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大宝元年(七〇一)、藤原不比等の子として生まれ、同い年の聖武天皇と同じ邸宅で育った光明子。やがて皇后となり、天武―文武―聖武と続く皇統の維持が最大の使命となる。だが、長屋王の変、相次ぐ遷都、身近な人々の死など、動乱の荒波は彼女にひとときの安らぎも与えることはなかった。「稀代の女傑」か、慈悲深い篤信の女性か。毀誉褒貶半ばする光明皇后の心奥まで光を当て、天平のヒロインの実像にダイナミックに迫る。
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Posted by ブクログ
聖武天皇の妻である光明皇后の生涯と時代背景を学べるおすすめの参考書です。 従来の説で語られがちだった政治的野心の強い光明皇后像ははたして本当に正しかったのかということを本書では見ていきます。 同じく瀧浪貞子氏によって書かれた『聖武天皇』とセットで読めばより相乗効果がある一冊です。
著者の講演を聴き、そして同郷の二年先輩という親近感もあり読んだ本です。聖武天皇・光明皇后のことは少し歴史の教科書をかじったくらいであまり認識はなかったのですが、この本を読んで、二人は同い年で、兄妹のように育ったということを初めてしりました。 そして、藤原不比等、藤原氏、橘氏、大伴氏などなどの権力...続きを読む抗争、仏教と古代国家の関係など、学ぶことが多い本でした。 あとがきにあるのですが、古代史研究における奈良朝から平安朝への移行、孝謙=称徳女帝の父聖武天皇、そして、孝謙、聖武にとって切っても切り離せない光明皇后のこと、著者が長年取り組んできたことの一定のまとめがこの本のようである。 これをきっかけに、この時代の後先についてもう少し関係する本を読んで見たい気になりました(笑)。
聖武天皇の妻で、孝謙天皇の母。藤原不比等の娘。 60年を生き抜くことは大変なタスクだったと思う。 聖武天皇と幼い頃から不比等邸で共に育ち、お互いをよく理解し、大切に思った良きパートナーだったという、著者のあたたかい視点から描かれており、古代に思いを馳せながら心地良く読み通せた。
聖武天皇の皇后である藤原光明子の一生を辿る一冊。論証のしようがない心情を元にした仮説が多いのはどうなんだろう…仏教的視点からの論述は色々と興味深い点も多かった。
長屋王の神仙思想は知らなかった 左道じゃん! 臣下が天皇の長命を祈り写経してもいいものだろうか? 本当に邪な気持ちがなかったのかな?
20220503 -0518 丁度奈良旅行へ行くので、どっぷり浸ろうと持参。光明皇后については、どちらかというと夫の聖武天皇を支えてというか凌駕するような男勝りの藤原家の皇后、というイメージが強い(漫画や小説などでもそんな感じ)。本書では夫(天皇家)と実家(藤原氏)の狭間に立って調整を図りながら苦悶...続きを読むする女性、という感じ。聖武天皇が意外に(失礼!)独裁的な王権をふるう権力者、という側面があったことを歴史書や遺物等から掘り起こしていて、そこは新鮮な書き方だった。著者は光明皇后に対する思い入れが深いみたいで、やや主観的な書きぶりになっているところがちょっと残念ww。
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瀧浪貞子
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