書店員のおすすめ
近年人気の「異世界」ジャンル。
その中でもドドメ色の光を放つ今作は、知らぬ間に異世界を放浪し、そして現代に帰ってきたおじさんが主人公の、萌えもハーレムもあるにはあるけどないっちゃない、だがそれがいい異色作です。
フリーターの青年・たかふみの叔父は、17歳の時にトラックにはねられて以来、昏睡状態に陥っていました。17年後、目を覚ましたおじさんが発した言葉は、世にも奇妙な異世界の言語。そう、おじさんは剣と魔法が跋扈する異世界からの帰還者だったのです。
魔法を使い、ユーチューバーとして生計を立てるおじさんがたかふみに語るのは、
古き良きセ●サターンの思い出、
異世界でオークの亜種として狩られそうになった経験、
懐かしのゲームソフト「ガーディアンヒー■ーズ」への愛、
ツンデレ美少女エルフとのフラグを無自覚にへし折りまくった回想……。
いやゲームもいいけど異世界の話が気になりすぎる!!(たかふみと読者の絶叫)
異世界の出来事を、ゲームを絡めつつ現代で愛でるという趣向の新しさもさることながら、おじさんが見せるジェネレーションギャップがとてもユニーク。
発行当時(2017年)から17年前には、ツンデレやユーチューバーの概念もなかったし「こち亀」も「笑っていいとも!」もまだあったのだなあ……。
ノスタルジーとファンタジーと生々しさが絶妙なハーモニーを奏でるゲーオタ異世界コメディー。お菓子片手にゆるっとどうぞ。