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スポーツ、運転、仕事、家事、話し方……身体を使うすべてのモノゴトに「こつ」は存在し、「スランプ」は学びの必然である。スランプを乗り越え、こつを体得するとはどういうことか。「からだ」と「ことば」はいかに相関しあうのか。身体に根ざした知=身体知の学びに挑む、認知科学の最先端!
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Posted by ブクログ
ふだん自分がぼんやりと考えていたことが明文化されていて面白かった。情報と、実感と、それを再現するための意識のお話(というざっくりした理解) 何年後かに再読したらもっと面白そう。
サブタイトルに「身体知の認知科学」とあります。 人はどのように物事を認知し、考え、理解していくのか。 そういったことを学問として研究していくのが認知科学。 本書は主に、身体知をとりあげています。 たとえば本書では、野球のバッティングの上達には、 体感を言葉にすることが大事だとされる。 足の踏ん張...続きを読むり、身体の開き方や、肘の折りたたみ方など、 バッティングする際の身体の体感を意識して、 どうやっているかを言葉にしてさらに意識する。 すると、言葉で意識したことによって修正点が見つかり、 それを身体に試すことになる。 そして、それがどのくらい成功したか、 どのくらい失敗したかをまた言葉にして意識し、 さらに修正していく。 それでうまくいっても、 状況や環境や自分の肉体の調子が変わればまた、 その方法ではうまくいかなくなりますから、 また言葉で捉えなおすということが繰り返されます。 また、感じていることを言葉にし、それを行動にフィードバックすると、 さらに感じることが変わって、また言葉が変わります。 さらにさらに、その変化した言葉によって、 行動もまた変わっていくという繰り返しになります。 これを進歩とか洗練というのかは、本書では書かれていませんが、 先鋭化という問題も含めて、 言葉で突き詰めていくという本書の方法の筋は いたってわかりやすい直線的な方法のようにも感じられます。 しかし、突き詰めた先に袋小路が待ち構えていてもそこでストップせずに、 たえず変化していくものだという、 言葉と身体の相互作用のダイナミックさを説いているのがよかったです。 おそらく、袋小路は「スランプ」なんです。 とすると、先鋭化というものも「スランプ」なのかもしれません。 「スランプ」だって言葉にしていくことをやめずにいることで乗り越えられやすくなる、 というようなことも本書には書いてあります。 先鋭化したものを辿っていって言葉で解きほぐし、 基礎の段階から再定義しなおすなど、 言葉をさらに紡いでいくことによって、 先鋭化すら乗り越えられるんじゃないか、 という可能性をこのあたりから感じました。 きっと性急じゃなければ、光は見えるのです。 居心地の悪さを感じること、そして工夫して居心地の良さを創ること。 たとえば、カフェでひとりくつろいでいるときに、 隣席に二人組のおしゃべりな女性たちがやってきて居心地が悪くなる。 でも、身体の向きを変えて、女性たちに背を向け加減にすることで、ましになる。 というようなことが、身体知である、と著者は説明します。 感性というものも、言葉と身体のやりとりにおいて大事だと解き明かしています。 感性は着眼点です。その人ならではの着眼点で紡ぎだされた言葉があり、 その言葉によって身体は変化していきます。 と、まあ、僕が語るくらいなら、本書をまるごと、ずいずいと読んでほしいのです。 思っていたよりずっと骨太で、無駄が無く、内容がしまっていて濃厚で、 難しいところはあれども、総じて親切な説明といった体です。 おもしろいし、ためになる良書です。 言葉の捉え方なんかでは、 僕がこれまで独自に考えていたものが立証されたところもありました。 また、言葉にすることが大事、だという考えは、 『弓と禅』的な世界観・方法論を信奉する人からすると、「ちょっと待った!」 となるでしょうけれど、そういう要素ももちろん否定はせずに、 本書の、言葉が重要だとする論述も呑みこんでみるのがいいのではと思いました。 小説を書く行為にも類推して応用できる論述です。 そういう方面の人にだって是非おすすめしたいですね。 もっといえば、あらゆる生活面・仕事面で適用できるものでした。 それなりに読解力を磨かねば読めないかもしれないですが、 ほんと、良い本だったので、おすすめしたくてしょうがありません。
スランプは必要悪 コツを掴んだ時は、言葉が大雑把になり、スランプの時は、言葉詳細になる 身体とことばの共創 ことばは身体から紡ぎ出される そうして生まれたことばは、身体を変容させる 身体が変容すれば、紡ぎ出されることばも変容する 入力変数は個人固有 身体知 からだメタ認知
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「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学
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