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事故で命を落としたトアが出会ったのは、昇降機守を自称するトウカ。
死者の乗降場でたくさんの人を見送ったという彼は「自分の背負ってきたものと向き合えなかった者は人ではなくなる」とトアに話すが…。
トアの後悔に寄り添うトウカの言葉に胸を打たれました。
そんなトウカが探し続けている友人はどんな人物なのか、トウカにとってどのような存在だったのか…。
トウカの言葉の節々からその友人への尊敬と執着を感じ、ますます気になってしまいます。
そして、昇降機が"生える"不思議な世界観に思わず惹きこまれました。
死者の国を舞台に、どこか冷たい雰囲気がありながらも、そこで生きる人たちの温かさも描かれており、何度でも読み返したくなる作品です!
匿名
背景の旨味がすごい
寂しそうに笑うトウカさん、あまりにも顔が良い。こんな男、秒で好きになってしまう。
冷めた表情の皮肉げな死神かと思いきや、優しさとぬくもりを内包した情の深い行き先案内人で、こんな人(※見た目は人だけど実は人じゃないかもしれない…?)に見送ってもらえる世界なら死ぬのも悪くない――と思ってしまうようなお話でした。読後には気持ちが穏やかになります。1話の完成度だけでもすごいのに、このお話、まだ続くんですか? 最高じゃないですか。ありがとうございます。
過去作で「死さえも歪める魔法使いたちの物語」「生きているからこそ苦悩や絶望がある、しかし優しさも共に在る世界の物語」を描いてきた結月さくら先生の新作が「死者たちの世界」と聴いて、わくわくが止まりません。
また、精緻でアナログらしいざらつきを感じる筆遣いが美しいです。
具現化した記憶が降って来るシーンは恐ろしく。
人物の髪はどこまでも繊細で。
(髪が頬や肩にあたってたわんだり、ほつれたり、襟に当たって跳ねたり。髪の動きにフェチを感じます。すごい)
古びた路地裏は、埃や油、錆びの匂い、砂利が足に当たる感触までも想像できそうで、背景美術としても素晴らしいです。
お気に入りポイントは扉絵です。
3人の登場人物が並んでいる→次のページでは誰もいなくなり、赤いランプが煌々と光っている……という、不穏な空気がぞわぞわして好きです。
まだまだ謎が沢山ありそうな終端街、次回も楽しみにしています。
仄暗いようで暖かな世界
突然の事故で死んだトアは、気付けばエレベーター(昇降機)の中にいた。これは夢かと思うトアだが、そのエレベーターが止まった階で青年トウカに果ての見えない真っ直ぐ伸びた通路へ案内される。トウカはそこを死者の国へ行くための通過地点と話す。
通過地点で直面するのは、自分の中に佇む目を背けてきたものたち。それを乗り越えると、次の世界に行けると言うがーーー。
22-23ページのトアちゃんの歩く速度と同じように心に忍び寄る描写と、24ページでそれが堰を切ったように爆ぜる瞬間が最高に素敵!
トアちゃんの心の柔らかい部分に触れながら、それを昇華させる運びが美しくて……本当に読んでほしい……彼女の願いがそこにあったから…。
暗がりの通過地点のようにほんのり冷たく、口に含むと酸味が爆ぜて、でもどこか懐かしい甘く柔らかな卵の香り。銀色のフォークを差し込んでいただいたそれは生クリームと蜜柑を挟んだシフォンケーキのような、幸せな気持ちになる1話でした。
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