Posted by ブクログ
2015年09月04日
この『高嶺と花』、面白イイ少女漫画だ
がっつり、少女向きの内容だが、男も楽しめる
それは何故だろうか、王道だからだ
金持ちで、高飛車で、我儘で、数少ない長所を残念すぎる部分が塗りつぶしちゃっているけど、素の自分をちゃんと真っ直ぐに見てくれる相手への行為の表し方が、素直じゃなくて、的外れ、空回り気味な...続きを読むトコがむしろ可愛く思えてくる御曹司と、この年頃にしては珍しく、何があってもブレない自分をちゃんと持っていて、間違っていると思った事にはバカ正直に真正面からぶつかっていてしまう、ある意味、不器用な生き方しか出来ない負けん気が強すぎなJKの恋愛模様、これを王道と言わず、何と言う?
一巻の帯にある言葉は、間違っていない。確かに、少女漫画好きを自称するのであれば、この作品を押さえておかなければ、話になるまい
実際、今、私の中で、この『高嶺と花』は『こももコンフィズリー』(南マキ)に肉薄しつつある
王道のストーリーを支えているだけあって、師走先生の画力は高い。容姿に、キャラクターの個性がしっかりと出ている
また、この作品の魅力は、奇をてらい過ぎない展開の話に加えて、花と高嶺の会話にある
相手を打ち負かそう、相手を凹まそう、相手に弱みを握られないようにしよう、そんな意図が、自分を隠さないでいられる気楽さと共に、二人の発する言葉に籠められており、“聞いていて”笑えてくる
どっからどう見ても、相性が悪くないどころか、むしろ、ピッタリなのに、それを認めたがらない二人の青い若々しい、意地っ張りなトコロすら好い
また、花が、自分と高嶺の立場の差に気を使い、彼に迷惑をかける事を恐れて、無理に好感度を下げようとするけど、結局、自分の気持ちを偽りきれないトコも魅力的だ
2巻からは、高嶺の親友でもあるニコラも登場し、ますます、面白くなっていきそうだ。個人的には、作中でまだ滲み出てもないが、花、高嶺、ニコラで定番とも言える三角関係になるよりかは、花の親友である光子と彼が、ちょっとしたアクシデントがキッカケでイイ関係にならないかな、と期待してる
この作品の中で特に喰えない、高嶺の祖父・鷹羽蒼天氏が今後、どんな孫弄りを行うかも楽しみだ
加えて、オマケ四コマ漫画も充実しているのは、一漫画好きとしてシンプルに嬉しい
1、2巻ともにグッと来る話ばかりだが、やはり、掴みとしてバッチリであった「第一話」を私は推す。起承転結がしっかりしていて、ラストでしっかり話を纏め、第二話に繋げているトコは見事
この台詞を引用に選んだのは、高嶺らしさが特に出ているからだ。やっぱ、少女漫画の主役となると、これくらい、台詞を言えなきゃ務まらないだろう。気になっている相手から、自分らしくいればいい、と言ってもらえる事ほど、心に力に湧き上がってくるのは、男も女も同じだ