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高校時代からつきあってる“かんちゃん”にDVを受けている弓。そんな弓のバイト先に、中学時代の友人・真山が現れます。不器用な真山が示すまっすぐな好意に、弓の気持ちは揺らいでいきます。
「これ以上近づきたくない 近づかれたくないはずなのに 会うための理由を探そうと必死になっている」という弓のモノローグに、真山へ惹かれていく自分の気持を抑えようとする、弓の切なさ、いじらしさが滲み出ていて、胸がきゅーんとなります…。
本当は惹かれ合っている二人ですが、弓を守りたい、自分を頼って欲しいという真山の真剣な言葉が、むしろ弓を追い詰めてしまいます。
このもどかしさ!この心の震え!20代の男性同士なのに、真山と弓の関係はまるで初恋のよう。ヘタレな真山ですが、弓に対する思いの深さに、ついつい応援したくなります。
DV男・かんちゃんのその後の話が収録された『恋愛ルビの正しいふりかた』もあわせてどうぞ。