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あの時なぜ大国ロシアと戦ったのか? 近代日本に決定的な転機をもたらした日露戦争を描く大作ノンフィクション。第一巻は開戦までの政府・軍部の攻防、国民の熱狂、そして奇襲攻撃へ――。
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Posted by ブクログ
1巻を読み終わろうというところなのですが、異常に面白い。政治面・軍事面だけではなく、マスコミの報道の仕方や民衆の反応、また文人の想いが書き残されたものなどを拾って当時の状況を多面的に追いかけているのが良い。 そして、やはり当時の日本の指導層の登場人物が濃い。伊藤博文を中心に、山県有朋、桂太郎、山本権...続きを読む兵衛、児玉源太郎、小村寿太郎、林薫(駐英公使)、etc. その駆け引きは深くもあり人間味もあり… どちらも今更で当たり前なのですが。
とてもよく調べられていてとても面白い。 打倒露国に燃える民草と軍部という社会的背景は確かに太平洋戦争時と似ているので著者が頻繁に比較調で述べるのはわからんでもないが、幾分冗長。なにを取っても昭和のダメ出しをするのは、逆に短絡的な主張に見える。 個人的にこの二時代の違いは、国家の施政を担う実質的な意...続きを読む思決定者が、敵国との懸隔の差をどう受け止めていたかによると思う(この意思決定者に天皇は含まない。第一次大戦の独墺の皇帝がそうだったように、立憲君主制下の最高権力者は極めて民主的に振る舞った。責任閣僚の意見を無視できない制度だったからだ。)。明治の方が(元老たちは)相手との歴然たる差をその通りに受け止めていたように思う。に対して昭和はそもそも誰が意思決定者なのかもわからない状況に見える。
タイトルは戦争史だが堅苦しくなく読みやすい内容になっている。 一巻は開戦直前の話がほとんどだった。天皇や政治家や軍人にもそれぞれの主義主張があり、残されている記録から人間らしさを感じ取ることができる。穏健派と強硬派、外交で解決しようというせめぎ合い、いつの時代もどの国にもこれがあるのだろう。 そうい...続きを読むった歴史の流れに加えて、新聞社の報道や世論がどうなっているか、また文豪たちの話も入ってくるのがよかった。
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