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父・良一を支えた笹川陽平の「復讐の物語」。
本書は、競艇の創設に尽力し「日本のドン」の汚名を背負った故・笹川良一氏と、ハンセン病制圧を中心とした慈善事業を担う三男の笹川陽平・日本財団会長の、父と子の物語である。
1899年に生まれた笹川良一氏は戦後、A級戦犯容疑者として巣鴨プリズンに収監。48年の釈放後、51年のモーターボート競走法制定に尽力、全国モーターボート競走会連合会、日本船舶振興会を設立し、会長に就任。競艇の売り上げの一部を慈善活動に使う集金システムは、「右手でテラ銭を集めて左手で浄財として配る」と揶揄され、90年代にはメディアが“笹川帝国”批判キャンペーンを繰り広げた。
ロシアの沈没船引き揚げに大金を投じるなど、暴走を始めた晩年の父を陰ながら支えた陽平氏は、父なき後、父が特に心血を注いできたハンセン病制圧活動をライフワークに据えた。ジャングルの奥地など世界のあらゆる場所に自ら赴き、薬を届けて啓蒙活動に身を捧げる陽平氏の姿を、著者・高山文彦氏は「これは大いなる復讐の物語だ」と捉え、数奇なる父子の人生を綴ったのが本書です。
本書は週刊ポストで2012~2013年に全74回にわたって連載された。
※この作品には一部カラーが含まれます。
Posted by ブクログ 2015年06月16日
あの笹川良一の三男であり、現日本財団会長の笹川陽平氏。その父子と家族を描いたノンフィクション小説。
現在も精力的に活躍する、笹川陽平氏同行を含む丹念な取材と多くの資料から見えてくる姿。
笹川良一=A級戦犯=競艇=財産=なんとなく黒幕 こんなイメージを、なんの疑いもなく持たされてきた。
しかし、戦中...続きを読む
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