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Posted by ブクログ
『選択』は、1975年に創刊された、書店の店頭では購入することはできない年間購読制月刊誌。
執筆者はいずれも匿名で、それ故に内容の信頼性は高いと言われ、その中でも、『日本のサンクチュアリ』は、体制側に既得権益があるために、大手マスコミ等ではなかなか触れられない組織や業界の実態・問題点を明らかにする、本誌の看板連載である。
本書は、その中から26のテーマを選び2010年に出版され、2012年に大幅に加筆のうえ文庫化されたもの。
例えば、
人工透析ビジネス~「日本透析医学会の言う基準に至らなくても、治療の現場では透析を前倒しで導入している。透析患者は病院で作られている。透析患者は一人月40万円の収入が見込め、患者の存在は病院経営にとって生命線である」
ドラッグラグ~「無駄な治験、無駄な審査を続ける理由は明快で、この悪しき制度がある限り、行政にも製薬企業にも医療界にも多くの雇用が生まれ、業界全体が潤うからだ。いわば新薬開発という「公共事業」である。患者の命などは二の次で、大事なのは「創薬ムラ」の利権死守。それが我が国の薬事行政の正体なのだ」
ペット市場~「ある犬種がブームになると、数年後にそれが大量に保健所に持ち込まれ処分されているのはよく知られた事実だ。06年までは毎年十万匹以上の犬が保健所で、「安楽死」という名のもと、炭酸ガスにより窒息死させられ、猫も入れれば、その数は三十万匹を超える」
といった具合である。
本書では、そのほか、生保「総代会」、パチンコ業界、原子力安全・保安院、農林中金、国連大学、独立行政法人、国立大学法人化、食品安全委員会、日本相撲協会、NHKなど、いずれも興味深いテーマが取り上げられている。
(2013年6月了)
Posted by ブクログ
入管管理局、生保「総代会」、「人工透析ビジネス」の内幕、パチンコ業界、厚労省の犯罪「ドラッグラグ」…日本の『聖域』に巣食う輩を追及する連載を単行本化されたものです。『真実』がえぐり出されております。
こちらが「日本の聖域」の第一集です。本来だったらこっちを先に読むべきでありました。本書は月刊誌「選択」創刊号以来の名物連載から精選された記事26編を収録したものでございます。「3・11」で大きく露呈したとはいえ、いまだ一見すると見えませんがしかし、厳然と存在する日本の暗部や政治的・経済的癒着の構図、さらには官僚組織の病理などを切れ味鋭く抉り出しており、ページをめくるたびに怒りに震え、しかし、記者たちの寸鉄でえぐるような筆の鋭さに、なるほどなぁと最後にはうなづいてしまったしだいです。
自分が印象に残った箇所はパチンコ業界で警察と業界の癒着を抉り出し、創価学会の『エリート』たちが以下に国家中枢に食い込んでいるかを詳細に描き出し、巨大な『ペット市場』の裏側で人知れず毎年30万匹が『処分』されているという話や、検死制度の杜撰さが本来事件になるはずだったものをうやむやにしていくという事実。さらには当時渦中にあった日本相撲協会の『ごっつぁん』体質。そして、「みなさま」のNHKが実は巨大なメディア帝國を築いていると言う話は、本当に読み応えがありました。
今ものすごく問題になっている原子力安全・保安員についても鋭い筆誅が加えられており、こういった『聖域』に守られていて、『甘い汁』を吸っているのが日本と言う国の本質なのかなと。読んだ直後には暗澹とした気持ちになりましたが、それをまず知ることからが始まりだと、そんなことを自戒としております。結構読むとショックを受けるので、あえて万人にはオススメできませんが、よろしければ一読をされていただけると本当にありがたく思います。
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