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レビューを書いた覚えがない
どこまで本当でどこまで嘘か分からなかったけれど、というか多分書きながら思いつくままに本当と嘘を交えていったのだろうけれど、それにしてもなかなかどうして、素敵な話だった。素敵という一言で一冊の小説を表現するのは不徳であり不十分であることは分かっている。それでも、何というか、西尾維新先生の小説の美徳というものが、それなりにはっきりと分かった気がするので、個人的には素敵な話だったと言わざるをえない。あくまでも、分かった気がするというだけだが。
語り手は30歳の小説家。当時、西尾維新先生は約30歳の小説家だったから、私小説として、先生はこんなことを考えていたのか、と読めるのだけれど、本文で「これは物語ではなく事実である」と書かれていることからも、そう読むように仕向けられているのだろうけれど、すべてを事実だと信じる気にはなれなかった。ところどころ、というかほとんど、もしかすると99%、噓かもしれない。しかしそれでも、どうして彼が小説を、物語を書く気になったのか、その決心がついたのか、ということに関しては、噓をついていない、気がする。僕はそう信じる。
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