購入済み 杉原は政府の命令で動いた
二郎 2020年10月01日
なぜ「政府の命令に反して」という嘘のプロパガンダにこだわらないと、本を書けないのだろうか?
ただこの本でよかったのは、彼が志願兵として兵役をこなしていることを書いている。1年で陸軍少尉で退官。恐らく、その後も予備役軍人であったと思われるが、これを無視する伝記が多い。もう一つは、敗戦時にソ連軍に拘束さ...続きを読むれたのに、何故かすぐに解放されたという事実を記載していることだ。ほかの外交官はシベリア抑留の憂き目にあっている。彼が何故すぐに解放されたか謎だ。素直に読めば、「あの件」とはまさしく、ソ連からすぐに解放された事以外に無い。
彼は終戦まで懲戒も受けずに、順調に栄転している。筆者は、どうしても「政府の命令に背いて罷免された」という虚構を強制され、良心から事実を持って語らせる手段に出たと考える。
しかし、ここまでが筆者の限界なのであろう。
巻末に 彼と縁もゆかりも無いアンネ・フランクをあげているのに、杉原に先立つこと2年前に満州・オトポールで2万人のユダヤ人を救った樋口中将、東条英機、松岡洋右の名前を挙げることは許されなかったのである。