「夫婦」不在社会

「夫婦」不在社会

ビジネス・実用
1,320円 (税込)

6pt

忙しい現代、「仕事」と「家庭」を両立するにはどうすればいい?

昭和から令和にかけてヒットした小説、ドラマ、映画を分析して見えてきたのは、ディスコミュニケーションにあえぐ「夫婦」の姿だった――。


『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』『考察する若者たち』
今最も注目の文芸評論家が「物語」を通して「家族の形」に切り込む!
これからのパートナーシップのあり方を見直すための夫婦論。



・【推しの子】、『THE FIRST SLAM DUNK』『汝、星のごとく』の共通点とは?
・月9ドラマ『海のはじまり』が描こうとしたものとは?
・なぜ村上春樹が描く「夫」は沈黙するのか?
・坂元裕二が『ファーストキス』でたどり着いた「夫婦」の形とは?
……etc.

日本を席巻した物語が浮き彫りにする問題ーー「夫婦」の不在。
どうすればパートナーシップのディスコミュニケーションは解消されるのか?



それでもやはり思うのだ。「日本の物語に、もっと、夫婦がいてほしい」と。
なぜなら文芸は現実の欲望をうつすものだが、同時に、文芸は現実の欲望に影響を与えるものだから。
ーー三宅香帆

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「夫婦」不在社会 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    夫婦間で生じた傷つきを、第三者を介在させてシェアすることが大切なのだと気づいた。
    私たちはつい二人きりで解決してしまおうとする。外からの風を取り込みながら、“時間をかけて”パートナーとの関係性を築いていくことが重要なのだろう。

    村上春樹さんの本も、そうした視点で読むことで、一層理解が深まる気がする。

    今後のキャリアを悩んでいる私にとっては、キャリア支援の本のようでもあった。

    一冊の本でいろいろな気づきが得られて楽しかった。

    0
    2026年09月23日

    Posted by ブクログ

    夫婦間のディスコミュニケーションを解消させるためには、労働に奪われない「私」的な時間を大切にして夫婦間の親密性から生じる傷と向き合うことだ。
    傷と向き合い、癒すためには時間がかかる。
    その傷を癒すためには、親密ではない第三者の介入も時には必要である。

    ということの根拠を、村上春樹作品を軸にしながら、家父長制からの父性の不在、現代社会における母と子のつながり、女性の役割の変化などを語っている。

    村上春樹の作品「眠り」は私も好きな作品だが、著者との解釈との違いに驚き、そんな解釈もあるのかと目を開かされた。

    「眠り」は、眠れなくなった主人公が、自分の殻にこもり家族との向き合いを遮断したことがあの結末を招いたのだ、と解釈していた。
    つまり、家族と向き合うことから逃げてはいけない、たとえその結果、傷つき家族の形(離婚など)が変わったとしても、ということなのだと考えていた。

    本書に話を戻すと、現代は女性の役割が重くなっていないか? と改めて感じる。
    かつて、男性は生産、女性は生活を担っていたが、現代は女性も生産を担っていて、しかし生活の役割が男女に等しく分配されたとはいえず、女性は生産、生活の二重の役割を担わされている。

    その結果、離婚率が上がるのは当然ではないか。
    だって男性が生産しか担わず、男性の生活まで女性が担いながら生産もするのだから。

    こうした忙しさの種類が異なる夫婦の間で起こるディスコミュニケーション。
    そもそも、現代の人は他者と親密性を築くのも難しいというのに、さらに夫婦で傷を覚悟で向き合う! なんとハードルの高いことか…。

    個人的に思うことは、親密な関係で生じた問題を真面目に話せる共同性の関係が希薄なことにも問題がある。
    いつでも切れることが前提の共同性の関係で、興味本位や噂話を抜きにして、他者の家族の問題に真剣に耳を傾けてくれる人がどれだけいるだろうか。
    日本は、欧米のようにセラピーも発達していない。
    著者もあとがきで書いていたように、「後ハッピーマニア」みたいな、気兼ねなく喋ることのできる友達、いないのよ。

    0
    2026年09月06日

    Posted by ブクログ

    村上春樹小説を通して、夫婦のディスコミュニケーションを説く、という内容。村上春樹を読んでいるとなお一層理解が深まりそう。
    三宅さんの『母が娘を殺すには』も読まなきゃ!

    0
    2026年08月29日

    Posted by ブクログ

    日本では、親子愛は語られるけれど、夫婦(パートナーシップ)について語られることは少ないと感じたことから話が始まる。小説・漫画・映画・ドラマから紐解く「夫婦論」は三宅さんならではの視点と切り口、語りが面白い。村上春樹さんの作品と実社会を交錯しながら歴史を辿るのも興味深かった。(村上春樹作品ばかり出てくるな!と思っていたら、あとがきでそれが裏コンセプトだったと書いてありなるほどと思う)

    まとめとして、「パートナー間のディスコミュニケーションは解消されるのだろう」という問いに「時間を急がないこと」と回答を出している。また、後半に『なぎさ』を通して第三者の介入の重要性も指摘。

    正直結論だけ取り出すとあっさりしてしまう。

    だけど、そこに辿り着くまでの過程を思考した者と、してない者とでは、実行した時の効力が違う気がして、個人的には今後の立ち振る舞いに役立つ気配のする楽しい読書だった。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    高知旅行でサイン本ラスイチ見つけて自分へのお土産として購入!
    あまりにクリティカルで後ろの方はちょっと泣きながら読んでしまった
    なんで男性の未熟さにこんなにも傷つかなければいけないんや、なんで同じ成果をあげることを課されて仕事をしているこの時代に家庭のことは黙って責任逃れする姿勢が許されるんや

    山本文緒先生と東畑先生の引用書がとっても良かったので読みたいです
    大きな流れに逆らえない、自分にできるのはちょっとしたら舵取りだけだ、は私も別れた帰り道に強く感じたので

    0
    2026年09月21日

    Posted by ブクログ

    普段小説を読んだり映画を観ていて考えもしなかった「夫婦」の存在感。シングルマザーの話は数あれど、それと比べ夫婦間を描く創作はあまりない。たしかに…。
    夫婦でいることって世の中の大半の人が経験しているのに、あまりドラマにならないのは何故だろう。日常的過ぎてつまらないからか?だとしたら親子愛を描いた物語だってありふれてるけれど、世の中には好意的に受け入れられている気がする。
    ちなみに私の好きな映画のジャンルのひとつは「家族愛」をテーマにしたものなのだが、これも夫婦のことというより"夫婦+子ども"が多いなぁ。

    本書を読んでいて感じたのは、「夫婦はこうあるべき」論は捨て去った方が良いということ。互いに愛し合い、一緒にいて成長できる等と理想論を語れば語るほど、現実との差に自分が苦しくなってしまう(世の中本当に素晴らしい夫婦もたくさんいると思うが)。
    社会構造的に理想の夫婦像を作り上げることは難しいのだから。

    1回じっくり読んでもう1回流し読みしたけど、本書は感想を書くのが難しい。村上春樹の小説を引用して著者がその意味を考えるスタイルなので、私はただただ納得することしかできなかった。
    それでも「夫婦」に焦点を当てているのが目新しかったし、好きな作品(『ファーストキス 1st kiss』)も取り上げられていて新発見があったので満足。

    0
    2026年09月14日

    Posted by ブクログ

    私も親子問題の中には夫婦で話したり解決すべき問題が、なぜか子供ありきな問題にすげ変わっていることが気になっていたのと、
    私の父親が数年越しに会って、とある問題について両親を問いただしたところ、父親がダンマリになってしまったことに疑問を持っていたので手に取った。

    新書の中で、たまに問題提起や解説だけして著者の主張はないに等しいものがある中で、三宅さんは具体的でないにせよ、こうしたほうがこの問題は前に進みそう!というご自身の意見を述べていて好感が持てた。

    また新しいやつが出たら読んでみようかな!

    0
    2026年09月13日

    Posted by ブクログ

    普段ミステリーばかり読んでいるせいか、《夫婦》が主役の作品にはあまり馴染みがなかった。なので、これを機にいろいろ読んでみても良いかもしれない。
    主に村上春樹作品を介して夫婦論が展開されるのだけど、視点が面白いなあと。
    正直村上さんの作品は難解、というか楽しみ方が分からなくて読むのを躊躇っていた。
    そういう意味では、こんな風に読み方を教えてもらえたのは僥倖。

    0
    2026年09月13日

    Posted by ブクログ

    夫婦のコミュニケーション不足が問題なのはわかる。その前に夫の家族への愛が薄いのが問題だと思う。愛することと愛されることをどちらを選ぶとまでは言わないが、家長制度で男が甘やかされてることがある。能動的に家族に関わることが必要である。

    0
    2026年09月13日

    Posted by ブクログ

    パートナーとの関係性を考えるヒントになる本だった。働くことや育児と、夫婦生活を両立させるのはやっぱり難しいと感じたし、実際感じつつある。そこで大事なのが社会においての一般的な夫婦関係を外側から見ていくことと、自分たちの夫婦関係を照らし合わせていくこと。そして自分自身を見つめ直すことなんだと思う。前半はどうしても書評っぽくなりがちでなんの話?と思ってしまうかもしれないけれど、しっかりテーマに沿っていて、大学の講義とかで聴きたいなと思える良い内容だった。
    ただ、時間を置くことが前向きに提示されているけど、自分の親世代って時間を置いた故の熟年離婚もあるよなぁとも思った。まあそれは時間をおいて話し合いをしなかった結果なんだろうけど、時間を置けばおくほど話し合うことが難しくなることもあると思う。結局は時間を置くのは手段の一つで、話し合うことありきなんやろうな。公と私を切り分けすぎずに良いところ取りのやり方があるように思う。ハイブリッドな夫婦関係がテーマの作品は出てこないだろうか。けどうまくいってしまうとドラマにならないもんね。

    0
    2026年09月09日

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