月18日

    Posted by ブクログ

    最初は、かわいそうな子貢にばかり目がいってしまった。
    何度も読み返したくなる心の本。つらい時に何かしらのヒントになる。

    0
    2018年11月11日

    Posted by ブクログ

    ・なによりも自分を忘れる工夫をすること。自分のことばかりにこだわっていては君子にはなれない
    ・自分たちの周囲には、いつも老者と、朋友と、年少者がいる。人間は、この現実に対して、ただなすべきこをなしていけばいいのだ
    ・斃れもしないうちから、自分の力の足りないことを予定するのは、天に対する冒?である

    0
    2018年11月04日

    Posted by ブクログ

    論語の名句を引用しながら、孔子と弟子達のいきいきとした物語が展開される。ひとつひとつの物語に感銘。著者の論語に対する造詣の深さにも感嘆する。

    0
    2018年03月30日

    Posted by ブクログ

    【阿南】老若男女問わず、お勧めしたい、楽しんで論語に触れることが出来る1冊です。
    訳本によっては分かりにくい論語の1つ1つが、ストーリーとしてとても理解しやすく描かれています。
    きっと、お弟子さんたちの中に、「自分とそっくり!」と共感する人が出てくると思います。

    0
    2016年03月28日

    Posted by ブクログ

    論語入門にはいろいろな本がありますが、どれも難しくて理解できないものが多い。ただ、この論語物語は孔子とその弟子たちのやりとりを解説ではなく、小説風にしていることでわかりやすいし、物語に入りやすいし、非常におもしろい。論語の入り口・入門書としては最高にオススメ!

    この本では孔子や愛弟子の子路、顔回た

    0
    2016年01月30日

    Posted by ブクログ

    内省の書。
    悩んだとき、人間関係に疲れたとき、成功したのに不安なとき、心細いとき。

    孔子とその門人たちと。
    問答に聞き耳をたてていたら思いもかけず孔子の目に射抜かれてどきりとする。

    0
    2015年09月22日

    Posted by ブクログ

    「論語」とは、立派な人になるには何をどう考え、実行するべきかということが書かれた中国の古典です。
    ここでいう「立派な人」とは、仕事ができるとか、出世したとか、有名人だとかいう意味ではありません。
    人徳があって、人に心から尊敬されるような人物という意味です。
    そんな人になるにはどうすればいいか?
    要す

    0
    2015年05月28日

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