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思考停止に陥らず、現代社会を生き抜くために
多発するいじめや虐待、社会マナーの低下などを背景に、道徳の教科化の議論が持ち上がっている。しかし、それで本当にすべてがまるく収まるのか。本書では、人気哲学者がいわゆる「道徳の常識」を徹底的に疑うことを通して、現代人のモラル崩壊という問題の核心へと切り込んでいく。多様な価値観がせめぎあう複雑な現代社会を、我々はいかに生きるべきか。具体的な事例を挙げながら、「21世紀の道徳」を自らの手で新たに構築していこうという野心的な一冊。
第1章 「道徳」の転換点―心の問題から公共・政治の問題へ
第2章 哲学は道徳をどう考えてきたか
第3章 “自分”―なぜ誠実に振る舞わなければいけないのか?
第4章 “他者”―人を利用するのは悪いことか?
第5章 “命・自然”―環境を破壊し、動物を殺すのはいけないことか?
第6章 “集団・社会”―ルールやマナーは絶対守るべきなのか?
第7章 「道徳」の消える日―自分の頭で考えるためのレッスン
Posted by ブクログ 2014年04月06日
道徳が教科になって、どうやって評価するの?とは何となく思っていた。関東で育った自分が子どもの頃の道徳の時間って、教室で「おおきくなるこ」とかいう、「中学生日記」の小学生版みたいな(たぶん、ちがったかしら)テレビ番組を観て、あと何をしてたのか…全然記憶にない。そんな程度だったから。
この本の中では、倫...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月01日
【道徳のオルターナティブとしての哲学】
お国は国民に主体性を持ってほしくないのが本音だが、それでもなお道徳教育をしたがるというのはどういうわけか。一様な「正しさ」を押し付けようとする「道徳」を疑おう、という本。
哲学を道徳のオルターナティブにしろ、と提案し、哲学教育がいかに重要か、「正しさ」をど...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月27日
「道徳」(本書では、道徳の時間には「」をつけて呼んでいる)は価値の押しつけだ。でも道徳は、自分と社会を扱う「公共性」を扱うものだ。このように考えると、道徳はシティズンシップの一環として扱われるものだ。つまり、共同体の成員として主体性を発揮できるように、もっと子どもの主体性を養うことが必要なのではない...続きを読む
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