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ストリィディア王国トリスヴァル領の領都であるトリスの冒険者ギルドに所属するA級魔法剣士のアレク・ディアは、ギルドマスターのザック・シエルから直々に、メンバーが揃わない難易度Aの依頼への参加を打診される。野宿も想定される面倒なこの依頼に参加してくれるなら、ザックの費用負担でB級魔導士のシオリ・イズミを付けてくれるという。シオリは「家政魔導士」を名乗っていて、低魔力ゆえに攻撃こそできないが、冒険中の家事系雑務を一手に引き受けるらしく、彼女のおかげで最近は支部の依頼成功率が飛び抜けてよくなっているとまで言われ、アレクはその依頼を引き受けるが…と始まるこの作品。
読み始めは「よくある異世界転移系ファンタジーラノベなのかな」と思いきや、主人公は、特別な使命のために異世界へ呼び出されたわけでもなく、異世界で未知の素晴らしい能力として生かせるような元の世界の専門知識があるわけでもなく、おまけに「異世界なのに何故か言葉か通じる」というアレもない、ある日突然見知らぬ世界に飛ばされてしまった、本当に普通の女性。でも、真面目で努力家で気立てもいいシオリが繰り出すさまざまな家事魔法と彼女自身に、アレクや仲間の冒険者は惚れ込んでしまうのですが、本人もどうやらワケありっぽいアレクと、右も左もわからない異世界で生き抜くことに必死のシオリは、さてどうなるのでしょうか。ラノベには珍しい30代半ばの主人公2人が織りなす、異世界冒険ラブファンタジーをぜひお楽しみください!
ちなみに、よくまとまっているコミカライズ版も、読みやすくて非常におすすめです。