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正義派ではない、金のためでもない。ヤミ金融の連中を脅し、言いがかり同然の裁判を起こす。有罪確実な人間を無罪にすることに、暗い喜びを感じる。ご大層な事務所よりも船の上で生きる自由を選ぶ。法を逆手に秩序に盾突く中年弁護士、青井正志。あやふやなこの社会に鉄槌を下すハードボイルド、新たな地平。
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Posted by ブクログ
自分を壊したいと思って、壊し続ける男の物語。 青井正志。40歳。離婚した弁護士。 どうして、壊したいのかが、よくわからないが、 それが 男の 美学であり 悲劇の主人公 なのだろう。 あらゆるものを 失おうとする 意志。 法を武器とすることで、一人で反乱しようとする。 駐車禁止を取り締まりにたいす...続きを読むる 婦警への追求 が なんともいえず 悲しいような気もする。 子供が飛び出てきて、それにぶつかった男を弁護する。 子供を被害者でなく 加害者として訴えるという。 無過失責任とはなにか? 車は 急に止まれない。 なぜ 制限速度が決まっているのに、それ以上走れる車を生産するのか? サラ金の法定外利子にたいする たたかい。 お金に執着せず 何が問題なのか ということに挑む。
久しぶりに、ハードボイルドの北方謙三を平積みで見た。 もちろん即購入。 北方謙三をはじめて読んだのはいつだったか? 確か「あれはまぼろしの旗だったのか」というタイトルだったような気がする。 まだ高校生の頃だろうか? それとも大学生になっていただろうか? 北方謙三のハードボイルドに魅せられて、結構コレ...続きを読むクションした覚えがある。 自分では絶対にできない、ハードな男の世界。 とにかく憧れていた。 いつも登場人物は強い男で、心の中に獣を飼っている。 知らず知らずのうちに、心の中の獣が大きくなり、そして自分で抑えきれなくなり、破滅へと導く。 そんなストーリーが好きだった。 その北方が、ある日 歴史小説を書くといって、ハードボイルドから離れていたが、久しぶりの文庫・平積みとあっては、買わずにはいられない。 すれた感覚で世の中を見ることしかできず、世間や常識を敵に回し、壊れていく弁護士の姿を描いているが、以前のわくわくするようなストーリー性はなく、オムニバス的に主人公を中心にいくつかの事件や出来事が通り過ぎていく中で、主人公が勝手に壊れてしまった。 自分がすれたのか、北方のオーラが消えてしまったのかは定かではないが、期待を裏切られたような、味気なさ、物足りなさを感じたのは私だけだろうか?今度時間ができたら、老いぼれ犬やブラッディードールを読み返してみようかとふと思っている。
破戒裁判とおなじ棚にあったのでいでに購入した本です(えええ!そんな理由?) 弁護士が主人公のハードボイルド小説。 ただし法廷シーンは一切出てきません。 この手の小説をわたしは巧く説明できないのですが、たとえば人間の中に存在するニヒリズム・破滅願望・破壊衝動が論理的な思考・社会的地位と組み合わ...続きを読むさったときにそれを持つ人間の漕ぎ出して行くさきはどこなのか?ということを書いている小説?なのかな?? 説明のつかない衝動に付随する言動を描写していくとこうなるのかもしれないですね。 ただしハードボイルドが好きだという方ならある程度面白く読めるかなあと思います。わたし自身は楽しめました(が個人的には短期間に何度も読み返したい!という本ではないです。でも嫌いじゃないです。煮え切らないな)
2008年4月2日再読。 主人公は、青井正志、40歳。弁護士で、2年前に離婚し、中学生の娘あり。 青井は離婚前あたりから自分の心の変化に気付く。自己破壊的行動をとりはじめる。青井の中にあった獣としての本能が動き出したようだ。はじめは弁護士であるため法律自体を武器にしていたが、徐々にただ本能に導かれ...続きを読むていくようになる。 北方作品の中では異色なストーリー。主人公の内面を冷徹に彫りだしていく文筆力は鋭い。
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北方謙三
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