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スポーツの世界にかぎらず、かつての日本におけるリーダーシップは、トップダウンで指示命令を徹底させる「支配・強権型」が主流だったが、市場が成熟した近年、部下の主体性、創造性が育まれないこの方法は疑問視されるように。そこで持て囃されはじめたのが、リーダーが組織のメンバーに奉仕し、目標達成に導く「サーバント・リーダーシップ」だった。しかしこの方法にも、リーダーと部下が友だちのような関係になって緊張感が失われ、組織が弱体化してしまうという欠点が……。では、いまの時代に最もふさわしいリーダー像とは? 平尾氏いわく、「リーダーたる者は、いかにフォロワーの力を拡大し、結集させるかを考えなければならない。そのために有効なのは、おのれの求心力をもとに周囲の人間を巻き込んでいく、『巻き込み型』リーダーシップなのである」。日本ラグビー界のレジェンドが、鬼軍曹でもなく友だち的関係でもない、第三のリーダーシップを語る!
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Posted by ブクログ
ラグビー日本代表監督や神戸製鋼のGMを歴任した故平尾誠二さんのリーダー論。
特別なことが書かれているかと思ったら、人として当たり前にやらなければいけないことが書かれている。専門性、人間力を高めること、一貫性、馴れない群れない、部下と上司の関係等納得することが多い。
納得することが多いということは、リーダーとして、人としての理想的な人間になることが大事だということ。しかし、当たり前のことを当たり前にやることが難しく、常に心がけなければいけないと感じた。
最後に、求心力を高めるポイントが4つ、まとめ的に書かれていた。そのなかの最後に「怒ると怖いこと」、なんとも人間味あるポイントだなと思った。
本を読みながら、客観的に自分をみたり、尊敬する上司などを想像しながら、求心力がある理想的なリーダーとはなにか、自分はここに書かれているリーダーとして振る舞えているのかを確認させてくれる1冊です。
Posted by ブクログ
求心力
第三のリーダーシップ
著:平尾 誠二
PHP新書 975
わかりやすい、おもしろかった
第一のリーダ―シップ 支配・強権型リーダーシップ
強いリーダーが戦略を描き、フォローは一糸乱れず従う
⇒フォロワーが自主的に考え、判断し、行動する機会を奪うことに
第二のリーダーシップ サーバント・リーダーシップ
リーダが組織のメンバーに奉仕し、支援しながら目標達成に導く
⇒リーダがフォロワーに近づきすぎて、フラット化し、友達同士のような関係へ
⇒その結果、緊張感が失われ、組織が弱体化してしまった
第一のリーダ―シップにもどるか?⇒ No!
そこで、
第三のリーダーシップ 巻き込み型リーダーシップ
おのれの求心力をもとに周囲の人間を巻き込むリーダーシップ
この平尾氏が提唱する、第三のリーダー・シップの啓蒙書が本書である
気になったのは、以下です。
■「コミュニケーションを多くとればいい」は間違いである
・コミュニケーションが密になるほど、関係性が深まる は、単なる間違い
⇒コミュニケーションを密に取りすぎていると、肝心なときに、伝えたいことが伝わらない
⇒ふだんはあまりしゃべらなくても、たまに発するひとことが聞く者の心をとらえる
・コミュニケーションがなぜ必要なのか
⇒おたがいの意思の疎通を図ること
⇒話す側に話したいこと、話すべきことがあって、聞く側には聞く態勢が整ってこそ、初めて可能になり、意味をもつ
・会議やミーティングをする理由は
⇒重要な情報を頭にたたき込み、共有したり、懸案事項についておたがいの意見をぶつけあうため
⇒読んで知るだけでなく、理解し、行動を起こすように仕向けるため
・言葉で伝えるより、見る力、感じる力を身につけることのほうが、コミュニケーションを多くとるより大切
⇒相手の表情、態度、雰囲気からその人がどういう状況にあるのか、何を考えているのかを読み取り、感じる
・自分を客観視してみる、客観視できないと、
⇒自分の発する言葉がどのように受け取られるか、どれだけの影響力を持つのかが理解できず、適切な対応ができなくなる
・意味のない言葉を連発するくらいなら、口数は少なくても、より深く考え、熟成させた言葉を発するほうが、よほど、相手の心に訴えることができる
・ホンネとタテマエを使い分ける
⇒使い分けでしかるべきである
・直接話すだけに、いいコミュニケーションを築くためには、お互いにその場の雰囲気をつかむ必要がある
話す側:その場の情報を採り入れ、考慮した上で話をする
聞く側:話す側の態度や発する熱量などから、向き合うためのしかるべき態勢を整える
■緊張感の喪失が組織を弱体化させる
・親しき仲にも礼儀あり、上司と部下のあいだにはおのずと超えてはならない一線がある
・チームとして行動する以上、守るべきルール、秩序が必要だ
一方でルールや秩序にがんじがらめに縛られてしまっていては、やはりチームは機能しない
自分の存在がたんなる歯車のひとつとしてしか感じられなければ、やりがいを得られないし、モチベーションも下がってしまう
・これ以上どちらかに行き過ぎてはいけない
そのリミットに気づかなければならないのである
リミットを超えないよう、うまくとどめておくことがチームを機能するために重要である
・すぐれたパフォーマンスをするためには、適度な緊張感が絶対に必要なのだ
・コミュニケーションは、量より質
⇒コミュニケーションのとりすぎは、緊張感を奪うと、いうことが大きな理由だ
・ある程度のハードルを設定し、それをクリアできればほめ、できなかったら、きちんと叱らなければならない
・自分ががんばって困難を乗り越えた経験が、その後の糧となり、強烈な体験として頭に刻みこまれる
・パワハラの難しさは、明確な基準がないことだ
・リーダーの強い意志、何よりも大切なのは、「これはなんとしてもやり遂げる」という意思だ
・相手に対する敬意を忘れてはいけない
フォロワーはリーダーの下僕ではなく、組織としての目標を達成するためのパートナーである
その意味では、立場と役割と責任が違うだけで、対等といってもいい
・叱責された原因を自分自身で考え、足りないものは何か、どうすればよくなるのか、試行錯誤するはずだ
それがその人間の成長を促すことになる
フォロワーにそう感じさせる力が、求心力、なのである
■強い組織をつくる三つのキーワード+α
・強い組織をつくるためには、3つのキーワードがある
①戦力、すなわち人である
②戦略、どうやって勝つのかという道筋、ストーリーである
③戦術 掲げた戦略のもとで、どこで、誰が、何をするか、ということを具体的に示すこと
・戦略には、必ず狂いが生じる
うまくいかないことがあって当然だと思え
リーダーは、ときには自分が立てたストーリーを変更しなければならない
状況に応じて、修正していかなければならない
・ゲームには、勝敗を分けるポイントとなる瞬間、というものが存在する
それを、クリティカル・モーメントという
・勝つために絶対に欠かせないもの
戦闘意欲、根性といってもいい
どんな状況に追い込まれたとしても、最後まで自分の責任を果たす
そういう強い気持ちのことである
それが +α の部分になる
■求心力が戦闘意欲を呼ぶ
・おれは、何が何でもこの目標を達成したいんだ
そういう気持ちを持つことだ
・リーダーの強い意思は、周囲を巻き込み、自信をも生むのである
・理論家は近く、情熱家は、遠く
自分自身を理の人間と考えている人は、自分の声よりも、心のふるえが相手に伝わっているのかを意識することが大切であり
情熱の人間と考えている人は、客観性をもって自分の声を聞くことを心がけたほうがいい、という意味である
・周囲から注目され、期待される ことが行動に大きな影響を与えるのは、人間も変わらない
・期待しているとは口にしながらも、期待しすぎてもいけない
・リーダーこそ、目の粗いフィルターを持て
・物事がうまく進んでいるときは、あれこれ言う必要はない
放っておいても構わない
というより、そうすべきだと私は考えている
うまくいかなくなったとき、壁にぶつかったときこそが私の出番、ということになる
・リーダーには、大局観が必要だということだ
■求心力は人間力
・人間力を高めること
人間として愛され、尊敬され、信頼されていれば、どこの会社に属していようと、いかなる肩書をもっていようと関係ない
・専門性を高めること
リーダーと呼ばれる立場にある者は、専門性をつねに高めていく努力を怠ってはならない
専門性はなんらかの裏付けが必要になる
リアリティを感じさせることが重要になる
・美学をもつ
リーダーには美学が必要である
強さだけではない、格 というべきものが必要だ それが私の美学だ
■神戸復活の陰にあった南ア人の求心力
・正しい人間を使わないチームはだめだ
正しい人間とは、練習を休まず、一所懸命やる
自分の課題に対し、前向きに日々取り組んでいるという意味である
そういう選手を使わないで、無視するようなチームは方向性が間違っている
・ラクビーにはすぐれたアスリートが必要だけれども、それ以上にすばらしい人間であることが大切だ
・勝負に対する執念 戦力、戦略、戦術+戦闘意欲
・求心力をえるための4つの要素
①専門性
②人間性
③一貫性
④怒ったら怖い
目次
はじめに
第1章 「コミュニケーションを多くとればいい」は間違いである
第2章 緊張感の喪失が組織を弱体化させる
第3章 強い組織をつくる三つのキーワード+α
第4章 求心力が戦闘意欲を呼ぶ
第5章 求心力は人間力
第6章 神戸復活の陰にあった南ア人の求心力
おわりに
ISBN:9784569820927
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:205ページ
発売日:2015年03月30日
Posted by ブクログ
先日、亡くなられた平尾氏の2015年の著作。理論と経験によるリーダーシップ論に大いに共感しました。これから、日本のスポーツ界を引っ張っていくべき人だっただけに、若くしての急逝があらためて残念です。
強権的なリーダーシップでは短期的には成果は出ても、メンバーの自主性、創造性が発揮されにくいので、トップを目指すチームにはなりにくい。メンバーをサポートすることが中心のサーバント的なリーダーシップでは、馴れ合いのチームになりやすい。リーダーはフォロワーをよく見て、その時その時において適切な距離感を保つ必要がある。そのうえで、フォロワーたちの多様性を活かし、一つの目標に向かって、チームをまとめるのに必要なのは、リーダーの求心力である。ではリーダーに求心力を生み出すものはなにか?リーダー自身の高い専門性、人間力、一貫性である。
ラグビーを通して生み出されたリーダーシップ論ですが、ビジネスの現場に身を置く者にとっても多くの示唆を与えてくれます。
Posted by ブクログ
職場の人のオススメ本。
リーダーシップの要素について書いてある。
ラグビーの話題だけでなく、多くの具体的エピソードを交え、大切なことを説く。
リーダーの目標が、みんなの目標になっているか。
強い意志で、目標を共有化できているか。
メンバーが「自分のチームだ」と感じられているか。
信頼されるために、人間性に磨きをかけているか。練習でも試合でも、誰にも文句を言わせないようなパフォーマンスをできているか。
話は単にすればいいというものではない。核心部分を最高の緊張感と吸収力を持って聞ける状況をつくることが大事。勝つ気になったときに、やるべきことが明確になれば、勝てる。
「怒ったら怖い」も必要。
Posted by ブクログ
・支配型・強権型のリーダーシップは、フォロワーが自主的に考え、判断し、行動する機会を奪うことにつながる
・過度のコミュニケーションは言葉の重みを失わせる
・もっとも完成度の高い服は、どのような服か?
デザイナー、パタンナー、縫い子、販売員、消費者、全員が私のものと答えた服。(クリスチャン・ディオール)
・会社名や肩書に拘泥しなくてもすむようにするには?
組織の外に出る、専門性を高める
・組織の外部で名前を知られたり、存在感を認められたりすれば、自信や余裕が生まれ、組織内での立場や肩書きなどそれほど意識しなくてすむようになるし、同じ組織内の人間の見る目も変わってくる。興味を抱いて、向こうから歩み寄ってくる。求心力が生まれるのである、
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章コミュニケーションを多くとればいいは間違いである
第2章緊張感の喪失が組織を弱体化させる
第3章強い組織をつくる3つのキーワード+アルファ
第4章求心力が戦闘意欲を呼ぶ
第5章求心力は人間力
第6章神戸復活の陰にあった南ア人の求心力
3つのキーワード
p82 1つめ、戦力=人、テクニカルスキル、ヒューマンスキル
p88 2つめ、戦略、どうやて勝つかという、ストーリー
p91 3つめ、戦術、具体的に示す、修正力
p103 α、戦闘意欲
2015/3/30初版
2016/10 平尾氏、逝去
中学、高校、大学、社会人、全日本、すべてのカテゴリーで
キャプテンをしてきた人の考えは、ラグビーにとどまらず
どの場所でも共通であるはず。
経験、実践、学びからの感覚は、ステップが切れている。
2019ワールドカップ日本大会ベスト8以後、メンバーが発する
言葉、チームの考え方の基本は、そべてこの本の中にあった。
平尾イズムは、全日本に流れているのか、
平尾イズムではなくそれがグローバル標準なのか、
それは世界で見ている人だけが分かっているのだろう。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。