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「『あなたって○○』と決めつけてくる人には、『あなたはそう思うんだ』と防御」「『こうしたほうがいい』とアドバイスしてくる人には『そうできたらいいね』とスルー」「プライベートを干渉してくる人には、『私のこと、気になる?』」など対人関係テク満載!姑息な上司、過干渉の親、うるさい夫、うざい友人…対人関係療法の第一人者が、苦手な人に振り回されないで、ラクに自由に生きていくためのあの手この手を教えます!
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Posted by ブクログ
誰にでも、きっと「苦手な人」はいると思う。 「苦手な人」との付き合いうには、自分にストレスを生む。それだけならまだしも、「その人のいる場所」を避けることにも繋がりかねない。 「自分の領域」「相手の領域」を尊重しつつ、「スルー力(無視することではない)」をもって、「苦手意識をコントロールしよう」とい...続きを読むう考え方。 内容も身近な例を取り上げて書かれており、分かりやすい良著と思います。
嫌いで嫌いで仕方がない人間がいて、暇があれば思い出しては頭にきているのだが、これを読んで少しは、考え方が変わった。 「なるほどな。」と思うようになった。 怒りをすべて無くすことはできないが、ちょっとずつ改善するにはいい本だと思う。
苦手な人の受けとめ方を変える手助けをしてくれる本。 読み終わった後は何だか苦手、モヤモヤという気持ちを整理できた感覚になりました。 また、あくまで「苦手」な人への対応を考える本であり、仕事などで具体的に実害を被っている場合などには、また別の本が必要かも。
<ポイント> ・相手にも相手の事情がある。 ・自分の領域は守る。 ・「まあ、多くの人が善意で生きているものだから大丈夫。ひどいことを言う人は、その人自身が問題を抱えているだけ」「私は自分でできるだけ頑張っているのだから、今はこのままでよい」と思えるようになっていく、つまり、健康な「コントロール感覚」...続きを読むを育てていく。 <ピックアップ> 〇苦手という気持ちは、それ自体がストレスをもたらすだけでなく、自分たちを不自由な存在にする。自由が奪われる存在である。苦手な人がいるために、本来やりたかったことができなくなる場合もある。 〇本書の効用 →「苦手な気持ち」のカラクリがわかる。 →今ある「苦手意識」が小さくなる。 →「実は苦手じゃなかった」パターンに気づく。 →「苦手な人」が気にならなくなる。 →「苦手な人」とのラクな付き合い方がわかる。 →「苦手な人」すら味方にしてしまう。 〇苦手と思う理由は、「コントロールできない感じ」があるからである。 〇領域を侵害してくる=不快 〇相手の領域と自分の領域に境界線が引けない人がいる。一般的に、他人の領域を尊重できない人は、自分の領域にも責任を持っていないことが多い。本当は自分の領域の中で、自分の意思でやっていることなのに、「やらされている」と感じたりする。また、自分の領域の中のことは自分で伝えなれば相手が知ることはできないのに、「顔を見ればわかるでしょ」「察しなさいよ」と言わんばかりに、自分の心を読んでくれな相手を責めたりする。このように、お互いの間の境界線を自覚していない人は、他人にストレスを与えていく。 〇人からストレスを受けると、そのストレスが「この人、苦手だ」という意識へと発展するときには、ただ「領域を侵害された」というだけでなく、「それを自分でうまくコントロールできない」という要素が分かっているものである。 〇感情に従って行動している人は、他人から苦手意識を持たれやすいものである。相手の行動に一定のルールが見えないと、事態をコントロールすることができない。 〇よくわからないけれど、「なんとなくイヤ」 →主に相手が原因で起こる「苦手」、相手の困った性質ゆえに、自分との関係性をコントロールできない、という感じが苦手になる。しかし、苦手な人とは、こうしたパターンだけではない。相手には何の非もないのに、苦手というパターンもある。こうした場合に抱く感情は、嫉妬や羨望であったり、自虐であったり、強い不安や焦りであったり、何かしら自分を苦しめるネガティブなものである。 →「トラウマ」と呼ぶほどではないレベルの心の傷を「プチ・トラウマ」と定義する。「プチ・トラウマ」は、人からの批判や攻撃、疎外、蔑視などによって受けるが、あまりにも日常的に受けるので、「傷」というよりも、「自分はダメな人間だ」という感覚や、何らかのコンプレックスとして残っているものである。このような心の傷が残っていると、それを刺激するようなことに直面した時、反応が起こってしまう。その反応の最たるものが、「ネガティブな感情が沸き起こり、それをコントロールできなくなる」というものである。 →例えば、「素直で明るい同僚がなぜか苦手」。 自分が小さい頃から「暗い・素直でない」と批判されて育ってきた場合、普段はそれほど気にしないで済んでいるのに、素直で明るい同僚をみると、「明るくない、素直でない」自分に直面してしまい、「自分がダメだ」という気持ちがよみがえり、コントロールできなくなる。もちろん、この場合にコントロールできないのは、「うまく付き合いえる、付き合えない」という相手との関係性ではなく、「相手と会うとなぜか落ち込んでしまう」「嫉妬してしまう」などといったネガティブな感情が自分の中で起こる。しかし、これもまた「コントロールできない感じ」へとつながる。 →「ネガティブな感情がわいてきて、コントロールできない」という現象は、とくに、自分に自信が持てないとき、自分の人生が上手くいっていないと感じているときに起こりやすい。そんなとき、何かしら「他人はこんなにすごい」という情報に直面すると、心が衝撃を受けてしまうことがある。すると心身は「もう衝撃を受けたくない」モードに入りますので、周りに対し、警戒してしまう。「うん、すごいって言ったって、所詮は〇〇でしょ」というような意地悪な気持ちが出てくるのも、その「警戒」のひとつである。でもそれ以上に、自分自身に向かう警戒の方が重要なのである。「人のすごさ」に衝撃を受けたというのは、「自分がダメだから」。自分がちゃんとしてさえいえば衝撃を受けずにすんだはずなのだから、自分をちゃんと整えなければと思ってしまう。すると、自分へのダメ出しが始まる。「これもダメ、あそこもダメ」と、場合によっては人生の全てが間違っていたような気にすらなる。比較的うまくいっていると思っていた領域すら、大失敗だったような気になる。ある人を見るとそういう自信ない気持ちが抑えられなくなると、やはり「コントロールできない感じ」につながり、これもひとつの苦手な人のパターンになる。 〇苦手な人と接するときには、どこかしら身体に力が入って緊張する。苦手な人がいる場所には行きたくない。行かなければならないとしても、身体が緊張する感じ、窮屈な感じがする。そう、のびのびと息を吸い込めない感覚がある。こうやって「苦手な人」は、私たちの自由を奪う。「苦手意識」を手放すということは、ありのままの自分でいられるようになるということである。 〇ステップ1 どうして「苦手意識」が生まれるのか? →相手や状況を「コントロールできない感じ」が苦手意識を生む。 →人はそれぞれ「自分の領域」を持っている。 →「決めつけられる」「押し付けられる」「依存される」はすべて「領域の侵害」である。 →「常識が通じない」「やりとりできな」人には苦手意識を持ちやすい。 →相手に落ち度がないのに「苦手」な場合、自分の「心の傷」を疑ってみる。 〇コントロールできない感じがあると、苦手になってしまうという位置付けができると、苦手意識が減っていく。 〇「苦手意識を持っている自分」への苦手意識、というのは、つまり、「苦手意識を持っている自分」をコントロールできない、ということですから、相手や状況を「コントロールできない感じ」と自分を「コントロールできない感じ」との複合汚染になっている。よって、コントロールできない感じをなくして「苦手意識」を手放す、という目標からさらに遠ざかる。 〇自分が何かに対し、苦手意識を持っているという事実は、にわかにコントロールすることができない。よって、「苦手意識を持っている自分」について「コントロールできない感じ」を減らすためには、「苦手は苦手でよい」と認める、ということが必要である。 〇現実を否認しても勝ち目がない。自分が相手を「苦手」と感じているのは、現実であり、「これが現実でなければよいのに」と思って、現実との間で綱引きするのは、同じ場所にとどまることになる。限られたエネルギーを留まるために使うのではなく、前進するために使うほうが得策である。 〇「自分は相手を苦手だと思っている」という現実を受け入れることから、全てが始まる。それが、「苦手は苦手でよい」と、(現在のところ)割り切ることである。割り切れないほど、グルグル回るものである。 〇「心の傷」は、大きな衝撃を受けることによって生まれるため、強いコントロールできない感じに襲われる。自分にはどうすることもできないというような強い無力感や孤独感を抱く。さらに、生きていくことができないという感じ方も生じる。そんな心の傷から回復するためには、その心の傷をいなすというよりも、「コントロールできない感じ」から抜けことが必要である。心の傷そのものに手がつけなくても、人生全般に「まあ、何とかなるだろう」という感覚がつかめてくると、心の傷は相対的に軽くなってきて、「思い出すとつらいけれども、何とかなる」という程度になってくる。 〇例えば、誰かを見たとき、「自分の中のイヤな気持ちが強まる」というのであれば、それは心の傷が刺激されていることであり、「コントロールできない感じ」が強化されてしまい、「相手の成功を素直に喜んであげられないなんて、ダメな自分」などと自分を責めてしまう。よって、「今の自分にはまだこの人を直視するのは早すぎるのだな」と思うのであれば、「見ないようにする」という選択肢を選んでもよい。そのためには、「苦手は苦手でよい」という認識が必要である。自分で「苦手」と認め、積極的に「見ない」という選択肢を呼ぶ、ということもできる。これは「逃げ」でも「弱い証拠」ではなく、自分のありのままを認めたうえで、その自分に、時期にあった適切なケアをしている、と考える。まさに、自分の領域に責任を持っていることになる。 〇例えば、「空気を読むのが苦手」「人の心がなかなか想像できない」など、かなり先天的なものは、努力しても力が伸びないということはあるため、そんな方は、自分を責めるのではなく、自分には、もともとそういう力がないのだと認めるところから、全てが始まる。「苦手は苦手でよい」ということを受け入れて、自分に合ったかたちを探す。 〇自分の色々な事情を考えたときに、「まあ人間だから仕方ないよね」と言ってあげる。 〇「苦手」=「コントロールできない感じ」と考える。 〇今の気持ちは、結論ではなく、「過程」と捉える。 〇ステップ2 どうしたら「苦手意識」を手放せる? →「苦手意識」を手放そうとすればするほど、苦手になる。 →自分の「苦手な気持ち」ではなく、自分は何に対して「コントロールできない感じ」を持っているのか、に注目する。 →「苦手は苦手でよい」とい割り切ったほうが、うまくいく。 →見たくない者は、見なくてよい。 →「苦手」なのは、結果ではなく、単なるプロセス。 〇「苦手」と思い込んでいても、単なる慣れていないものに対する「違和感」の場合がある。単に知らなかったという違和感もある。時間の経過の中で「苦手」でなくなっていくというものもある。 〇はじめはあらゆるものに「違和感」を持つ。よって、違和感というのは、人間が安全に生きていくために備わった仕組みである。不安や警戒心を抱くものである。その後、実際を知るプロセスを通じて、その変化に適応していく。これは「慣れること」によって、克服可能な「苦手」である。「慣れていないもの」に対する「苦手意識」は、「仮の苦手」というべき性質なもので、実際を知り「慣れていく」ことによって自然と苦手でなくなっていくのである。 〇人間は通常、時間が経てば慣れてくる。基本的には、あらゆる変化が乗り換え可能である。最初に「苦手意識」を強く持ってしまうと、なかなか慣れることができません。相手を「苦手」というメガネを通じてみてしまうと、実際の相手が見えなくなる。なれるというのは、実際の相手と触れ合ってこそのこと。 〇「今感じている『苦手』は、新しいものに直面したための違和感かもしれない。すると、慣れるための適応プロセスが必要で、しばらくは苦手意識が続くかもしれない。その間は仕方がないと諦めよう」という考えをする。現実を受け入れたとき、人は最も前進する。 〇「今、自分は新しいことに慣れている途中なんだ」と受け止めることで、結果として早く「慣れる」ことができ、「仮の苦手」を手放すことができる。そうすることで、「苦手のメガネ」にそれほどとらわれずにすむようになる。単に自分が「プロセスを歩んでいるのだ」と理解できれば、相手がどれほど苦手に思えようと、それ自体に対した意味がない。要は、慣れの問題だと思えば、余計なエネルギーを消耗しないですむ。違う人間同士が知り合い折り合うには、それなりのプロセスを必要とする。 〇例えば、相手がなぜ挨拶を返さないのかは、「相手の領域」の話であるため、本当のところを知らないという意味で、「仮の苦手」と分類する。未検証の「仮の苦手」だなと分類する。相手の事情を知る。 〇ステップ3 「仮の苦手」って何? →「苦手」だと「思い込んでいるだけ」の場合、「仮の苦手」と呼ぶ。 →人は「慣れていない」ことを、「苦手」と思い込んでしまう。 →最初に「苦手意識」を強く持つと、その後、なかなか「慣れて」いけない。 →相手の事情が分かれば、「苦手意識」は薄れる。 →「慣れていない」ものは、「苦手」と決めつけないで、まずは様子を見る。 〇「苦手?いやそんなこと、思っちゃダメだ!」→「今は苦手でOK!」→「なんとかするぞ!」===「コントロール感覚」を身につける。 〇テニスするところをイメージする。 →定位置に構え、球筋を読み、「あれはアウトだからいいや」「これは入ってくる。とれるボールだから、ちょっと頑張って取りに行こう」「ナイスショットなので、どうせ取れない。落としても勝負には影響のないボール」などと読んでいる。すると、走る量も最低限ですむ。自分が定位置に構えていられることが多いので、取れるボールも増える。必ずしも全部のボールを取ろうとコントロールしているわけではないが、全体としてみれば、ただラケットを振り回すよりもはるかに「ゲームを自分のものにしている感覚」があるはずで、テニスが苦手ということになならない。 〇一つ一つ細かいことをコントロールするのではなく、全体を「自分のものにしている」感覚を、「コントロール感覚」と呼ぶ。テニスの例で言えば、不要なボールはとりに走らないことも含めて、「どんなボールが来ても対応できる」という感覚がつかめれば、それはまさに「自分のものにしている」感覚。つなり、「まあ、何とかなるだろう」ということ。 〇この「コントロール感覚」を養うために必要なのが、「スルー力」である。すなわち、「苦手な人」に見えるものを視野から消してしまう、という力である。まずは自分がありのままでいられ、どんなものが来ても気楽に「スルー」できる、どんなものが来てもそこに「苦手」を感じない、それが強力な「コントロール感覚」をもたらす。「苦手でないふり」「見て見ぬふり」などと、自分のありのままを否定するような姿勢によって、苦手意識が本当の意味で克服されることはない。 〇事情が分かれば大丈夫である。差別的な発言があっても、その人は事情を知らないと考えれば、「差別するなんて、それでも人間?」という強烈な違和感がなくなる。 〇「コントロールができない感じ」を抱かせる人には、現状に至るまでの何らかの「事情」がある。そして、「領域」という概念がないと考える。 〇「何らかの事情があるはず」と思うことが、そのまま「スルー力」につながる。つまり、「なるほど」と思うことは、「自分のものにする」こと、つまり、「コントロール感覚」が持てるということ。これがスルー力の基本である。相手には何らかの事情があって、今のところは現状のようにしかふるまえないという前提に立ってみると、例えば、「挨拶しない後輩に挨拶をさせる」など、相手の「ふるまいそのもの」をコントロールしようとしてもうまくいかないことは当然である。 〇「どうして話が通じないの?」「どうしてこんなことができるの?」という具合に、「わからないこと」をそのまま「コントロールできない感じ」につながっていく。しかし、「何らかの事情が必ずあるはず」「聞けば『なるほど』と思うのだろうな」「でも、デリケートな領域だし、今のところは聞かないでおいてあげよう」と思えば、詳細を知る日が来るかどうかは別にして、それはすでに実質的に「わからないこと」ではなくなっている。つまり、本当の意味で理解不能なものなどはなく、詳しく知ればそれぞれに「なるほど」と思える事情があるということである。「なるほど」と思うことは、「自分のものにする」こと、つまり、「コントロール感覚」が持てるということになる。「スルー力」とは、相手には事情がることを認めることである。 〇テニスの例で言えば、あらゆるボールを取りに走ると、振り回されるばかりで苦手意識が増えていく。人間関係も同様に、色々な事情を抱えた相手に「こうふるまうべき」ともとめることは、どんなボールでも取らなければと思うのと同じである。「このふるいまいもよくない」「あれもできていない」と相手の全てにダメ出しをしていくことは、あらゆるボールを取りに走るのと同じで、結局、相手をコントロールできないという疲れだけが残ることになる。「まあ、こんな事情があるから、この人のふるまいは仕方ないな」などと思えることは、「これはアウトだから見逃そう」と判断するのと同じことである。実際にボールを取ることはあきらめていても、状況に対して「コントロール感覚」をもてていることになる。自分は定位置にとどまったまま、「とった方がよいボール」は取る、つまり、改善できることはする、ということに専念できる。 〇まずは、スルーをして、作戦を練る。つまり、相手の言動の全てを大目に見る、一切の言動を変えさせないということではない。一旦、スルーをして、「コントロール感覚」をつかんだうえで、「さて、どう料理しよう」という話にするということがポイントである。 〇変えようとすればするほど、変わらない。変化はその人の領域の中で、自然な形で起こっていくものである。よって、人はその人が変わるタイミングでしか変わらない。変えようとするとかえって抵抗されて逆効果である。今、相手を変えようとしても意味がない、時期が来れば変わるだろう、と考える。つまり、スルーする。「まあ、どうせ今はかわらないのだろうから」とスルーする。 〇自分の気持ちも無理にコントロールしない。 →「今はこれでよいのだ。相手と直接やり取りしてしまうと、お互いに不愉快なことになりそうだから、距離を取っておこう。相手に不愉快なことになりそうだから、距離を取っておこう。相手に意識を向けないようにしよう。もう少し時間がたって、こちらも落ち着いてきたら、少しずつ接していこう。」 〇「相手が変わるはず!」をあきらめる。「これが、この人の事情を考えたときの限界なんだ」と考える。 〇実害があるわけでもないのに、強い感情を手放すことができない場合がある。例えば、電車内で化粧をする人など。不愉快と感じる場合、何らかの形で「心の傷」が刺激されているためと考えられる。自分自身が厳しく評価を下され、「人としてこうあるべき」という倫理規範を押し付けられた、厳しく育てられたなどにより、感情的になってしまう。よって、「事情があると頭で考えることはできても感情的に苦手」と思う自分を、まずは受け入れるところから始める。「苦手を感じる」という自分を変えようとしてしまうと、「コントロール感覚」が失われてしまい、何も良いことはない。 〇ステップ4 「コントロールできない感じ」を手放すには? →「苦手」と感じる時は、「相手に何か事情があるのかも」と、一旦スルーする。 →スルーしたうえで、改善できる具体的なことがあれば、取り組む。 →他人は変わるときにしか変わらない、と知っておく。 →自分の気持ちを無理にコントロールしようとしない。 →「相手を許せない!」気持ちを手放せないなら、相手を見ないようにする。 〇相手がフェアでない行動をとる時には、「心の傷」関連のことがある、と考えておくのが正解である。とりあえず、嫌な態度の人は、とりあえずスルー。 〇「自分の領域」を守る伝え方 →具体的には、相手から「あなたってこういうのが嫌でしょ」と言われたときに、「ふん、そう思うんだ」などと答える。これはあくまでも「相手の領域」の中で相手がそう思っている、ということを認めただけの話である。重要なのは、そこで自分の「領域」の情報が何ら漏れていないことである。好きとも嫌いとも言っていない。つまり、相手は相手の「領域」の中で何かを決めつけているのですが、それはこちらの「領域」と直接関係のない世界の話である。 〇干渉してくる人は、こちらの「領域」に入らせない。 〇自分が傷つかずに「苦手な人」と話すためには、「お互いの領域」を守ることである。「コントロール感覚」の第1歩は、相手には事情があると認めるところである。「苦手」とは「コントロールできない感じ」のことであり、どんなときにも自分なりの「やりとり」の基準を持っておく、ということは「苦手」から自由になる有効な手段だと言える。基準としては、「何を考えているかわからない人はそのままにする」「理屈が通らない人は感情のケアをする」「『自分の領域』の中でだけ話す。それでも防衛的になる相手は、相当の『わけあり』とみなし、見逃す」というあたりが妥当である。 〇どうしても、行動を変えたいとき、相手の態度を改善してもらう際には、「領域の侵害」に注意することが必要である。その際、主語を「私」にして、すべてを「自分の領域」の中で話す。 〇「その行動」には理由がある。ひとつの行動はその人の人格とつながっている。 〇「欠点」を「特徴」だと捉える。相手は「欠点」をもって生まれてきたのではなく、単に1つの特徴を持っているだけである。 〇「自分の領域」は、自分しか責任を取れない領域である。よって、「この人と一緒にいたら病んでしまう」ということに気づいて対処できるのは、自分だけである。「よほどの事情があるのだな」と「相手の領域」を思いやり、かつ、「この人と一緒に居たら私が病んでしまうな」と「自分の領域に」責任を持ち、結論として距離をとる、という選択をするのは、大人としてむしろ責任のある行動である。両方の事情を考慮するというこの儀式をしておかないと、いつまでたっても、「なぜあの人はあんなひどいことをしたのだろう?」と相手への「?」が続いたり、「私がもう少し努力していれば何とかなったのではないか」と自分を責める気持ちが続いたりしてしまいかねない。 〇離れたくても離れられない人は、精神的に距離を取ること、無視するということではなく、「自分の領域」を断固として守る。「お姑さんはそう思った」という枠を出ずに話をすればよい。例えば、「部屋の隅に埃がたまっているわよ」と言われたら、「あら、たまっています?」とこたえるだけえよい。単に「義母はほこりにきづいた」というだけの話にとどめ、「自分が言われた」「掃除の不行き届きを責められた」などと「自分の領域」の話として受け止めない、ということである。愛嬌良くしたいのであれば、「お義母さんって、本当に細やかに気付かれるんですね~」とほめてあげてもよい。 〇ステップ5 お互いの「領域」を守るコミュニケーションとは? →イヤな態度の人は、スルー。 →「あなたって〇〇」と決めつけてくれる人には、「あなたはそう思うんだ」。 →プライベートを干渉してくる人には、「私のこと、気になる?」。 →自慢話ばかりしてくる人には、「私の自慢話も聴いてよ」。 →パニックを起こしている人には、お見舞いの一言「申し訳ございません」。 〇自分が人を味方につけたいと思ったら、自分がその人から苦手意識を持たれないようにする必要がある。相手から苦手意識を持たれない意識が有効である。「コントロールできない感じ」を抱えているときは、ありのままの自分でいられないときである。人間はありのままの自分でいられるときに、最も親切に寛大になるし、のびのびと力を発揮する。 〇相手を味方につけるためには、こちらに対して苦手意識を持っている相手の「ありのまま」も受け入れてしまうことが必要である。まずは、「相手は私のことを苦手に思っている」という現実を受け入れる。苦手意識は、相手の振る舞いによるものだけでなく、本人の「心の傷」に由来する場合もある。こちらには何の非がなくても、何らかの要素が相手の「心の傷」を刺激して、その結果として、苦手意識を持たれているということは、十分ありうる。そんな「心の傷」を持った人に対しては、ありのままを受け入れ、本人の言い分をできるだけ尊重し、決して軽視しないことを示しましょう。 〇「心の傷」からの回復のポイントは、「コントロール感覚」である。ひどい人格否定をされたりして「心の傷」をうけたとき、私たちには「他人は恐ろしい存在」だという感覚と「自分はダメな人間だ」等感覚が残る。これはいずれも「コントロールできない感じ」につながる。他人は何を仕掛けてくるかわからない、そして自分はそれにうまく対処できないどころか、他人から攻撃を引き出してしまうダメな要素があるらしい、と思うためである。「心の傷」から回復するということは、これらの「コントロールできない感じ」から立ち直るということである。「まあ、多くの人が善意で生きているものだから大丈夫。ひどいことを言う人は、その人自身が問題を抱えているだけ」「私は自分でできるだけ頑張っているのだから、今はこのままでよい」と思えるようになっていく、つまり、健康な「コントロール感覚」を育てていく。 〇こちらが注意すべきなのは、相手にこれ以上「コントロールできない感じ」を与えないようにする、ということである。 →自分は相手の「領域」を侵害する意図はないということを態度によってよくわかってもらうこと。 →相手の「常識」を尊重しようとしていることを知ってもらうこと。 →わかりやすいルールに基づいて行動すること。くれぐれも、自分の感情を根拠に動かないこと。 →ちゃんと「やりとり」をすること。特に、相手の言い分をよく聴き理解すること。 〇より普遍的な「常識」を共有する、つまり、「各論」ではなく「総論」でつきあう。自分から見て相手が「考えすぎ」と思われるような場合には、通常の意味で相手に共感することができなくても、「詳しい事情は分からないけれども不安で大変そうだ」という総論部分には共感することができる。よって、相手が何かしらの不安を訴えてきたときに、そのありのままを受け入れながら、「不安だと大変だよね。聴いて楽になることだったら、聴くから、話してね」と言ってあげるとよい。 〇ステップ6 他人から「苦手」と思われないのは、どんな人? →相手が自分を「苦手」だと思っていたも、そのありのままの事実を受け入れられる人。 →相手の「常識」を尊重し、「領域」を侵害しない人。 →相手にとって意味不明な行動をとらない人。 →「各論」ではなく、「総論」で付き合える人。 →相手の話を聴き、感情に寄り添える人。
コントロール感覚を身につけよう! 「苦手」の原因は「コントロールできない感じ」だから、互いの領域を守って接することが大事なんだとか。なるほどなー。 私には即座に具体的な名前が浮かぶほど苦手な人が職場にいるけれど、最近はさほど苦痛に感じなくなっていた。仕事上の報告や伝言なんかはするけれど相手の反応は...続きを読むなし。壁に向かって話してるようなものですわね。自然とここに書かれているようなことができていたみたい。 今後も自信をもって接していきたいです(笑)
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