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「『資本主義の終焉』を読み解くヒントが、現代アートにここまで隠されていたとは驚きだ!」……水野和夫氏(日本大学教授)推薦! 現代アートは理解できない……。美術館に行ってもそんな感想をもつ人は少なくないかもしれません。ましてや一見ガラクタに思える作品の価格がじつは数億円、と聞けば、なんとなくうさんくさい……と感じる人すらいるでしょう。しかし、じつはアートこそが私たちの生きる現代資本主義を体現する存在、といわれたら、どうでしょうか。まさにアートの「価値」と「価格」の関係にこそ、モノの値段が決まり、ときにそれが暴騰・暴落する資本主義の本質が隠されている、と山本さんは語ります。山本さんがオーナーを務める東京画廊は、日本初の現代美術画廊であり、当時まだ無名だったルーチョ・フォンタナやイブ・クラインという、いまや数億円の価値がつく現代美術家たちを発掘した目利きの画廊。だからこそ、その言葉にはただの画商とはひと味も、ふた味も違う切れ味と重みがあります。そして、その「価値」と「価格」の関係は時代背景によっても大きく変わる、と山本さん。本書において敗戦後から現在のグローバル化にまでいたる社会変化とアートの潮流が論じられるのは、まさにそれゆえです。西欧から日本の「もの派」へ、さらには中国や韓国へ……。そうしてアートの「周縁」が時代とともに移動していく様は、グローバル化のなかで次の投資先を求めて資本が移動していく様と重なることでしょう。ならば、その先に資本主義はどこへ向かうのか。そのなかで、日本美術はどのような存在感を発揮できるのか。戦後アート論としても、資本主義論としても多義的な読み方ができる、どこにもない美術論です。 【目次】第1章:資本主義の行方と現代アート――絵画に見る価値のカラクリ 第2章:戦後の日本とアート――東京画廊の誕生とフォンタナの衝撃 第3章:日本発のアートと東京画廊の歩み――脱欧米と「もの派」 第4章:時代は西欧からアジアへ――周縁がもたらす価値 第5章:グローバル化と「もの派」の再考――世界と日本の関係 第6章:「武器」としての文化――美の本当の力とは?
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年02月11日
アートは経済、特に資本主義と密接に絡んでいるからこそ、いろいろのものが見えてくる。
価値観や思想、哲学、様々なものが込められ、今や音楽より批判精神が宿っているように個人的に思っている。
そしてアートから外れるが、最後の方に書かれている、低金利、成熟社会、高度消費社会、縮小する経済、少子高齢化、さらに...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月11日
アートと資本主義は、一見相反するようなものに思えるのですが、アートは資本主義そのものを体現していることを説いた本で、非常に興味深く読ませていただきました。
高級時計を例にとるとわかりやすいのですが、資本主義経済では「使用価値」が低いものほど「交換価値」が高くなり、アート作品はその典型例だと説明して...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年09月18日
切り口が斬新な本だと思いました。
芸術を鑑賞する力をもっと身につける方法を鍛えても良いのではないか。という提言は腑に落ちました。というのも、アート=創作力の方にフォーカスが当りがちです。とかく創作に全く興味がない自分は、鑑賞する方が好きなので、こういうことを述べている本と出会えて心強かったし、良かっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月06日
アート、特に現代アートはさっぱりわからなくて少しでもわかりたいと思って読んだ本。
一見全く訳がわからないアート、なぜ数億円もするのかわからないアート、それらにもちゃんと意図が、理由があり、それをすごくわかりやすく説明してくれている。
まずは本物の作品をわからなくてもたくさんたくさん見て、アートを視る...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年07月10日
アートは「美術」であると共に、「商品」である。
=アートという「商品」を人々が評価し「価値」をつけるから。
絵画の値段はあってないようなもの
絵画は究極の投資対象(伸び代が大きい、しかし時間は掛かる)
その社会での文脈によって絵画の価値は異なるからこそ、伸び代が生まれる。
(旧時代では価値のな...続きを読む
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