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歴史の真相を探るとき、そこには必ず「そこに至るまでの過程」と、「その原因となった火種」を見出すことができる。昭和16年12月8日未明の真珠湾奇襲に始まる太平洋戦争開戦にも、もちろん「そこに至るまでの過程」があった。本書は、日本がなぜ、太平洋戦争開戦を決定するに至ったのか。その過程を克明に描いた歴史ドキュメントである。一般的に「太平洋戦争への道」といえば、満州事変から論じられることが多いが、著者は「“海軍がなぜ開戦にノーといえなかったか”遠因をさぐるため」に、あえて昭和5年のロンドン海軍軍縮条約批准をめぐる統帥権干犯問題を第1章においている。それは、「複雑に絡んだ昭和史の謎を解く鍵は統帥権という“魔物”にある」からだという。手記や資料から歴史的事実のみを徹底的に拾い出しつつ、11年間におよぶ昭和史の転換点をドラマのように活写した文章は、長年『文藝春秋』の編集に携わった者の芸そのものである。
...続きを読むPosted by ブクログ 2019年03月13日
歴史探偵が過去に発表した項目に2章を書き下ろし、日本の針路を左右した転換点となる事件を描写する。敵うはずの無い米国にまごうこと無い先制攻撃、真珠湾米国艦隊奇襲(三国同盟を結んだドイツが欧州を制圧すればさすがに両大洋で戦争をするのを避けて日本の方は妥協して石油禁輸を解いてくれるという?勝手読み)(挑発...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月29日
ロンドン軍縮会議で表面に現われ出た統帥権干犯問題から始まり、日本が戦争へと突き進んでいくプロセスを、ドキュメンタリー形式で描き出しています。
阿川弘之によって米内光正、山本五十六、井上成美らの人物像が広く知られるようになりましたが、著者は「海軍善玉論」を信じ込むことは歴史理解を誤ると述べています。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月09日
このところ、ずっと近代史(主に戦争について)の本やドキュメンタリーを読んだり見たりして勉強してきたが、この本には詳細かつ複雑な情報が山盛りで、読み通すのに時間と根性が必要だった。
この時代の戦争への道を見る時、情けないのは、誰も本気で戦争をする気がなかったにも関わらず、だれも戦争を止められなかったの...続きを読む
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