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Posted by ブクログ 2018年02月15日
まあすごい大作です。
長い小説はその世界観にどっぷり浸かれるかどうかが、読み疲れるかどうかの瀬戸際だが、これはもう上海の雰囲気、匂いまでが伝わってくるのがすごい。
心理描写や独白はクドイと思われる向きもあるかと思いますが、これらの多用によって夢かうつつかの戦争のなかの混沌というイメージをうまく表現し...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年03月28日
権力の中枢にいる者が民間の一事業主に便宜を図る引き換えに何かをさせようと思えば、誰か連絡を取る者が必要となる。下っ端の公務員なら、いざとなれば切り捨てることができるので好都合だ。しかも、真の意図は隠し、国のためを思ってやることだと言い含めて疑念をそらす。ことが露見すれば、上に立つ者は白を切り、実際に...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月08日
「名誉と恍惚」(松浦寿輝)を読んだ。
上海の共同租界行政府である工部局の警察官芹沢の半世紀に及ぶ人生の軌跡と辿り着いた場所での充溢した魂の咆哮。
760頁の傑作長編。
これはまさにハードボイルドだわ。
『深い、強い、痛切な喪失感。取り返しのつかない何かを失い、その悲嘆を耐え、耐えることに疲労しきっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年03月24日
戸籍には記載されない出自として日本の母と朝鮮の父を持ち、日中戦争初期の上海で日本の支那駐屯地と一線を画す上海共同租界の警察官という職業を持つ主人公が、日本が戦争という形で外の世界と軋轢を起こしながら不可逆な道を進んで行く時代に、そのアイデンティティにより不可避な運命に巻き込まれて行く濃厚な日々の物語...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月29日
松浦寿輝「名誉と恍惚」(新潮社)は、2016年、話題をさらった作品だが、読み終えて考え込んでしまった。小説を映画化する話はよくある。では、その逆は、映画のように小説を書くということに込められた意味は何だろう、というのがこの長い長い小説を読みながら浮かんできた問いだった。
始まりは1937年、事変直...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月25日
日中戦争時、上海で工部局に属する警官芹沢。陸軍参謀の嘉山に青幇の蕭と面会したいと頼まれるが、そこから芹沢の運命は動き出す…760ページの超大作。戦争について、人種について、軍について、テーマがいくつかある。日本人と朝鮮人の子供であることの芹沢の苦悩、日本に捨てられたことの苦悩、埠頭での恍惚のシーン、...続きを読む
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