歴史の真相を探るとき、そこには必ず「そこに至るまでの過程」と、「その原因となった火種」を見出すことができる。昭和16年12月8日未明の真珠湾奇襲に始まる太平洋戦争開戦にも、もちろん「そこに至るまでの過程」があった。本書は、日本がなぜ、太平洋戦争開戦を決定するに至ったのか。その過程を克明に描いた歴史ドキュメントである。一般的に「太平洋戦争への道」といえば、満州事変から論じられることが多いが、著者は「“海軍がなぜ開戦にノーといえなかったか”遠因をさぐるため」に、あえて昭和5年のロンドン海軍軍縮条約批准をめぐる統帥権干犯問題を第1章においている。それは、「複雑に絡んだ昭和史の謎を解く鍵は統帥権という“魔物”にある」からだという。手記や資料から歴史的事実のみを徹底的に拾い出しつつ、11年間におよぶ昭和史の転換点をドラマのように活写した文章は、長年『文藝春秋』の編集に携わった者の芸そのものである。

ジャンル
出版社
PHP研究所
掲載誌・レーベル
PHP文庫
ページ数
392ページ
電子版発売日
2017年09月08日
コンテンツ形式
EPUB
対応端末
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ドキュメント 太平洋戦争への道 「昭和史の転回点」はどこにあったか

Posted by ブクログ 2015年04月29日

ロンドン軍縮会議で表面に現われ出た統帥権干犯問題から始まり、日本が戦争へと突き進んでいくプロセスを、ドキュメンタリー形式で描き出しています。

阿川弘之によって米内光正、山本五十六、井上成美らの人物像が広く知られるようになりましたが、著者は「海軍善玉論」を信じ込むことは歴史理解を誤ると述べています。...続きを読む

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